ラグビーW杯で世界が感激した「日本の良さ」…経済効果のインパクト・海外の反応・海外メディアの反応を総まとめ【年末振り返り】

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2019年、日本で行われた世界大会で最も注目されたのがラグビーワールドカップ2019日本大会(以下、W杯)です。海外メディアで絶賛されたり、経済効果のインパクトも収支予想よりも48億円上振れるなど、結果を振り返れば大成功を収めた本大会。

国内では流行語大賞にも関連ワード5つがノミネートされ、そのうち「ONE TEAM」が年間大賞に選ばれました。12月11日に丸の内で開催された「ラグビー日本代表ONE TEAMパレード ~たくさんのBRAVEをありがとう~」には、平日にもかかわらずファン約5万人が集まっています。

また、12月18日には日本大会の経験を継承し再誘致に向け情報共有するため、日本ラグビー協会はレガシー特別委員会を設置するなど、閉幕から1ヶ月以上経ってもなお、W杯の余韻を感じます。

今回は、これほど人気で注目を浴びたW杯とはなんだったのか、観客のインバウンド(外国人)比率や視聴率、収支などの数字や、海外の反応・海外メディアの反応、そしてオリンピックへつなげるために見えてきた課題などについて振り返っていきます。

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4つの数字で振り返るW杯

「成功裏に終わった!」と言われているラグビーW杯ですが、実際どのような経済効果があったのか数字で振り返ります。


1. 観客のうち、34%が海外から

12月12日のラグビー・ワールドカップ日本大会組織委員会の発表によると、観客約170万人のうち、34%に当たる約57万8,000人が海外からの観客であったそうです。

JNTOのデータでも、9月と10月の出場国からの訪日客数は10月のイタリアからの訪日客を除いて全ての国で前年超えとなり、全体として約17万3,800人増加しました。

選手だけでなく多くの外国人が、日本での滞在についてSNSなどで積極的に発信しています。日本の観光市場の宣伝効果も期待できる、非常に望ましい構図と言えます。

韓国65%減を吹き飛ばしたラグビーW杯のすごさ、85%増の英国市場~数値で見るW杯~

日本政府観光局(JNTO)が11月20日に10月の訪日外客数を発表しました。 発表によると、イギリスからの訪日外客数は 6万8,400人と、前年同月比85.6%増と、単月として過去最高を記録しました。 韓国からの訪日客数が前年比65.5%減少した一方で、イギリスやオーストラリアといったワールドカップ(W杯)の訪日客数が伸びていることから、W杯による影響が読み取れます。 今回は、10月の訪日外国人客数とW杯によるインバウンドの結果を見ていきます。 関連記事 【海外の反応】ラグビ...

2. 瞬間最高視聴率、53.7%を記録

日本代表が決勝トーナメント進出をかけてスコットランドと戦った10月13日の試合の関東地区TV平均視聴率は「39.2%」、瞬間最高では「53.7%」を記録しました。

同試合は、5,486万2,000人がリアルタイムで視聴していたと推計されるそうです。同じ調査によると、日本戦のいずれかをリアルタイムで見た国内の視聴者数は約8,731万人にのぼります。

このことからも、ラグビーW杯への日本人の関心が非常に高かったことがうかがえます。

3. 収支予想より「48億円」上振れ

12月12日のラグビー・ワールドカップ日本大会組織委員会の発表によると、収支見込みが8月の予算案と比べ48億円増である678億円と発表されました。

チケット販売の増加などが要因として挙げられるようです。財務上は収入、支出共に同じ金額で均衡だが、実際は10億円以上の資金が出ると予想されるため、関連自治体によるラグビーの支援組織の設置など今後のラグビーに関わる事業に使われる予定とのことです。

4. 英国風パブ「HUB」の売上が大幅増

スポーツバーとして利用されることも多い「HUB」の発表によると、同社の9月の売上高は前年同月比26.6%増、10月は25.6%増として、2か月連続で大幅に増加しました。

この結果から、2019年3月1日から2020年2月29日期の業績予想では、売上高が前期比11.5%増、営業利益で18.9%増を見込んでいるようです。

このほかにも日本大会が「記録破りの大会」と言われる理由となった数字を次のページで紹介しています。

ラグビーW杯の経済効果「スゴイ数字」まとめ:観客動員数170万人超・9月訪日英国人数は昨年比84.4%増加・大分県の宿泊施設満室率83%など

11月2日に横浜スタジアムで行われたイングランドvs南アフリカの決勝戦にて、南アフリカの勝利で約2ヶ月間開催されたラグビーワールドカップ2019日本大会が終了しました。 日本代表の初の決勝トーナメント進出で盛り上がった大会の影響について、数字で振り返ります。 関連記事W杯開催で見えてきた!観光公害・トラブル対処法日本への「尊敬」清掃で表現!?W杯感動エピソード実は宣伝に使ってはいけない「W杯」「オリンピック」 インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサ...

