来月20日から日本各地で開催されるラグビーワールドカップの試合会場の1つ、豊田スタジアムがある愛知県豊田市は、JTB三河支店と連携し、2018年は旅マエ、2019年は旅ナカのインバウンド向け観光コンテンツの充実化に向けた取り組みを実施しています。
今回は、ラグビーワールドカップをきっかけに豊田市を訪れる訪日外国人観光客に豊田市の魅力を発信し、リピーター獲得を目指す取り組みについて見ていきましょう。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
観光コンテンツ磨き上げ+周辺観光促進のツアー造成
ラグビーワールドカップの観戦目的で豊田市を訪れるインバウンド客に対し、滞在時間を延長することで周辺観光の促進を狙った、試合日や試合前後の日程限定の着地型ツアーを造成しました。名古屋市に宿泊する観戦客も見込み、名古屋駅または新豊田駅発のツアーを用意しています。
造成にあたっては、昨年度に招聘したメディアやオフィシャルトラベルエージェントが回答したアンケート結果から、評価の高い施設を選定しツアー造成に活用しました。
観戦日に豊田市の足助エリアの観光に、トヨタ会館を組み合わせた半日ツアーと、観戦前後の日程で足助エリアと名古屋市内の観光ができる1日ツアーで、訪日外国人観光客の周遊観光促進を目指します。
「それ自体がお土産になる」メディアを準備
参加者の募集や申し込み受付等は、遊びや体験の予約サイト「asoview!」に掲載したほか、訪日観戦客向けのサイト「Captain's Run Japan」にツアーを掲載し、豊田市の観光情報発信の一環としています。豊田市の魅力を発信する、観光情報誌「るるぶ」も配布予定です。
豊田市の観光施設や飲食店、駅周辺でお酒が飲める場所、両替所、観戦前後にオススメの1day tripなどを掲載した「るるぶ特別編集版」を、日本語と英語で作成しています。
東京や名古屋のホテルや空港などに設置するほか、以前招聘したオフィシャルトラベルエージェントを通じツアーを購入した方への配布を予定しており、るるぶ自体がインバウンド客のお土産になることを目指しているとのことです。
対戦国&ラグビー大国との連携、イベント開催&プロモーション強化
豊田市は、イタリア・ニュージーランド・オーストラリアといった対戦国に向けたプロモーションや、各国と連携したイベントを実施する予定です。他地域でラグビーワールドカップを観戦予定の訪日外国人観光客も豊田市に誘致することを目指し、松坂屋豊田店の催事場でイベントを開催します。
イタリアとニュージーランドのラグビー博物館の特別展示会を、豊田市での試合期間中に実施予定です。豊田市の太田市長がイタリアでプロモーションを行った際に、イタリアのラグビー博物館でのパーティーに参加したことがきっかけで実現しました。
さらに、10月12日の豊田スタジアムにおけるニュージーランド対イタリア戦に合わせて、イタリアの代表選手とのファンミーティングを在日イタリア商工会議所と連携して実施します。
豊田市で行われる試合の対戦国であるウェールズ・ジョージア・南アフリカ・ナミビア・サモア・ニュージーランド・イタリアと、ラグビー大国のオーストラリアに対して、豊田市のPRを実施しています。観戦チケットもまだわずかに残っているため、海外での観戦チケット購入の意欲増進や、すでにチケットを持っている観戦客に豊田市について知ってもらうことが狙いです。
動画コンテンツとビジターガイド
昨年度に作成したプロモーション動画などを活用し、豊田市の観光情報や魅力を、「Captain's Run Japan」で発信します。さらにラグビーのファンサイトを運営している「Rugby pass」を活用し、豊田市のビジターガイドを発信予定とのことです。
インバウンド観戦客の受け入れ態勢整備
ラグビーワールドカップの開催に合わせて多くのインバウンド観戦客が訪れることが予想される豊田市では、各事業者が一律におもてなしができるようになることを目指し、地元の商工会議所と連携し受け入れ準備に関するセミナーを開催しました。
大会時の販売ルールや訪日観戦客の特徴を把握することで、適正な営業や販売を実現し機会損失を避けることが目的です。
具体的には、インバウンドのラグビーファンのビールの消費量が非常に多いことが挙げられます。
過去の大会でも、開催都市でビールがなくなった例もあるとのことで、ワールドカップ開催中はビールを切らさないよう十分な準備を事前にしておくことが必要でしょう。大会ではハイネケンがスポンサーのため、その他のビールメーカーは販売できるエリアが決まっているといった販売ルールの説明が、セミナーでは行われました。
参加した92名の事業者に広く情報共有することができ、インバウンド観戦客の受け入れ態勢整備の促進が期待されます。
まとめ:ラグビーワールドカップを契機にインバウンドのリピーター獲得へ
豊田市とJTB三河支店は、ラグビーワールドカップの観戦目的で訪れるインバウンド客に豊田市の魅力を発信することで、豊田市のファンを増やしリピーターの獲得を狙います。地域の観光コンテンツを磨き上げ効果的にPRすることはもちろん、各事業者とともに受け入れ準備を整えていくことで、インバウンドの満足度の高い滞在が実現できるでしょう。
<参照>
・JTB INBOUND SOLUTION:ラグビーワールドカップ2019を契機に愛知県豊田市をPR
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
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詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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