京王電鉄がW杯で本気を出した!京王線新宿駅のインバウンド対策がスゴイ

ラグビーワールドカップの会場となっている、東京スタジアムの最寄駅「飛田給駅」がある京王線は、新たに乗車マナーに関する注意喚起のポスターの掲示を始めました。

東京都と京王電鉄は、外国人観戦客を対象に、沿線で訪日外国人の受け入れ態勢を強化しています。

今回は、京王電鉄によるラグビーワールドカップ観戦客のマナー向上に向けた取り組みや、これまでの訪日外国人対策について紹介します。


新宿駅のポスターで情報発信

▲[多言語で日本の乗車マナーについて発信するポスター]:訪日ラボ編集部撮影
▲[多言語で日本の乗車マナーについて発信するポスター]:訪日ラボ編集部撮影

東京の人気観光地であり、ターミナル駅として訪日外国人も多く利用する新宿駅では、多言語によるマナーに関する注意喚起を行っています。

最近では、京王線新宿駅の駅構内で、英語・フランス語・スペイン語・ロシア語の4ヶ国語に対応した多言語ポスターを用いて、駅や電車内における日本のマナーについての紹介を開始しています。

内容は、「歩きスマホはお止めください」「駆け込み乗車はお止めください」「割り込まず、並んで順番にご乗車ください」などを、駅でのマナーとして注意喚起しています。どれも日本では当たり前のマナーですが、特に整列乗車の徹底は海外では珍しいため、訪日外国人向けには注意喚起が必要なマナーと言えるでしょう。

同じく車内のマナーも、イラスト付きでわかりやすく説明されています。「マナーモードに設定の上、通話はお控えください」「車内で大声で話すのは控えましょう」などは、訪日外国人にとって馴染みのないマナーと言えます。

海外では通話に関するルールはなく、車内でイヤホンなしで動画を観たり、イヤホンの音漏れがしている状況も少なくありません。日本では車内で他の人の迷惑にならないよう、なるべく静かに過ごすことが良いとされているため、こうした前提を共有するためにもポスターは効果的でしょう。

イギリス政府発行のポスターも掲示

ラグビーワールドカップの開催に伴い、ラグビー発祥の地・イギリスから多くのサポーターが訪れることをふまえ、イギリスの外務省も対策に乗り出しています。 実際にチケット先行販売における申し込み枚数では、日本以外の申込上位国としてイギリスがトップとなっており、また先月の訪日外客数の伸び率でも過去最高を記録しています。

▲[京王線新宿駅構内のイギリス政府発行の試合前後の過ごし方やマナーに関する注意喚起のポスター]:訪日ラボ編集部撮影
▲[京王線新宿駅構内のイギリス政府発行の試合前後の過ごし方やマナーに関する注意喚起のポスター]:訪日ラボ編集部撮影

京王電鉄の新宿駅構内には、イギリス政府発行の試合前後の過ごし方やマナーに関する注意喚起のポスターが掲示されています。

具体的には、飲酒時のマナーを意識することや終電を事前に確認すること、常にパスポートを携帯することなどを呼び掛けています。

▲[Travel global, think local]:GOV.UK

他にも、訪日英国人観光客がトラブルに巻き込まれることを未然に防ぐことを意識した動画も作成しました。イギリスと日本の文化や慣習に着目し、滞在中に役立つアドバイスを1分ほどでまとめています。

台風情報も4つの言語で掲示

▲[台風の運行への影響を知らせる案内。4言語で書かれている]:訪日ラボ編集部撮影
▲[台風の運行への影響を知らせる案内。4言語で書かれている]:訪日ラボ編集部撮影

史上最大級と言われた台風19号が関東に上陸した際は、列車の運転について、日本語に加え英語・中国語・韓国語のポスターを掲示しました。さらに、訪日外国人観光客も台風19号に関する最新情報を得られるよう、NHK WORLD JAPANのニュースサイトのQRコードを記載したポスターも用意しています。

訪日外国人を取り込むためにやっていること

京王電鉄では以前より、訪日外国人の利用増加や、沿線地域への誘客促進に向け様々な取り組みを行っています。

今回はその中から3つの取り組みについて紹介します。

1. 訪日外国人向け「企画乗車券」販売

2019年2月に京王電鉄は、訪日外国人向けの企画乗車券を3種類発売しました。いずれも京王沿線の訪日外国人に人気のスポットを盛り込んでおり、個別に購入するより最大で約50%お得になります。企画乗車券の概要は以下の通りです。

