富裕層の誘客なくしてインバウンドビジネスの勝利なし:今「Airbnb Luxe」に注目すべき理由

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Airbnbは6月25日、オーダーメイドのラグジュアリーな旅が実現できる「Airbnb Luxe(エアビーアンドビーラックス)」のリリースを発表しました。

世界中で注目されている富裕層の旅行ブームに応える当サービスから、富裕層の旅行スタイルの需要や動向をふまえ、今後のインバウンド富裕層地方誘客に向けたカギを見ていきましょう。


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ラグジュアリーな旅への需要拡大「Airbnb Luxe」

ラグジュアリーな旅への需要拡大「Airbnb Luxe」
▲[ラグジュアリーな旅への需要拡大「Airbnb Luxe」]:Instagramより 訪日ラボ編集部スクリーンショット

Instagram:Airbnbによる投稿

Airbnb Luxeは、ユニークかつラグジュアリーな宿泊施設に滞在し、専属トリップデザイナーによるオーダーメイドの体験サービスの利用ができるのが特徴です。受賞歴のあるフランスの城や歴史を感じるトスカーナのヴィラなど、ユニークな宿泊施設自体が旅の目的地にもなり得ます。

2017年にAirbnbLuxury Retreatsを買収し、ラグジュアリーな旅行に関して培った知識等に基づいて、Airbnb Luxeが誕生しました。

デザインと機能性における300以上の基準を満たし、厳しい審査に合格した2,000件以上の宿泊施設が登録されています。こうした高級な資材の仕様、高級感のある仕上がりへのこだわり、高い機能も備えたデザイン、またシェフ仕様の調理器具や寝室の数に応じたバスルーム設備など、さまざまな独自の基準が盛り込まれています。

Airbnb Luxeは、ゲストによるラグジュアリーな宿泊施設体験への需要拡大に応えたサービスです。Airbnbに登録される施設のうち、2018年の1泊あたり1,000ドル(約10.6万円)以上の物件への予約は前年比60%以上増となりました。

世界中で富裕層の旅行ブームが起きており、Airbnbが提供するラグジュアリーな旅への関心もかなり高まっていると考えられます。富裕層の旅行市場は2,000億ドル(約21.2兆円)以上の規模と言われており、今後も成長が見込まれると予測されています。

専属トリップデザイナーによるオーダーメイドの旅

専属トリップデザイナーによるオーダーメイドの旅
▲[専属トリップデザイナーによるオーダーメイドの旅]:Instagramより 訪日ラボ編集部スクリーンショット

Instagram:Airbnbによる投稿

Airbnb Luxeの登録施設は、所在地や周辺環境、付随サービスといった、宿泊施設の物理的・固定的な条件だけでなく体験サービスのクオリティも合わせて評価されています。

例えばトスカーナのお城では中世のFarm to Table体験、ニュージーランドのテ・カフでは最先端ながらエコフレンドリーなデザインが楽しめます。こうした地域にはシェフや運転手・バトラーサービスまで受けられるリゾートも揃っているのが特徴です。

富裕層の満足度を向上するAirbnb Luxeならではの取り組みとして、代表的なものが専属トリップデザイナーによる24時間365日の対応です。高度な専門トレーニングを受けたトリップデザイナーは、旅行者のニーズに応えるオーダーメイドの滞在を実現します。

例えばベビーシッターからプライベートシェフ、オーダーメイドの体験やアクティビティ、訪問マッサージやセラピストの手配といった、幅広いニーズに応えており、これが富裕層にとって大きな魅力となっています。

Airbnb Plusのさらに上位のサービスとして

2018年2月に立ち上げられたAirbnb Plusでは、登録物件の1軒ずつにクオリティチェックが行われました。同サービスには、清潔さ・快適さ・デザインに対する独自基準をクリアしたものが掲載されています。

Airbnb Plusは世界13都市における展開からスタートしましたが、現在は300を超える地域で利用ができるようになっています。予約可能な宿泊先数は前年比800%以上増加しました。Airbnb Plusのさらに上位ランクとして位置付けられるAirbnb Luxeは、Airbnb Plusが同サービスの潜在顧客のニーズを掘り起こしたように、富裕層の旅行市場をさらに活発化させることが期待できます。