海外の反応(海外メディアの反応)からみるW杯

多くの外国人がW杯を機に日本に訪れました。訪れたことで感じた「おもてなし」があったようです。

どのようなところに外国人が感動したのか見ていきます。

”ABSOLUTE LEGENDS(絶対的な伝説)”と気遣いを称賛 - アイルランド地元紙

アイルランドの地元紙「The Irish Sun」記者がW杯取材で訪れた日本でのエピソードを同紙で報じました。

記者がタクシーに忘れた携帯電話を取りに行ったところ、きちんと保管しておいてくれただけでなくすぐに使えるようにと充電しておいてくれたそうです。

この対応について、伝説だとしながらも日本では驚くべきことではないとしています。日本では客がチップとしておいて行った小銭も忘れ物かもしれないため住所に送ると紹介しています。

日本ではなくしたものが返ってくるのは当たり前のようなことですが、海外ではそのままなくなってしまうことが多いため、こうした感激を引き起こしていると考えられます。

日本流のおもてなしに感激 - BBCの報道

BBCの取材でイングランドの選手も以下のように語っていますが、今大会の日本人サポーターに感動した人も多かったようです。

"I thought the Japan game was awesome - that's probably the best crowd I've seen all tournament

試合前の国歌斉唱では海外チームの国歌を日本人が歌う様子や日本代表以外のチームを応援する日本人サポーターが多くいました。

このような日本人の姿を見た各国代表選手が、試合終了後にそれぞれタッチライン際に並び、スタンドに日本式のおじぎをする光景は、今大会の代名詞とも言える定番となりました。

これ以外にも、ラグビーW杯日本大会を機に、日本を知り、楽しみ、日本のおもてなしを感じたと言う声が多くありました。

【海外の反応】ラグビーワールドカップ日本大会を「最高」に仕上げた日本のおもてなし/選手と観戦客の日本満喫の様子まとめ

ラグビーワールドカップ2019日本大会では、日本代表の歴史的勝利やニュージーランド代表オールブラックスの敗退など、大きな話題がいくつも持ち上がりました。  そんな中、ワールドラグビー会長からは「謙虚で歴史的なホスト国」と称されるなど、初めて大会の会場となった日本のおもてなしが海外から注目されています。 日本はなぜこのような高い評価を得られたのか、特に注目を集めた事例やSNSへの投稿から紹介していきます。 関連記事ラグビーW杯振り返り”すごい”数字まとめW杯で世界に称賛される日本の振る...

【海外の反応】ワールドカップ各国代表&サポーターが日本へ敬意を込めて清掃、日本の当たり前が世界を変える

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W杯からオリンピックへ…

2020年に迫った東京オリンピック2020大会に向けて、ラグビーW杯から学べることが多くあります。

見えてきた課題とは一体何だったのか説明します。

課題1. 災害時の対応は万全に

今大会でみられた一番とも言える大きな課題は大型台風への対応でした。

初のアジア開催、特に大きな災害が多く起きている日本での開催ということで災害時の対応はあらかじめ決められていました。結果として、公共交通機関の計画運休などを考慮し二試合を中止としました。

「試合は観客なしの試合になったとしても行うべき」など中止に反対の声もありましたが、「台風による被害を最小限にとどめると言う意味では正解だったのでは」と言う肯定的な意見も見られました。こう言った、W杯の経験は2020年の東京オリンピックなど今後予定されている日本開催の国際的なイベントで役に立つと考えられています。

実は日本で国際的で大規模なスポーツイベントが行われるのは、2002年のサッカーW杯以来でした。当時のことを参考にしようにも記録が残っていなかったことが今大会を難しくした要因のひとつだったようです。

