2019年、日本でG20サミットが初開催されました。
今回ご紹介する「G20観光大臣会合」は、8つの関係閣僚会合の中では唯一、ユニークベニュー(北海道倶知安町 ニセコHANAZONOリゾート)を会場とし、2019年10月25日(金)から26日(土)まで開催されました。 ※ユニークベニュー=歴史的建造物、文化施設や公的空間等で、会議・レセプションを開催することで特別感や地域特性を演出できる会場
ユニークベニューを会場にすることは、これまで各国で開催されたG20サミットでも前例がないため、希少価値の高い「日本のビジネスインバウンド」の事例として話題を集めました。「観光」をテーマに取り上げた閣僚会合は、今回が初開催でもあります。
この記事では、計31カ国の参加者(各国代表団と国際機関)に対し、国・地域・地元産業が1つになって取り組まれた「おもてなし」の活動にスポットを当て紹介します。
また日本コンベンションサービス(JCS)では、それぞれの立場からの思いを1本のメイキング映像(約4分)にまとめました。ポテンシャルを秘めた北海道の観光資源を、どのように世界へPRして機運醸成に繋げたか、あわせてぜひご覧ください。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
G20のおもてなしで一役買ったのは、高校生??
G20観光大臣会合で訪日する海外からの参加者に対し、「おもてなし」の取り組みで活躍を見せたのが、倶知安農業高校の学生でした。
会場の空間を華やかに装飾する「ハーバリウム」や、地産食材を活用した「倶農逸品 和のおもてなしカレー」、「The Four Seasons 〜時の味わい〜」をコンセプトにしたスイーツ「じゃがいもモンブラン」等、学生の皆さんの気持ちが詰まった作品が会場に彩りを添えました。

![▲[倶農逸品 和のおもてなしカレー]:日本コンベンションサービス株式会社撮影 ▲[倶農逸品 和のおもてなしカレー]:日本コンベンションサービス株式会社撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5422/main_1c8ff9dfc2a69ed677b3d22b6545478c.jpg?auto=format)
![▲[スイーツ「じゃがいもモンブラン」]:日本コンベンションサービス株式会社撮影 ▲[スイーツ「じゃがいもモンブラン」]:日本コンベンションサービス株式会社撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5423/main_e37a570723c338cac6fa8c7d68bce4e8.jpg?auto=format)
職人技で外国人参加者を魅了!「酒造」と「工房」
本会合のために倶知安町は一丸となって、G20の各国代表団及び国際機関の代表団の皆さまに向けた「記念品」を用意しました。
1つ目は観光スポットとして人気を博している町内の酒造「二世古酒造」の日本酒です。北海道産の米を使い、道産子の手で造られたお酒には、この地ならではの風味や文化を楽しんで欲しい!という蔵元杜氏の思いが込められています。


そして、そのお酒に添えられた器は、今回のG20観光大臣会合のために創作したオリジナルの焼き物です。
「FAF工房」の陶芸家がゼロから創り上げた器を使って「二世古酒造」の日本酒を楽しんでいただく趣向のエクスカーションにも、町のこだわりが見られました。


廃校が決まっていた小学校を「工房」にリノベーションしたアトリエで、今回の焼き物が作陶されました。
倶知安ナイトでアットホームな 居酒屋体験
日本の居酒屋は、訪日客からも人気の高いスポットです。本会合の参加者もG20観光大臣会合が終了した後は、地元の素材を活かしたメニューを揃えた居酒屋や、訪日客が楽しめるよう工夫をこらしている自慢のレストラン等で、日本のナイトタイムを満喫していました。
![▲[地元の素材を活かしたメニューを揃えた居酒屋で、滞在中の夜を楽しむ訪日客]:日本コンベンションサービス株式会社撮影 ▲[地元の素材を活かしたメニューを揃えた居酒屋で、滞在中の夜を楽しむ訪日客]:日本コンベンションサービス株式会社撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5420/main_201912_8.png?auto=format)
店内では、地元の方々との対話・交流も進み、「Welcome to Hokkaido !!」と温かくアットホームな雰囲気の中、会合中には見られない参加者のくつろいだ表情がとても印象的でした。日本をもっと好きになってくれると嬉しいですね。
まだまだ「おもてなし」は多種多彩!これらはほんの一部です
この記事で紹介している取り組みは、G20観光大臣会合における「おもてなし」の一部に過ぎません。
本会合の会場となったニセコHANAZONOリゾートでは、アイヌ料理が堪能できる昼食会場や、日本のテクノロジーで北海道の観光資源を紹介する展示など、いたるところに参加国の代表団に楽しんでいただこうという「こだわりポイント」が見られました。
各社の報道は、議長国として「SDGsに対する観光の貢献」をテーマに議論を進める中で採択された“北海道倶知安宣言”を取り上げています。
本記事を執筆している日本コンベンションサービス株式会社(JCS)は、本大臣会合の準備から当日運営を通して、G20の舞台裏を支えている関係者の「おもてなし」の取り組みに注目し、メイキング映像制作や記事執筆をさせていただきました。
MICEの現場において、会議運営会社だから気づけたこと、国・自治体・地元企業の動きや、MICEに関する最新トレンド等、訪日ラボの連載で積極的に紹介して参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
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詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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