  • 「京王線・井の頭線1日乗車券」+「高尾山ケーブルカー・リフト往復乗車券」「高尾山さる園・野草園入園券」
  • 「京王線・井の頭線1日乗車券」+「高尾山ケーブルカー・リフト往復乗車券」「うかい鳥山のランチコース」
  • 「京王線・井の頭線1日乗車券」+「よみうりランド入園券・のりもの3回券」

訪日外国人向けの観光案内所「中部地方インフォメーションプラザin京王新宿」におけるアンケートで、約80%が「日本に来る前に乗車券類を手配」と回答したことを受け、海外の旅行会社から事前購入できるようにしました。

その他にも「京王高尾山温泉/極楽湯」や京王百貨店新宿店など、沿線の観光施設の割引や特典も利用でき、訪日外国人の沿線地域への誘客促進が期待される内容となっています。

2. 外国人観光客向けPR動画の作成

▲[Discover the beauty of TAMA, Tokyo!]:府中市

2019年8月1日から11月30日まで、JR新宿駅東口駅前広場前の新宿アルタビジョンにて、訪日外国人向けの京王沿線観光PR動画を掲出しています。

京王線で繋がる府中・日野・多摩・稲城市が連携し、4市の認知拡大と訪日外国人の誘客促進を図る目的で作成されました。

動画は地元民がおすすめする各市の観光情報が掲載された「TokyoTAMA魅力発見!まちめぐりマップ」で紹介しているスポットを収録しました。今後は英語版に加え、フランス語版の公開も予定しているとのことです。

3. 訪日外国人向け「オリジナル御朱印帳」の販売

2019年9月1日より、京王線5000系・井の頭線1000系をデザインした「京王電鉄オリジナル御朱印帳」訪日外国人向けに発売しています。(訪日外国人でなくとも購入可能)

1冊1,800円(税抜き)で、新宿駅京王モール内の観光案内所「中部地方インフォメーションプラザin京王新宿」で取り扱っています。10月14日からは、限定1,000部を「京王れーるランド」でも発売しています。

近年は御朱印集めを体験する訪日外国人も増えており、周遊観光促進への効果が期待されます。京王電鉄は、沿線に点在する神社仏閣を、御朱印集めをきっかけに巡ってもらうことで、日本の歴史や伝統文化への理解を深めるとともに、沿線地域の新たな魅力を発見・満喫してもらうことが目的です。

訪日外国人の増加による混雑、一般の乗客へも周知

▲[混雑の時間帯を案内するポスター]:訪日ラボ編集部撮影
▲[混雑の時間帯を案内するポスター]:訪日ラボ編集部撮影

ラグビーワールドカップの試合実施に伴い、当日の混雑予想を掲載し、混雑緩和の対策を講じました。

会場の東京スタジアムや最寄駅の飛田給駅周辺では、外国人サポーターも増加することを予想し、京王線を利用する日本人の乗客への配慮として具体的に混雑が予想される時間帯をポスターで掲載しています。

府中で行われるパブリックビューイングの情報も、駅に掲示しました。ラグビーワールドカップを通じて、地域と世界をつなぎ訪日外国人に魅力を発信することが期待されます。

まとめ:訪日外国人を沿線地域に呼び込む京王電鉄

京王電鉄では、訪日外国人に地域の魅力を発信する企画を実施し、沿線地域への誘客を促進することでさらなる地域活性化を目指しています。

ラグビーワールドカップの会場が沿線にあることから、外国人の観戦客の受け入れ態勢整備にも取り組んでいる様子がうかがえます。訪日外国人の利便性が向上し、以前よりも滞在の満足度が高まることも期待できるでしょう。


<参照>

・東京都:ラグビーワールドカップ2019 東京都 交通輸送実施計画

・GOV.UK:Rugby World Cup 2019

・HUFFPOST:「お願い、逮捕や送還されないで」ラグビーW杯で訪日する英国人へ、イギリス外務省が動画で助言

・観光経済新聞:京王電鉄、訪日外国人向け企画乗車券3種類を発売

・府中市:外国人観光客向け京王線沿線4市観光PR動画

・鉄道チャンネル:日本人でも購入可能 京王電鉄が訪日外国人向け「オリジナル御朱印帳」を9/1発売

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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