国内最大級の外国人向け情報サイト「ガイジンポット(Gaijin Pot)」を運営するジープラスメディアが実施した「2019年に外国人が訪れるべき日本の観光地ランキング」において、鳥取県が第1位となりました。
日本国内では不人気な旅行先である一方で、外国人を対象としたランキングでは、第2位の福岡市と第3位の東京・代官山を抑えてトップにランクインしています。
今回は鳥取県の訪日外国人観光客に人気の秘密について考え、今後のインバウンド誘客の展望を紹介します。
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日本人から不人気の鳥取県、理由はアクセス
鳥取砂丘のイメージが強い鳥取県ですが、ブランド総合研究所が毎年実施する「魅力度47都道府県ランキング」において、昨年は41位となりました。順位の低迷は数年間続いていることから、日本人の間では不人気の国内旅行先として定着してしまっていることがうかがえます。
県が国内向けにプロモーションは実施している一方で、誘客に苦戦している原因の1つとしては、アクセスの不便さが挙げられるでしょう。関東からは飛行機でのアクセスが一番早いですが、便数が少ないため利便性の低さが懸念されます。
鳥取県を訪れる人の割合も、鳥取県内・近畿・中国地方からの人が87.3%を占めており、周辺地域外からの来訪はまだまだ少ないことは明らかです。
しかし「アクセスの良さ」で集客に成功?!
日本人の間で不人気が続く鳥取県ですが、2017年における外国人の延べ宿泊者数は14万人と、前年の10万人から40%も増加しており、訪日外国人観光客の需要の高まりが顕著です。
鳥取を訪れるインバウンド客の内訳としては、地理的にアクセスが良い韓国が39.6%、22.0%が香港、12.9%が台湾と、近隣の東アジアからのインバウンド客の増加が見受けられます。
鳥取県には『鳥取砂丘コナン空港』『米子鬼太郎空港』の2つの空港があり、2015年には米子〜ソウル便の就航を活用し、積極的にプロモーションを実施しました。
近年では、境港に寄港するクルーズ船の規模も拡大し、一度に4,000〜5,000人が乗船し鳥取を訪れることが可能です。このような交通網の充実により、東アジアのインバウンド客にとっては、気軽に足を運べる訪日旅行先と言えるでしょう。
アニメの聖地『名探偵コナン』『ゲゲゲの鬼太郎』
地理的な利便性だけでなく、鳥取県はアニメの聖地でもあることが、訪日アジア人観光客の注目を集めている理由の1つです。
『名探偵コナン』や『ゲゲゲの鬼太郎』といった有名アニメの聖地として、コナン通りや青山剛昌ふるさと館、水木しげるロード、水木しげる記念館などが、訪日外国人観光客の間でも大人気となっています。
日本各地で話題となっている、インバウンドのアニメツーリズムの成功例として、地方は参考にできるでしょう。
欧米豪の観光客にも魅力訴求:四季を問わない自然アクティビティが充実
現在は地理的な要因やクルーズ船の就航拡大により、韓国・香港・台湾といった東アジアからの訪日外国人観光客が多い傾向にありますが、今後は欧米豪からの訪日外国人観光客のさらなる誘客促進が期待されます。
ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアからのインバウンド客の間では、自然アクティビティが人気の傾向にあります。季節を問わずさまざまなアウトドアアクティビティが楽しめる鳥取県は、観光コンテンツの認知を拡大することで需要の取り込みが見込めるでしょう。
夏は鳥取砂丘でパラグライダーやサイクリングが楽しめるほか、浦富海岸のシーカヤックなど、魅力的な観光コンテンツが特徴です。大山では、夏は登山、冬はスキーが楽しめるといった季節ならではの楽しみ方ができます。
東京を観光するインバウンドを誘客できるポテンシャル
山陰インバウンド機構は、「ゲートウェイ戦略」として、羽田空港と成田空港に焦点を当て、東京から地方へ足を運ぶ欧米豪のインバウンド客の取り込みを狙っています。
山陰インバウンド機構が行ったヒアリングによると、たたら製鉄の歴史文化などへの評価も非常に高い結果となりました。自然アクティビティと合わせて日本文化や歴史が感じられる観光スポットの効果的なプロモーションを図ることで、鳥取県の認知拡大が期待できるでしょう。
まとめ:インバウンドのさらなる誘客で地方活性化を目指す鳥取県
日本人には不人気な一方で、インバウンドの需要拡大が顕著な鳥取県では、東アジアからの訪日外国人観光客にはアクセスの利便性とアニメの聖地巡礼、欧米豪からのインバウンド客には自然アクティビティや歴史文化を感じるスポットが、人気の秘密と言えるでしょう。
今後もインバウンド市場別の旅行の嗜好を分析し、ターゲットごとに効果的なプロモーションを実施することで、さらなるインバウンド誘客の促進が期待されます。
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<参考>
・DIAMOND online:鳥取県が外国人に愛される理由、コナン・鬼太郎に充実の港湾も
・公益社団法人 日本観光振興協会:観光地域づくりの新しい潮流に学ぶ DMOなび
【インバウンド情報まとめ 2024年11月後編】中国、タイの2025年祝日発表 ほか
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