ラグビーW杯の経済効果「スゴイ数字」まとめ:観客動員数170万人超・9月訪日英国人数は昨年比84.4%増加・大分県の宿泊施設満室率83%など

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11月2日に横浜スタジアムで行われたイングランドvs南アフリカの決勝戦にて、南アフリカの勝利で約2ヶ月間開催されたラグビーワールドカップ2019日本大会が終了しました。

日本代表の初の決勝トーナメント進出で盛り上がった大会の影響について、数字で振り返ります。

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軒並み記録更新!ラグビーW杯日本大会

日本大会ではアジア初の開催ということでチケットの販売数など心配されていましたが、どのような結果になったのかを見ていきます。

観客動員数は170万4,443人&過去最高の販売率

ワールドラグビー の発表によると、観客動員数は延べ170万4,443人、1試合の平均観客数は37,877人です。

プール戦で最多観客動員となったのは、横浜国際総合競技場で行われた日本対スコットランド戦の67,666人でした。決勝トーナメントで最多観客動員となったのは決勝のイングランド対南アフリカ戦の70,103人で、この試合は横浜国際総合競技場の歴代最多動員数を記録しています。

日本大会では約185.3万枚を販売可能席としたうち、約99.3%に当たる約184万枚が販売され、過去最高の販売率となりました。

また、パブリックビューイングやラグビー 体験などが行われたファンゾーンにも、期間中全会場合計で約113万7,000人が来場したようです。

イギリスからの訪日客数が昨年同月比で激増

JNTOによると2018年9月の訪日外客数と比べ、5.2%増の2,272,900人となっています。特に伸びたのが英国市場です。2019年9月は昨年同月比84.4%増の49,600万人となっています。

8月の韓国人客「半減」の急降下…未曾有の「コリア・ショック」どう乗り切る?

観光庁の18日の発表によれば、8月に日本を訪れた韓国人旅行者数は、前年同月より48.0%減の30万8,700人にとどまりました。 この数年は中国に続き市場2位であるインバウンド韓国市場ですが、今年7月からの対韓輸出規制強化により反日感情の高まりが実際に数字として表れたとも見られ、業界に驚きと不安を与えています。 [com_category_dl_btn name="インバウンドデータ(総合)" slug="inbound-data"] [cta_toc_upper_banne...

大会開催真っ只中となった10月の訪日外客数については11月11日現在、まだ数字が出ていませんが、ラグビーファンである国や地域からの訪日外客数は大きく成長していることも期待できるでしょう。

ソーシャルメディアの閲覧数からも熱量がうかがえる

開幕から最初の2週間で、ラグビーワールドカップのソーシャルチャンネルの視聴数が前回大会の9倍となる6億4,500万回を記録しました。これは前回大会の約9倍です。

またラグビーワールドカップ公式アプリの最初2週間の画面表示回数は9600万回で、こちらは前回大会の約2倍となりました。

若い世代やラグビーに興味がない人も面白いと思えるような、グラウンド内外での選手の様子などを積極的に発信したことで、ワールドラグビーのソーシャルメディアの閲覧数が17億回という結果につながったと考えられます。

ラグビーワールドカップの日本国内の公式Twitterのフォロワー数も、大会開幕直前と比較して9万9769フォロワーから23万406フォロワーと231%増加しました。ラグビーへの注目度の高まりが顕著に表れているといえるでしょう。

サッカーの観客の”6倍”といわれたビール販売量の実際

ラグビーワールドカップのワールドワイドパートナーであるハイネケンの販売は、大会前から取り扱い店舗を大きく伸ばし、9月の販売数量は前年同月の3.4倍を記録したそうです。

試合会場での消費はというと、例えば9月21日にオーストラリアvsフィジー、22日にイングランドvsトンガの試合が行われた札幌ドームでのビール消費量は、観客約3万6000人に対し、21日が1万7,660ℓ、22日が1万8,573ℓでした。

札幌ドームで通常行われているサッカーや野球のときの消費量に比べ3〜4倍ほど増加していると言います。試合中に席を立つことなくビールを購入できる「売り子」が岩手・釜石をのぞいた11の会場で稼働がこの数字に大きく貢献したでしょう。

大会開催前に言われていた6倍までは行かないものの、多くのビールが消費されたことで、ハーフタイムには男子トイレに長蛇の列ができていました。

大会会場周辺の「宿泊施設」への影響大きく

ある調査によると、試合開催日当日に宿泊するために利用する宿泊施設料金は平均69%の高騰率宿泊施設の満室率は平均47%となりました。

特に、大分市で開催された全5試合でこれらの数字が高くなっています。試合開催日当日泊の平均宿泊施設料金高騰率は282%、平均宿泊施設満室率が83%と高い結果になりました。高騰率、満室率共に上位3位内に入る試合は全て大分県での開催でした。大分県は、今大会においてスポーツツーリズムの恩恵を最も受けることのできた地域である可能性が考えられます。

また試合前日に宿泊するよりも、試合日当日に宿泊する場合の料金が高騰し、また施設満室率も高まりました。試合の余韻にひたりたい観戦者の様子がうかがえます。

日本大会の評価は「開催国として最高だった」

今大会の開催について、ワールドラグビー会長から「謙虚で歴史的なホスト国」と高い評価を得ています。2020年に開催される東京オリンピック成功に向けて、今大会で成功した取り組みを着実に再現できるように努めていくと良いでしょう。

