カギは「LCC」人気は沖縄、東南アジア訪日客が中国を超える日【アウンコンサルティング調査結果】

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アジア9拠点でグローバルコンサルティングを展開するアウンコンサルティング株式会社は2019年6月、東南アジアからの訪日外国人観光客の主要観光都市における宿泊数と検索数を分析した訪日トレンド調査の結果を発表しました。

急成長を続けるインバウンド東南アジア市場の最新動向について紹介します。

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急成長、中国に迫るインバウンドの東南アジア市場

近年の東南アジアからのインバウンド客の急増により、2018年の1人あたりの旅行支出は、シンガポールで17.2万円、ベトナムでは18.8万円と、中国の22.4万円に迫る勢いとなっています。

背景としては、ビザの発給要件の緩和やLCCの就航数増加、東南アジアの経済成長による富裕層の訪日旅行の増加等が挙げられます。日本のインバウンド市場において、今後さらなる成長が見込まれる注目の市場と言えるでしょう。

本調査では、2018年の訪日外国人観光客数が30万人以上、または訪日外国人観光客数の伸び率が2017-2018年比で20%以上東南アジアの国、シンガポールタイマレーシアインドネシアベトナムフィリピンの6か国に着目しています。

上記の6カ国について、観光主要都市である北海道東京都京都府大阪府沖縄県における宿泊者数と、都道府県名のGoogle検索数の因果関係を分析しました。

沖縄ーシンガポールのLCC就航の影響力

▲[宿泊者数とGoogle検索数]:プレスリリースより

宿泊者数と検索数の伸び率を2017年・2018年の数値で比較すると、沖縄におけるシンガポール人の宿泊数は+86.8%で56,350検索数も+42.7%で150,400と増加が著しく、シンガポール人の沖縄への関心の高まりがうかがええる結果となりました。検索数の伸び率が40%を超えていることから、今後もシンガポールからの訪日外国人観光客が増加する可能性は十分期待できるでしょう。

背景の1つとしては、2017年11月より沖縄の那覇空港とシンガポールのチャンギ空港を結ぶLCC「ジェットスター・アジア航空」の直行便が就航したことが考えられます。

沖縄県は2014年のチャンギ空港グループとの相互協力連携協定の締結や、2015年のシンガポールにおける県事務所開設などに取り組み、直行便の就航を実現しました。

一般財団法人沖縄観光コンベンションビューローによる、シンガポールをはじめ東南アジアFIT旅行者に対するプロモーションの強化も功を奏し、より気軽に行ける人気の訪日旅行先として沖縄が選ばれるようになったと考えられるでしょう。

『大阪府』『京都府』『沖縄県』への関心が高いフィリピン・インドネシア

 ▲[フィリピンでの「大阪」検索数の推移/2017年1月~2019年5月]:プレスリリースより
▲[フィリピンでの「大阪」検索数の推移/2017年1月~2019年5月]:プレスリリースより

シンガポールと同様に、フィリピンインドネシアについて調査したところ、『大阪府』『京都府』『沖縄県』について、宿泊者数の伸び率は減少している一方で、検索数は増加傾向にあることが明らかになりました。

フィリピン人やインドネシア人の3府県に対する関心の高まりは見受けられますが、実際の訪問数を増加させることが今後の課題と言えるでしょう。特に、フィリピン人の3府県における検索数は、いずれも30%以上の伸びを記録していることから、宿泊者数増加に向けたさらなるプロモーションが重要になります。

フィリピンにおける『大阪府』の検索数が3月から上昇し高数値を保っている背景については、2018年3月にジェットスター・アジア航空が大阪-クラーク線の直行便を就航したことが挙げられるでしょう。

インドネシアでは、2018年3月と10月に、首都ジャカルタで『Japan Travel Fair 2018』が開催され、3月開催時は3日間で計4.9万人が来場、約5,500人が日本行きの航空券を購入しています。

大阪府』『沖縄県』の検索数が2018年3月から上昇し、高数値で安定していることから、現地の旅行博でのプロモーションの高い効果が伺えるでしょう。

東南アジアからの訪日客のリピーター獲得が次なる課題

LCC直行便就航現地の旅行博におけるプロモーションの効果から、東南アジア地域からの宿泊数と検索数の伸びが見受けられる結果となりました。

東南アジア市場は、経済発展が著しく消費行動の活発化が見込まれ、地理的にもアクセスしやすいことから、リピーターの獲得にも期待が高まります。主要観光都市を訪れた東南アジアからの訪日外国人観光客リピーター化することで、さらなる地方誘客促進につなげることも期待されます。

外国人採用・派遣(東南アジア人) employment-southeastasia

<参照>

・アウンコンサルティング株式会社:プレスリリース(2019年6月25日)

・HUFFPOST:経済的自立を加速させる沖縄、シンガポール直行便の就航でアジアとの蜜月をますます深める

・JTB INBOUND SOLUTION:沖縄県でのインバウンド誘致に向けた取組み

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

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詳しくはこちらをご覧ください。

宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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