2017年の訪日外国人、インバウンド情報まとめ | 訪日外客数は2,869万人・消費額は4兆円超・観光立国推進基本計画や「民泊」「通訳案内士」法整備など3つの重要トピック

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2017年の訪日外国人客数は、当時の過去最高である2,869万人を記録しました。

3,000万人まであと少しだった2017年のインバウンド市場にはどのようなトピックがあったでしょうか。

この記事では、観光庁の統計やデータをもとに、2017年を振り返って、訪日外客数の推移や内訳を解説します。2017年のインバウンド関連の出来事も紹介します。



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2017年の訪日外国人数は2,869万人

2017年の訪日外国人の数はのべ2,869万1,073人で、前年比19.3%増、当時の過去最高となっています。

市場別の訪日外国人客数においても、中国韓国台湾香港アメリカタイといった主要20市場の全てで過去最高を記録しました。

観光庁はこの要因として、航空路線の拡充クルーズ船寄港数の増加査証要件の緩和や、継続的な訪日旅行プロモーションの実施などを挙げています。

政府の取り組みもあり、2017年以降も訪日外国人は増加しており、今後もさらに増加していくと考えられます。

国・地域別では中国が最多

国・地域別に訪日外国人客数の内訳を見てみると、中国が最多となっています。

なお、韓国(714万人)中国(735万6千人)は全市場で初めて700万人台に達しており、これに台湾香港を加えた東アジア4市場では、前年比21.9%増2,129万2,000人を記録しています。

この数字は、訪日外国人客数全体の70%以上を占めるほどの規模で、4市場が訪日外国人客数の基盤を支えていることを示しています。

その他に大きな伸びを示したのは前年比40.8%増ロシアで、この要因には2017年初の査証要件緩和が考えられます。

2017年

1位 中国:735万人
2位 韓国:714万人
3位 台湾:456万人
4位 香港:223万人
5位 アメリカ:137万人

2016年

1位 中国:637万人
2位 韓国:509万人
3位 台湾:416万人
4位 香港:183万人
5位 アメリカ:124万人

2017年のインバウンド消費は4兆4千億円

訪日外国人客数が2,869万人を記録した2017年のインバウンド市場全体の消費額は、前年比17,8%増4兆4,162億円です。消費額は大幅に増えましたが、訪日外国人客一人あたりの消費額に換算すると、前年比1.3%減153,921円という結果になりました。

以下のページでは、2017年の訪日外国人客における消費動向について、データをもとにまとめています。 

2017年のインバウンド消費データ(訪日外国人消費動向)

2017年のインバウンド市場全体の消費額は、 前年比+8.58%の4兆4,161億円 と堅調な伸びを見せています。一方、訪日外国人一人あたり消費額は上半期平均で 前年比-1.28%の153,919円 で低迷を続けています。

2017年~2018年の推移

ここで、2017年から2018年にかけての推移も見ておきましょう。

2018年の訪日外国人数3,119万人で、2017年からは250万人(8.7%)増加しました。2018年のインバウンド市場全体の消費額は4兆5,189億円で、2017年からは約1,000億円(2.3%)増加しました。

消費額の推移については、以下のページで詳しく考察しています。

インバウンド消費が過去最高記録!観光庁「訪日外国人消費動向調査」からわかるトレンドについて解説

2018年のインバウンド消費額は、過去最高を記録しました。しかしながら、以前に比べ消費額には伸び悩みが見られました。今回は、観光庁より発表された国・地域別総消費額や一人当たり消費額のデータから、訪日外国人の消費傾向を分析します。その上で、今までのアジア圏を主なターゲットとした誘致に対し、さらなるインバウンド消費増大を目指すための新たな指針を紐解いていきます。また、この記事では「モノ消費」から「コト消費」という訪日外国人の消費トレンドの変化について近年のデータを参考に検証し、今後の消費傾向を...

他の年のインバウンド消費データ(訪日外国人消費動向)を見る

年別のインバウンド消費データについては、以下の通りまとめています。 

2017年に起きたインバウンド関連、3つの重要トピック

2017年に話題を集めたインバウンド関連のニュースには、どのようなものがあるでしょうか。

以下では、代表的なものとして、訪日外国人客数の目標設定、インバウンド対策の法整備、ロシア人渡航者に対するビザ緩和について紹介していきます。

1. 「2020年までに4,000万人」の目標が設定された

年々増加する訪日外国人客に対応すべく「観光立国推進基本計画」が閣議決定されました。

観光立国推進基本計画は、「観光立国推進基本法」に基づき、観光立国の実現に関する4つの目標を定め、2020年までに達成を目指すというものです。

  • 訪日外国人客を4,000万人誘致
  • インバウンド消費額を8兆円まで引き上げ
  • 訪日リピータ数を2,400万人まで増加
  • 地方部の訪日宿泊客数を7,000万人まで増加

上記の4つが、観光立国推進基本計画で定められている目標で、国は既存の目標を上方修正するなどして、インバウンド誘致に力を入れています。

2. 通訳案内士・民泊の法整備

また、同月に「通訳案内士」、「旅行業法」の改正関連政令の閣議決定もなされています。

これらは、民泊の法整備、良質な通訳士の確保などを通じて、より多くの訪日外国人観光客を受け入れるための環境づくりを推進するためのもので、行政によるインバウンド対策の一環として行われています。

3. ロシアへのビザ緩和

2017年1月に行われた日露間でのビザ発給要件緩和も大きな話題となりました。

日露両国が政府レベルで観光業の発展を推進する目的でなされたもので、実際にビザ緩和によって2017年には訪日ロシア人が急増しました。また、現在はロシアから日本への渡航者に対しビザを免除する協議も進められています。

下記の記事では、2017年のインバウンド市場のニュース・トレンドについて、より詳しくまとめています。

【あなたはいくつ知っていますか?】2017年のインバウンド市場で担当者なら知らなきゃまずい5つのトレンドとは?2017年のテーマは「法整備」

訪日外国人観光客数が史上最多となる2,400万人を記録した2016年。さらなる飛躍を期待された今年 2017年は、インバウンド業界にとってどのような年だったのでしょうか。 まずは、今年のインバウンドに関連する出来事をカレンダー形式を確認し、訪日ラボが注目する5つのトレンドをご紹介します。目次インバウンド業界にとって重要な出来事がいろいろあった2017年2017年のインバウンド業界を理解するうえで押さえておきたい5つのトレンド[①地方創生]DMO設立で地方誘致が加速:古民家の再活用、農泊やナ...

2017年設定の「2020年までに4,000万人」は達成なるか

2020年までに訪日外国人客数4,000万人突破を達成できるかどうかは、今後の政府や企業のインバウンド対策・施策・法整備にかかっています。

2020年が半年後となった今、日々様々なインバウンド関連のニュースが出ています。増える訪日外国人を前に、最新情報にキャッチアップしながら、これまでの訪日外国人の動向も参考に、訪日観光の満足度を上げていく取り組みが必要とされています。


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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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