「コンシェルジュ事業」で富裕層を地域に誘客

依然としてインバウンドの「富裕層向けのおもてなし」が不足している日本においても、インバウンドの富裕層を地方へ誘客し、満足度向上から収益拡大を目指す事業が発足しました。

経済産業省関東経済産業局によるホテルコンシェルジュによる地域の魅力発見・発信事業」では、2019年2月19日にコンシェルジュと地域のキーパーソンによる特別座談会が行われました。

コンシェルジュ事業では、観光業による活性化を目指す地域と、訪日外国人観光客をおもてなしするコンシェルジュが連携します。これにより、インバウンドの地域誘客促進を目指します。

コンシェルジュを含めた専門家が地域を視察し、インバウンド誘客に必要な点を見つけ出し、地域にアドバイスをします。この事業では例えば、ホテルでゲストに直接アクティビティを提案し、同時に口コミも含む情報拡散も視野に入れたPRツールを活用するなど、さまざまな観点からインバウンド対策に取り組むのが特徴です。

今後の日本のインバウンド市場では、単なるラグジュアリーさを訴求するだけではなく、ユニークな体験や観光コンテンツも盛り込んだオーダーメイドの日本体験の訴求が重要になってくると考えらえます。こうした視点からの取り組みが、インバウンド市場での富裕層の需要喚起や実際の消費につながっていきます。

まとめ:富裕層が求めるユニークなオーダーメイドの滞在提供を

Airbnb Luxeは現在のところ、日本での展開にはいたっていません。すでにロンドンやロサンゼルスなどの都市で展開されており、今年はさらにミラノやパリをはじめ12都市が追加される予定です。

Airbnb Luxeのサービス開始により、世界における富裕層の旅行市場はさらに活性化していくと考えられます。こうした旅行客の取り込みは、日本のインバウンド市場にも欠かせません。今後は、インバウンド富裕層に対するおもてなしの強化にスピード感をもって対応していく必要があるでしょう。

コンシェルジュ事業をはじめ、地域ならではのユニークな体験ができる個々のニーズに応えるオーダーメイドの日本体験の整備により、富裕層地方誘客促進やリピーター獲得が期待されます。


<参照>

・Airbnb Newsroom:Airbnb Luxe登場。ラグジュアリーな旅を一新。

・トラベルボイス:富裕層旅行者を地域に呼び込む経済産業省 関東経済産業局「コンシェルジュ事業」、その取組みと地域が目指す未来を聞いてきたー後編ー

【6/11開催】欧米豪インバウンドに刺さる!“地域にどっぷり浸かる”ローカルイマーシブ観光とは?


本ウェビナーでは、株式会社movと株式会社大阪メトロ アドエラの共催により、欧米豪向けインバウンドをターゲットとした「ローカルイマーシブ “地域にどっぷり浸かる没入体験”の提供」をテーマに最新情報をお届けします。

2025年大阪・関西万博の開催を契機に、欧米豪を中心とした訪日外国人観光客が関西を中心に日本全国に訪れる機会が急増しています。

一方で、地域の受け入れ側には「英語対応が難しい」「どう関わればいいかわからない」「コンテンツや訴求方法がわからない」「対応できる人材がいない」といった課題も多く、せっかく外国人観光客が訪れても、地元に経済的な波及効果が十分届いていないのが現状です。

本セミナーでは、大阪メトロ アドエラが展開する欧米豪向けインバウンド事業「Osaka JOINER」をもとに“まち全体でインバウンド受け入れるスキーム”を通じた、インバウンドに関わる人と経済のパイを増やすための可能性を紹介します。

観光施策、まちづくりに携わる方にとって、明日から活かせるヒントが満載です。

<本セミナーのポイント>

  • 欧米豪インバウンドに刺さる「ローカルイマーシブ観光」の実践例がわかる!
  • 多様な人材や事業者を巻き込む”まち全体”に経済効果を波及させる仕組みがわかる!
  • 旅行者目線を徹底し、英語対応が難しくても、無理なくインバウンドを受け入れる方法が学べる!
  • 旅行者満足度を獲得することで、マーケティング・プロモーションなど、広がる可能性がわかる!

詳しくはこちらをご覧ください。

欧米豪インバウンドに刺さる!“地域にどっぷり浸かる”ローカルイマーシブ観光とは?【6/11開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に5月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? / 2025年訪米旅行者支出「125億ドルの損失」予想 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年5月後編】

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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