ここではワールドカップ期間中に見られた施策やトラブルを紹介します。

PR&リピーター獲得を目指したイベント

福岡県では6チームがキャンプをすること、九州内では3カ所の会場で試合が行われることから、選手をはじめとした外国人が増えると見越して熊本県熊本市を中心に、"祭り"をキーワードに九州の魅力を発信する「祭りアイランド九州」が開催されました。

「祭りアイランド九州」では、「熊本地震からの復興に向けて九州・山口の魅力を全世界にPR」「外国人観光客、特に欧米豪の周遊促進とリピーター化」を目指し、さまざまなプロモーションを行なっています。その1つが、各地域で行う50以上(https://matsuri.welcomekyushu.jp/#about)の祭りです。

周遊観光などのコト消費需要が高まっていることから、「祭り」をキーワードとしたイベントが開催されました。

実際、ラグビーW杯はインバウンドの地方誘客をもたらしたのか?【福岡の場合】

全国12会場を舞台に熱戦を繰り広げている「ラグビーワールドカップ2019」で、日本は史上初の決勝トーナメント進出を果たしましたが、20日に東京スタジアムで行われた準々決勝では南アフリカとの対戦には結果敗れてしまいました。日本代表の試合は終わってしまいましたが、外国人サポーターをはじめとする、インバウンドの地方誘客促進への効果は引き続き期待が高まります。実際に各地のファンゾーンでは、日本文化に触れられるイベントも開催しており、地域の魅力を発信する拠点の役割も果たします。今回は、福岡の例をふま...

「トラブル対応」に向けた準備

歌舞伎町ゴールデン街で起きた酒に酔ったラグビーファンによるドアの損壊事件や、京王線の車内でのマナー違反など事前のトラブル回避策の不完全さや、言語が伝わらないために注意できないなどの問題がありました。

文化や価値観の違う国に生まれ育った外国人観光客へ、日本のマナーを理解してもらい実践してもらうというのは容易ではありません。マナーを逸脱した振る舞いに戸惑う日本人は少なくありません。外国人観光客が利用する施設や交通機関では、日本のマナーを外国人観光客へ伝えるための工夫が求められていると言えるでしょう。

具体的には多言語対応による案内や、分かりやすいイラストを使うといった方策が考えられます。

【W杯】外国人ファンで新宿が無法地帯化!?今こそ確認したい観光公害・トラブル予防のチェックシート7項目

今月10日、悲しいニュースが流れてきました。ラグビーワールドカップ(RWC)で盛り上がりを見せている中、新宿・歌舞伎町ゴールデン街で「明らかにラグビー観戦客」と思われる客が飲食店のドアを蹴破るなどして警察沙汰になったといいます。 他にも訪日外国人による「観光被害」は後を絶えず、地域住民や昔からの馴染み客との間で軋轢が生じています。今回は訪日外国人が急増するとみられる一大イベント前に確認しておきたい「トラブル対策」について、事例を交えて紹介します。 [com_category_dl_bt...

ラグビー観戦の外国人、電車内で乱痴気騒ぎSNS炎上:観光立国のために考えるべきこと

ラグビーワールドカップの観戦客と見られる外国人が、電車内で大騒ぎする様子がSNS上で拡散されています。世界的イベントが日本で開催されると、インバウンドの増加により経済振興も期待できる一方で、日常生活が脅かされる可能性もあります。今回ネガティブな形でその懸念が現実に起こってしまい、こうした状況に「東京オリンピックではどうなるのか」といった不安感が引き起こされてしまったことは否めないでしょう。目次ラグビー観戦の外国人の電車内での行動がSNS上で波紋を呼ぶ一種の観光公害問題ともいえる「マナー違反...

今大会の初戦である日本対ロシア、また3位決定戦が行われた東京スタジアムの最寄駅の路線である京王線のインバウンド対応について、以下の記事で紹介しています。

京王電鉄のインバウンド対策、ラグビーワールドカップに向けて行った事例紹介

ラグビーワールドカップの会場となっている、東京スタジアムの最寄駅「飛田給駅」がある京王線は、新たに乗車マナーに関する注意喚起のポスターの掲示を始めました。 東京都と京王電鉄は、外国人観戦客を対象に、沿線で訪日外国人の受け入れ態勢を強化しています。 今回は、京王電鉄によるラグビーワールドカップ観戦客のマナー向上に向けた取り組みや、これまでの訪日外国人対策について紹介します。 インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入...

ラグビーW杯がお手本、外国人観光客も現地の生活も両立する快適な感動体験を

ラグビーワールドカップ2019の結果についてデータで見ていきました。予想を超える盛り上がりとなった今大会から学べることは少なくないでしょう。

外国人観光客も観光地で生活する人も両方にとって快適な観光体験は、観光立国としての日本になくてはならない重要なテーマです。引き続き行われるインバウンド対策や、2020年に行われるオリンピックに向けた施策のブラッシュアップが期待されます。

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<参照>

https://www.rugbyworldcup.com/news/538422

https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/191016_monthly.pdf

https://real-sports.jp/page/articles/317476823581590609

https://www.yomiuri.co.jp/rugbyworldcup/201911052036/

https://rugby-rp.com/2019/10/15/worldcup/42655

https://toyokeizai.net/articles/-/312174

https://www.asahi.com/articles/ASMBJ563MMBJIIPE01D.html

https://atta.ai/media/jp/rugby_worldcup_2019_research_hotel_price_vacancy/

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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