韓国政府は8月22日、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を更新しないことを発表しました。協定更新の期限は8月24日で、日本と韓国どちらかの破棄通告がなければ、1年間自動延長されることになっていましたが、この協定破棄により日韓関係の悪化に拍車をかけています。
本日8月28日には、ホワイト国から韓国を除外する輸出管理措置が実施されます。また、その翌日29日は日韓併合の「国恥日」とされる日です。反日感情の熱はますますヒートアップし、韓国全土でより一層高まっていくことでしょう。実際にはこの日を待たずして、日本製品の不買などを訴えるボイコット・ジャパンは更に激化しています。
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「NO NO JAPAN」とは?不買のためのスマホアプリも
韓国国内では「ボイコット・ジャパン、行きません、買いません」を合言葉に、日本製品不買運動「ボイコットジャパン」が一層の盛り上がりを見せています。日本企業・日本製品を網羅し、商品ごとに代替えになる韓国商品を紹介しているボイコット専用サイトが誕生しました。
更に「NO NO JAPAN」は商品のQRコードをスキャンして読み取れば、日本製品かどうかを一瞬で判別できるスマホマプリもリリースしており、これらは日本を完全排除するためのツールとして駆使され、韓国で旋風を巻き起こしています。実際に専用サイトへのアクセスは、多い時には1日148万件にものぼり、利用者にも好評のようすです。
これまでにも日本製品不買運動はありましたが、今回の不買運動は、短期間にここまでの規模で国民運動にまで発展しており、かなり激しい部類に入ります。
市内路線バスや庁舎などにもキャンペーンステッカーが貼られるなどの事態にまで発展し、公共機関や自治体までも巻き込んで拡大しているという点も、これまでとは異なる特徴でしょう。
ボイコットジャパンとは?インバウンドや日本企業への影響は?
日本政府の輸出管理強化を受け、これに反発する動きとして韓国国内で日本製品ボイコットや日本旅行キャンセルなどが相次ぐ「ボイコットジャパン」の反日キャンペーン運動が広まっていきました。
ボイコットジャパン の拡散により、韓国に進出している日本企業の多くに影響を与えています。日本ブランド「ユニクロ」は、ソウルのユニクロ鍾路3街店を閉店することを発表し、韓国内の主要店舗の閉鎖や営業中止を決定しています。予想以上に売上への影響が出ており、韓国ユニクロの7月売上は70%減という結果でした。
また、JTたばこの輸入量も韓国は4番目の消費量を占めていますが、減少傾向です。過去2年間2.5倍で急成長していた消費量にもブレーキがかかります。
さらに、大韓航空によれば、日本との路線見直しで釜山-関西、済州-関西などの運休が決まりました。関西では、韓国からの日本旅行予約の半分がキャンセルされ、訪日韓国人数は顕著に減少しているようです。
このように日本企業の売上や訪日韓国人数は減少しており、ボイコットジャパンの影響が広がってきていますが、これらは同時に韓国経済への打撃となっています。
韓国航空会社においては、上記のように日本と韓国を結ぶ航空便の運休が決定し、大幅な売上減が予測されています。日本の航空3社は韓国路線への依存度は低いですが、現在6社ある韓国LCCの国際線のうち、およそ4割が日本行き路線です。韓国のメディアによれば、韓国航空8社は今年の4月から6月期決算は全月赤字で、7月以降は相次ぐ運休や撤退等で収支がさらに悪化するだろうとしています。
QRコードのインバウンドにおけるポテンシャル
年々増え続けるインバウンド需要を取り込むため、QRコードやバーコードを使ったインバウンド対策アプリは、様々に展開されています。今回上記でご紹介したニュース内の日本製品かどうかを判別できるスマホマプリ「NO NO JAPAN」は、QRコードがネガティブに活用されている事例でしたが、この技術はポジティブな方向に機能する、マーケティングにも役立つ高いポテンシャルを持っています。特に、誰もが携帯するスマートフォンで利用できるツールは、汎用性も高く、利便性が高いと言えます。訪日外国人の消費活動を訴求する場面において、情報伝達・接客ツールや決済手段として、さらなる普及に期待が高まります。
バーコードで情報訴求、Paykeとは
訪日外国人が買い物をする際、手に取った商品についての使い方や成分、効能、味などの基本情報が分からないという問題があります。日本のほとんどの商品パッケージは、日本語で書かれていますし、中身が見えないものでは外国人が想像するのは非常に難しいでしょう。
この不便を解決するアプリとして注目を集めているのが、「Payke」です。アプリを起動し、スマートフォンで商品バーコードを取り込むだけで、ユーザーの言語で情報を提供してくれます。
言語は、英語・繁体字・簡体字・韓国語・日本語・タイ語・ベトナム語の7カ国語に対応しており、2015年の開始から現在142ヵ国、約360万ユーザー(2018年12月時点)が利用しています。
ユーザーに表示できる情報には、文章だけでなく、画像や動画を用いることも可能で、商品を登録したい企業や開発者は、成分や用法、使い方、セールスポイントや開発秘話などをインバウンド消費者に届けられます。
中国版Paykeも提供開始
今年の1月には、「配刻(中国読み:ペイク)」という中国版Paykeもローンチしており、中国国内の大手アプリストアに提供開始しています。
これまでは特に、訪日数が多い国の台湾・香港・ASEAN圏のユーザーの多くに利用されてきましたが、訪日外国人全体の約4分の1を占める中国人向けの対応に、利用企業からのリクエストが多かったため、中国向けにサービスを開始したいきさつがあります。
中国QRコード決済は続々と日本展開
QRコードのインバウンド対策といえば、各国で普及しているモバイル決済の導入があります。スマートフォンのアプリで、スマートフォン画面や印刷された店頭のQRコードをスキャンし、代金を支払います。
特にインバウンド市場でも存在感のある中国で普及するAlipayやWeChatPayは続々と導入されていますが、まだまだ普及の余地はあると言えるでしょう。
これまでにも「PayPay」と「Alipay」でのQRコードの連携が行われてきました。8月9日に「LINE Pay」は、中国テンセントのモバイル決済サービス「WeChat Pay」との加盟店における連携をスタートしたことを発表しています。
これによりWeChat Pay利用者は、訪日中、日本国内のLINE Pay加盟店で表示されたQRコードからWeChatPayでの決済が利用可能となりました。ただし、この連携は相互連携ではないため、LINE Pay利用者はWeChat Payの加盟店では決済できません。
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