東京オリンピック2020の渋滞予想|組織委員会の交通対策・混みやすい場所や時間予想・移動時の対策方法・鉄道の状況も予測

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東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では世界各国から大会関係者、観客あわせて1,000万人を超える来訪者が見込まれます。

そのため大会会場周辺の交通機関への影響が懸念されており、渋滞の緩和対策は大会の円滑運営に欠かせない施策となっています。

本記事では大会組織委員会が行う交通対策や2020TDM推進プロジェクト、東京都が推進しているスムーズビズなどについて紹介していきます。

※新型コロナウイルスのパンデミックを受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは1年程度の延期が決定しました。詳細な日程、選考基準などは、公式情報が発表され次第、順次更新します。

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東京オリンピック2020中の渋滞予測と大会組織委員会の交通対策

東京2020組織委員会では、2019年7月と8月に東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を想定した大規模な交通規制を実施し、大会期間中の混雑緩和に向けた取り組みを総合的にテストすると発表しました。

テストを通じて、目標である一般道は大会前の交通量の一律10%減(重点取組地区は30%)、首都高速道路は交通量の最大30%減の効果を検証します。

交通規制テスト

大会期間中の道路交通及び公共交通において何も対策を行わなかった場合には、高速道路の渋滞が現況の約2倍悪化し大会の円滑運営に支障が出ると予想されています。

そのため7月24日・26日に2020年東京五輪・パラリンピックを想定した都心の道路混雑緩和を検証する交通規制のテストが実施されました。

テストは、終日実施された11か所の本線料金所流入調整と4か所の入口閉鎖が交通状況に応じて実施されました。

中でも選手村付近の晴海、新国立競技場周辺の外苑、高速道への流入量が多く、渋滞発生に影響を与えやすい三軒茶屋などは規制が強められました。

テストの結果は?好調な一方しわ寄せも 

今回のテストで首都高各線では一定程度混雑が緩和されました。

警視庁によると昨年同時期比では、競技会場などが集中する臨海部を貫く湾岸線は、午前8時から午後3時までで東行きの混雑度合いが94%、西行きで84%に減少しました。

新国立競技場付近を通る新宿線では上りで78%、下りで89%まで減少が報告されています。

その一方で別の箇所で渋滞が発生してしまう現象もおきています。

都心に向かう11か所の料金所手前のほか、朝の通勤時間帯を中心に東名高速で一時15キロ、東北自動車道で6キロの渋滞がみられました。

このほか首都高に入れなかった車両が一般道に流れたことにより、首都高各線と並行する幹線道路でも交通量が増えて渋滞が発生しています。

今回のテストにより目標達成に向けて更なる交通量減少の対策が必要という結果になりました。 

8月25日にも開会式に向けた交通対策テストを実施

東京2020組織委員会は8月25日に選手村と新国立競技場との間で、開会式の選手輸送を想定した交通対策テストを実施しました。

テスト内容は25台のバスによる隊列を組んだ走行を3回行い、会場周辺でのバスの輸送方法を確認しました。

結果としては、実施時間が日曜の夜であったことと以下の規制から、40分と予想された区間を30分での走行が可能で、比較的スムーズな運航が実現されました。

しかし、車いすラグビーの福井正浩氏とセーリングの須藤正和氏への取材によると、パラリンピアンに向けた車いすの降車テストなど「バスの乗り込みに関してはまだまだ改善の余地がある」としています。

  • 選手村付近の交通規制:18:00頃~19:30頃
  • 新国立競技場付近の交通規制:18:30頃~22:30頃
  • 2020TDM推進プロジェクトに参加しよう 

    2020TDM推進プロジェクトは、2018年8月に東京都・国・東京2020組織委員会が事務局となり発足しました。

    東京2020大会成功に向け、円滑な大会輸送と経済活動維持の両立を図ることを目的としています。

    企業単位、団体単位だけでなく、会社の部署や支店単位での登録も可能となっており、参加しやすい設定になっています。

    そもそもTDMとは?

