インバウンドの旅館需要が拡大しているって本当?既存の枠にとらわれないから拓けた新市場

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

日本の伝統的なライフスタイルや文化に根ざした存在として、単なる睡眠のための施設にとどまらない旅館に対するインバウンドからの注目が高まっています。

2018年の訪日外国人の消費動向に関する年次報告書では、訪日外国人観光客が「訪日前に期待していたこと」において、旅館に宿泊」がトップ10に入っているほか、「日本食を食べること」「温泉入浴」も上位にランクインしています。改めて需要の高さがうかがえる結果となりました。

一方で、2018年に旅館業法が改正されたことなどを受け、既存の枠にとらわれない旅館のあり方に注目が集まっています。

今回は、新しい形の旅館が注目されるようになった背景をふまえ、今後求められるであろう旅館のあり方について見ていきましょう。



【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】

会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

ライフスタイルの変化がもたらした、旅館のあり方の変化

日本の旅館は、ダイニングルームやベッドルームといった用途ごとに部屋を分けるホテルとは異なり、畳の客室を食事処や寝室など、時間帯に応じて異なる空間に変化させ、あらゆる用途に用いる点が特徴です。

伝統的な日本の住環境を再現しているのが、旅館の魅力の1つと言えるでしょう。しかし近年では、従来の旅館の定義を超えた、新しい形の旅館が見受けられるようになってきました。

背景には、日本人のライフスタイルそのものの変化があります。

都市部を中心に、ダイニングルームで椅子とテーブルで食事をし、ベッドで眠るライフスタイルが浸透したことなどを受け、旅館でも畳の部屋にベッドを置き、部屋食ではなく食事処でサービスをする旅館が増えています。

従来はホテル旅館は法律的にも区別されていましたが、2018年に旅館業法が改正されたことから、旅館の定義は多様化しています。

ホテル旅館を区別するものの1つに、プライバシーに関する考え方が挙げられるでしょう。

ホテルではゲストのリクエストに対し、実現に向けて最大限サービスをするのに対し、旅館ゲストの要望がなくとも、最適と思われるおもてなしを自ら考え提供します。現在のホテル旅館の違いについては、ハード面ではなくサービスのあり方が影響していると言えます。

現代のニーズに応える、旅館ならではの新たな「非日常体験」

日本全国で旅館の数は減り続けていると言われますが、一方で現代のニーズに応えるような革新的な非日常体験を提供する旅館は、日本人だけでなくインバウンドからも高い評価を受けています。

旅館の再生などで急成長した星野リゾートでは、温泉旅館のブランド「界」と和のリゾート「星のや」を展開し、ラグジュアリーさを併せ持つ非日常体験が魅力です。代表の星野佳路氏は、旅館日本文化テーマパークと位置付け、ライフスタイルの変化に合わせて旅館を進化・再生させたいとしています。

旅館ならではの落ち着いた空間や地域ならではの食の提供などにこだわる一方で、原則部屋食は提供しないほか、星のやでは泊食分離を実現しました。星野リゾート青森屋では夕食にバイキングを提供しており、さまざまな世代やニーズに応えていることから、ゲストの満足度も高くなっているようです。

あらゆるニーズを察知し従来の形から脱却、ニーズに応えようとする姿勢は、星野リゾートの得意分野と言えるでしょう。

"リョカン"スタイルを取り入れた米国超高級ホテル

日本文化テーマパーク」である旅館への関心は、インバウンドの間でもますます高まっています。実際に海外で「リョカン」スタイルを取り入れたホテルが話題になっています。

アメリカ・ロサンゼルス郊外の「ノブ・リョカン・マリブ」は、俳優のロバート・デニーロと和食レストラン「ノブ」を展開し成功した松久信幸氏による、リョカンと銘打つ新たな超高級ホテルです。

カリフォルニアと日本のテイストを融合させたスタイリッシュなホテルとして、客室にはキングサイズのベッドが置かれ、食事は隣接のノブレストランもしくは部屋で食べるかを選択できます。食事はもちろん和食ですが、従来の旅館のような一泊二食付きは採用していないのが特徴です。

1泊2,000ドル以上と超高級ホテルにも関わらず、ハリウッドセレブをはじめ、カリフォルニアの富裕層に人気となっています。日本で展開されている新しい旅館のコンセプトが海外の富裕層のニーズに応えることに成功した例と言えるでしょう。旅館が、今後ますますインバウンドを惹きつける可能性も見えてくるようです。

まとめ:既存の枠にとらわれない新しい「旅館」でインバウンドを魅了

旅館業法の改正により旅館のあり方が多様化しています。今後はライフスタイルの変化や現代のニーズを素早くキャッチし取り入れる旅館こそが、インバウンドを含めあらゆる層を惹きつける時代になったと言えるでしょう。

「ノブ・リョカン・マリブ」が海外の富裕層の間で人気となるなど、既存の枠にとらわれない新しい形の「旅館は、海外でも注目され始めています。インバウンド地方誘客のきっかけとなるのではという期待が高まります。


<参照>

・観光庁:訪日外国人消費動向調査 2018年 年次報告書

・観光庁:日本旅館の生産性向上・インバウンド対応の強化等を加速するための新たなビジネスモデルのあり方等に関する検討会

・nippon.com:日本旅館の新潮流:衰退の中で見えてきた可能性

【7/16開催】【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※


外食店舗、支援サービス、業界のトップ企業が集結!

さらに、有名飲食店や外食産業を牽引する企業による特別基調講演も開催。

成功企業のリアルな戦略や、これからの外食業界を生き抜くヒントがここに詰まっています!

最新のトレンドを知り、トップ企業の成功ノウハウを学びたい方

業界の最前線で活躍する企業とつながり、新たなビジネスチャンスを掴みたい方にぴったりのイベントです。

今こそ、業界の未来を共に創る一歩を踏み出しませんか?

皆さまのご参加をお待ちしております!

<応募者特典>

  • イベント登壇企業の各種お役立ち資料
    ※口コミアカデミー内でのアーカイブ配信は予定しておりません
  • 本イベントのアーカイブ動画(1週間)

<本セミナーのポイント>

  • 有名飲食店&業界をけん引する企業の基調講演
  • - 成功企業の戦略や実例を直接学べる貴重な機会!
    - トップ経営者や専門家が語る「成長の秘訣」と「業界の未来」
  • 外食業界の最新トレンド&成功ノウハウが手に入る
  • - 変化の激しい市場で勝ち残るための最前線情報をキャッチ!
    - 業界をリードする企業が実践するプロモーション戦略やDX事例を公開!
  • 外食業界を支える最新サービス&ソリューションの紹介
  • - 飲食業界の課題解決につながるアイデアが満載!
    - 効率化や売上向上につながる最新ツール・サービスを知るチャンス

詳しくはこちらをご覧ください。

【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※【7/16開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに