阪神・淡路大震災からまもなく25年を迎える神戸、訪日外国人観光客だけではなく神戸に住む外国人への多言語対応が求められています。
神戸市東部のHAT神戸と呼ばれるエリアは、独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)や兵庫県立美術館、阪神淡路大震災の経験を伝える「人と未来防災センター」があり、周辺に住む在日外国人への多言語対応が進んでいます。
京阪流通システムズが施設管理を受託しているブルメールHAT神戸は、多言語対策としてUSEN-NEXT GROUPのUSENが提供する外国語アナウンスアプリ「USENおもてなしキャスト アナウンスアプリ防災」と「USENおもてなしキャストアナウンスアプリ インフォ」(以下、おもてなしキャスト)を導入しています。
在日外国人への対策を進めるブルメールHAT神戸の施設管理担当者へ導入の経緯や導入後の感想についてインタビューしました。
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ブルメールHAT神戸
ブルメールHAT神戸は、2005年10月に震災復興のシンボルタウンとして再開発されたHAT神戸地区の中心となる商業施設として開業しました。飲食や物販など約40テナントが入る複合商業施設となっています。
近隣にはマンションが多く、普段使いとして気軽にご利用いただける施設です。外国人比率は10%前後ですが、隣接するJICAに勤める多くの外国人が家族で訪れるため、多言語対応の重要性を感じています。
導入前の課題
館内アナウンスはテナントからの連絡を受け、事務所からマイク放送をしていました。放送内容は迷子やテナントからのお呼び出し、待ち合わせなどが多いです。
外国人のお客様は東南アジアや中東、アフリカ系、ロシア系やベトナム系などがいらっしゃり、施設側では最も適した言語がわからないため、統一して英語で放送しています。こうした中で、放送を担当する人によっては発音など「伝わりづらい」ことも多く、対策を検討していました。
また、放送できるスタッフの固定ができず、日によって女性のアナウンスであったり、場合によっては男性のアナウンスの場合があったりと統一化が難しい状況があり、「館内アナウンスの平準化」に課題を感じていました。
外国語放送(外国語アナウンス)アプリ導入の経緯
さまざまな国のお客様の対応を考える中、
- 1回の放送で複数の言語で放送する方法
- アナウンスの内容によって必要な言語だけ選んで放送する方法
- 呼び出し、などインフォメーション向けだけではなく他の使い方もできる物
の3つの条件を満たすツールが理想的だという結論に至りました。
「おもてなしキャスト」は迷子や待ち合わせなどの必要なアナウンスのテンプレート集が入ったインフォメーション用だけではなく、同じ操作方法で災害用アナウンスのテンプレート集が入っている防災用の2通りあることから導入を決めました。
導入のポイント、使ってみて良かった点
導入の決め手となった点や、使ってみて良かった点は以下の5点です。
- 男性スタッフが対応した場合でも女性の声でアナウンスができる
- 誰が操作してもアナウンスの発音、音量などが統一化されている
- テナント名や名前を入れた放送ができる
- 迷子など言語が事前に分かっている場合は、必要な言語だけを選んで放送できる
- 誰にでも操作ができる使いやすさ(誤操作しにくい)
インフォメーションカウンターがないために起こる課題の解決につながると感じました。
今後追加したいフレーズ
お客様の呼び出し場所がテナントのため、テナント名を入れてもらえるとインフォメーションのない施設では喜ばれると思います。
また、お車の呼び出しの際、ナンバープレートの情報だけでは伝わりづらいのではないかと思います。色や車種名も放送できると、お客様により伝わりやすくなると思います。
導入して良かった点
年配の方などアプリに抵抗がある方でも、大きな画面で簡単に操作ができるので操作には不安がありません。
また、使わないフレーズは消す事ができるので(非表示機能)、細かい設定に関しても難しさは感じず、誰でも使える点は導入してよかったと思えるところだと思います。
防災用アナウンス
今後、緊急地震速報のチャイム音や訓練の際により臨場感を増すために地震をイメージする効果音などが追加されると聞いています。
多様化する防災対策に関しても、対応する音声やアナウンスが無料で追加されるところに実用性の高さを感じました。
特に神戸は阪神・淡路大震災を経験しているので防災の必要性は強く感じています。災害時でも通常時でも外国語も含めたアナウンスに関して使い方を共通化することで、スタッフが迷わずに放送できることも安心感につながっています。
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