今後のためにも、様々なノウハウが継承できるようにしていくことが求められていると言えるでしょう。

課題2. マナーの周知

大会期間中、京王線の車内での行動がSNSで話題になったり、新宿・歌舞伎町ゴールデン街で「明らかにラグビー観戦客」と思われる客が飲食店のドアを蹴破るなどして警察沙汰になるといった残念なニュースもありました。

【W杯】外国人ファンで新宿が無法地帯化!?今こそ確認したい観光公害・トラブル予防のチェックシート7項目

今月10日、悲しいニュースが流れてきました。ラグビーワールドカップ(RWC)で盛り上がりを見せている中、新宿・歌舞伎町ゴールデン街で「明らかにラグビー観戦客」と思われる客が飲食店のドアを蹴破るなどして警察沙汰になったといいます。 他にも訪日外国人による「観光被害」は後を絶えず、地域住民や昔からの馴染み客との間で軋轢が生じています。今回は訪日外国人が急増するとみられる一大イベント前に確認しておきたい「トラブル対策」について、事例を交えて紹介します。 [com_category_dl_bt...

こういった行動は外国人が日本での振る舞い方を知らないために起きてしまうことです。多言語の注意喚起ポスターのん設置など知ってもらえる取組をしていくことが今後ますます必要になってくると考えられます。

京王電鉄のインバウンド対策、ラグビーワールドカップに向けて行った事例紹介

ラグビーワールドカップの会場となっている、東京スタジアムの最寄駅「飛田給駅」がある京王線は、新たに乗車マナーに関する注意喚起のポスターの掲示を始めました。 東京都と京王電鉄は、外国人観戦客を対象に、沿線で訪日外国人の受け入れ態勢を強化しています。 今回は、京王電鉄によるラグビーワールドカップ観戦客のマナー向上に向けた取り組みや、これまでの訪日外国人対策について紹介します。 インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入...

課題3. 「クラウディングアウト」

過去オリンピック、パラリンピック開催地で起こっている現象で、開催地では特に、開催月の観光客数と消費が落ち込むというものです。

競技関係者によってホテルが長期間占有されてしまうことによるホテル不足、関係者が来日するなどによるエアラインの高騰が原因と言われています。

今回のW杯ではゲームとゲームの間の日数が空いていることや、オリンピックに比べて過ごしやすい時期であったことから、この減少は見られませんでした。

東京オリンピックでは暑さや、開催地が東京近辺に集中していることから、クラウディングアウトが起こることが予想されるため今から対策を打っていく必要があります。

成功した取り組み:警備体制

オリンピックのリハーサルとも言われていたラグビーW杯の警備は、大きな混乱が起こることなく終われたため成功であるとの見解が示されています。

ラグビーW杯期間中、会場では高性能カメラによる監視や多くの警官の配置、空港では国内線でも乗客に上着を脱いでもらいエックス線検査をすると言った警備の成果であると言えるでしょう。

各国選手団の警備に当たる綜合警備保障(ALSOK)では、研修に半年を費やし準備をしていたそうです。

ラグビーW杯は「日本」を世界に伝え、観客は日本を満喫

2019年を代表すると言っても過言ではないイベントとなったラグビーW杯では、日本、そして日本人のおもてなしや礼儀と言った良いところを世界に発信する機会となりました。

一方で、東京オリンピックをはじめとした今後予定されている大きな大会に向けたリハーサルをすることができたと思われます。「過去最高のW杯」と称された今大会から反省、課題などを学び今後につなげていくことが大切です。

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<参照>

ONE FINAL GOODBYE Rugby World Cup diary: The lengths the Japanese went to return my lost phone is testament to their character

https://www.rugbyworldcup.com/news/546945

https://www.sanspo.com/rugby/news/20191218/ruo19121821520004-n1.html

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO53300840S9A211C1UU8000/

https://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/191120_monthly.pdf

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50971270V11C19A0CR0000/

https://www.videor.co.jp/press/2019/191106.html

https://www.j-cast.com/kaisha/2019/11/13372420.html

https://news.livedoor.com/article/detail/17277610/

https://www.bbc.com/sport/rugby-union/49876757

https://www.sankei.com/west/news/191007/wst1910070006-n3.html

http://shogyokai.jp/articles/-/2269

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53383610V11C19A2000000/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51758350S9A101C1EA2000/?n_cid=SPTMG002

https://www.sankei.com/sports/news/191102/spo1911020047-n2.html

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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