    TDMとは交通需要マネジメントの略です。

    自動車の効率的な利用や公共交通機関への利用転換など、交通行動の変更を促すことによって交通量の抑制や集中の平準化などの交通需要の調整を行い、道路交通の混雑を緩和していく取り組みです。(東京2020大会においては、道路交通だけでなく鉄道などの公共交通機関も含めた取り組みを指しています。)

    たとえば、公共交通機関を利用するといった手段の変更、時差出勤(オフピーク通勤)やフレックスタイムの導入といった時間帯の変更、混雑する道路の交通を分散させるといった経路の変更、カーシェアリングや共同運送といった自動車の効率的利用、在宅勤務、ロードプライシングといった発生源の調整が挙げられます。

    現在参加企業は約2,400社!参加で情報収集や無料コンサルティングも

    2020TDM推進プロジェクトに参加すると様々な支援を受けることができます。

    たとえば大会時の混雑予想など大会情報の早期提供、セミナー・相談官の案内、公式サイトでの協力者や企業名の公表(リンク)が挙げられます。

    他にも「2020アクションプラン」策定のための個別コンサルティングが無料で利用できます。(2020アクションプランとは大会時に想定される交通混雑を回避し、企業活動を維持するための方策をまとめるもの)

    参加にあたっては金銭等は発生せず、フォームに名称・所在地・最寄り駅・担当者などを入力することで応募完了となります。

    2019年9月2日現在、2,400社を超える企業と121の団体が参加を表明しています。

    スムーズビズ推進で混雑緩和

    東京都は東京2020大会期間中の交通混雑緩和を見据え、交通需要マネジメント(TDM)やテレワーク、時差Bizなどの取組を「スムーズビズ」と名づけ一体的に推進しています。

    大会の1年にあたる7月22日~9月6日をスムーズビズ推進期間とし、東京2020大会の本番に向けて混雑緩和の準備を進めています。

    スムーズビズの取り組みには時差出勤・フレックスタイム・テレワークの導入、打ち合わせのメール・電話での代替といった、人に関する取り組みと納期時期の変更、混雑時間・地域の回避・迂回といった物に関する取り組みがあり、これらを企業単位で洗い出しから実施までできることを対策し、大会中に起こり得るリスクの軽減を目指します。

    実際に渋滞が予想される地域は?

    競技会場が集まっているベイゾーン周辺は大会期間中は常に渋滞が予想されています。

    このほか新宿区、渋谷区周辺や迂回エリアでも競技日程にあわせて渋滞が予想されています。

    大会輸送影響度マップを公開

    東京2020大会組織委員会では大会輸送影響度マップを公開しています。

    道路(高速道路・一般道路・臨海部)・鉄道・競技会場周辺・他県競技会場周辺(一般道路)の4つに分けて公開されており、シュミレーション形式で、時間や場所の指定によってその場所がどのくらい混雑するかを確認することができます

    これらを活用すれば大会中のプラン設計やスケジュール調整がたてやすくなります。

    一般道・高速道の混雑は?ベイゾーンはかなり混雑

    大会期間中を通してベイゾーンは常に混雑が予想されています。

    他の地域ではたとえば、7月25日16:00-17:00 中野長者橋付近・6号向島線上り箱崎付近、8月1日10:00-11:00 6号向島線上り箱崎付近・芝公園付近・池尻付近、8月5日8:00-9:00 6号向島線上り箱崎付近・芝公園付近・池尻付近などは通常の3倍以上の混雑が予想されています。(大会輸送影響度マップを基に執筆)

    鉄道の混雑は?

    大会期間中のベイゾーンは朝のラッシュ時間以外でも常に混雑が予想されています。

    他では7月25日17:00-18:00 天王洲アイル駅から大井町駅までのりんかい線や有楽町駅から豊洲駅までの有楽町線、 8月2日17:00-18:00 有楽町駅から豊洲駅までの有楽町線や浜松町駅から千駄ヶ谷駅駅までの都営大江戸線線、8月7日18:00-19:00 浜松町駅から千駄ヶ谷駅駅までの都営大江戸線などでかなりの混雑が予想されています。

    事前から対策して五輪の混雑に備えよう

    東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで1年をきり、渋滞緩和対策のテストが実施されましたが目標値には及ばず、まだまだ課題が残る結果となりました。

    2020TDM推進プロジェクトやスムーズビズの取り組みの拡大をはじめとした、大会時の交通混雑をリスクと捉えた回避行動の準備を押し進めることが東京2020大会の成功、ひいてはインバウンド市場の高まりにつながるといえるでしょう。

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    この記事の筆者

    訪日ラボ編集部

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