「ワールドカップ」「オリンピック」店の宣伝に使うのはNG!4,300億円経済効果は本当に試算通り実現するのか

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9月20日に開幕したラグビーワールドカップ2019日本大会では、日本代表の快進撃が続いています。明日19時半からは日本対サモア戦が愛知県の豊田スタジアムで開催されます。

日本でラグビーワールドカップが開催されるのは、大会史上初めてであり、ラグビーファンだけでなく、日本中が盛り上がりを見せています。また、大会期間中は訪日外国人の増加も期待されており、この時期に合わせたインバウンド対策を進める企業も多いでしょう。

しかし、実はラグビーワールドカップを使った宣伝には、商標権侵害という意外な落とし穴が潜んでいます。

この記事では、この商標権侵害について詳しく説明しながら、ラグビーワールドカップを利用して、インバウンド対策を進めるための有効な対策について解説していきます。

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店の宣伝に「ワールドカップ」を掲げるのはNG?

ラグビーワールドカップの盛り上がりに合わせて、ラグビーに関連する商品の売り出しに力を入れる店舗が増えています。日本中が注目する大会であるだけに、商品を販売する際に「ラグビーワールドカップを盛り上げよう」などの文言を掲げることで、いつも以上の集客が期待できます。

しかし、これに対してラグビーワールドカップ2019組織委員会は「勝手にワールドカップの文言を使用しないように」と呼びかけています。

実際に商標登録、理由はスポンサー契約

ワールドカップと絡めた商品の販売は、ラグビーワールドカップを盛り上げることに貢献するようにも思えます。

しかし、実は「ラグビーワールドカップ」を含むワールドカップの関連用語は、主催するワールドラグビーの関連法人が商標登録をしているために、無許可で使用することは権利の侵害にあたります。

これには、大会のスポンサー契約を結んだ企業があるにも関わらず、ワールドカップを利用したライバル企業に顧客を取られてしまうなどの不公平を防止する理由があります。

しかし、これに対しては積極的にラグビーワールドカップに関する用語を用いることで、街全体が盛り上がれば、最終的にスポンサーの利益にもつながるのではないか、という批判もあります。

このルールはなんと選手たちにも適応されています。9月7日に開催された日本代表の壮行会でも、ラグビーワールドカップの名前は使わず「日本代表決起会」とだけで表されました。大会側やスポンサーの利益は守られたわけですが、これでは何の大会か全くわかりません。

これを受けて自治体や企業では、商標登録をされた用語を使わずに、ラグビーを連想させる名称を考えることでPRを図るなど、さまざまな工夫を凝らしています。

2020年の東京オリンピックも同様の問題が

このルールは、実は東京オリンピックでも同様に適応されています。また商標登録された用語の無断使用は「十年以下の懲役または一千万円以下の罰金」に処される可能性があります。

▲知的財産権の保護:TOKYO2020公式サイトより引用
▲知的財産権の保護:TOKYO2020公式サイトより引用

ラグビーワールドカップの経済効果は4,300億円…本当?

ラグビーワールドカップ2019組織委員会は、ラグビーワールドカップ2019日本大会にて期待される経済波及効果を4372億円と予想しました。

スタジアムでの観戦者は最大180万人、訪日観光客は40万人に達する可能性があると予想されており、訪日外国人客の消費支出による直接効果は1,057億円に上ると予想されています。

これほどの数字になる理由として、ラグビーワールドカップの開催期間が一か月半と一般的な国際スポーツイベントと比べて長いこと、また会場が日本全国12の都市に点在しているため国内各地の経済活性化が見込まれることが挙げられています。

ラグビーワールドカップ日本の経済波及効果

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この経済波及効果の中には、2,000億円以上の間接効果が含まれています。ところが先に説明したように、ラグビーワールドカップ関連用語の宣伝への使用は禁止されており、周辺の飲食店や観光スポットでワールドカップに合わせた宣伝ができません。

宣伝を制限されることで、関連業界であっても間接的な効果を享受できず、結果として計算されたような経済効果は得られなくなるのではないかという指摘もあります。

適切な対策事例:豊田

ラグビーワールドカップ期間中の訪日外国人客への適切な対策として、愛知県豊田市の取り組みが挙げられます

豊田市は、ラグビーワールドカップの開催地となっているため、多くの訪日外国人客が訪れることが予想されています。

そこで豊田市では、この大会をインバウンド集客の大きなチャンスとして捉え、試合前後の日程のツアー造成や、豊田市で行われる試合の対戦国からの訪日客をターゲットにしたプロモーションなど、様々な取り組みを実施しています。

中でも、過去の大会から、インバウンドのラグビーファンはビールの消費量が非常に多いという情報を掴み、事前に十分なビールの量を用意するなど、日本ならではのおもてなしが見える対策も為されています。

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商標権侵害には十分注意して、機会を活かしインバウンド集客を

訪日外国人客の消費支出が1,057億円と予想されているラグビーワールドカップは、インバウンド集客の拡大を成功させるキーとなる重要なイベントです。

多くの領域でこのラグビーワールドカップ日本大会の盛り上がりを最大限活用した取り組みが進んでいます。商標権の侵害には注意が必要ですが、観光立国としての経験をまた一つ積むことのできる良い機会と言えるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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