食の多様化対応をサポートしているフードダイバーシティ株式会社の山崎です。
今回のテーマは前回に引き続き“各国のベジタリアンニーズ”に関してです。
第2回目はアメリカ ニューヨークに迫ります。
過去記事
各国のベジタリアンニーズ【台湾編】"サラダだけ"の間違った対応をしてませんか?
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
ベジオプションは当たり前?一般化するベジタリアン対応
現地到着後、まず向かったのが現地のスターバックス。何の変哲も無いサンドイッチやベーグルに見えますが、VegetarianやVeganの記載を発見しました。スターバックス以外にも、バーガーキングなどの一見ベジタリアンとは縁がなさそうなファストフードもVeganオプションを展開しています。
あまりにナチュラルに溶け込んでいるため、意識をしないと気がつかないこともしばしばです。
![▲[「vegetarian」と表示されたスターバックスのパニーニ]:筆者撮影 ▲[「vegetarian」と表示されたスターバックスのパニーニ]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5477/main_4e9e1c6c9f21234147f1d54420fcc998.jpg?auto=format)
![▲[「vegan」と表示されたスターバックスのベーグル]:筆者撮影 ▲[「vegan」と表示されたスターバックスのベーグル]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5478/main_cb69f834caac544602caca91d9d4460b.jpg?auto=format)
(東京でいう自動販売機と同じか、それ以上の印象です…)
![▲[ベジレストラン情報アプリ「happy cow」での検索結果]:筆者撮影 ▲[ベジレストラン情報アプリ「happy cow」での検索結果]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5479/main_2bab173d9b335158bd442e972fbe183a.jpeg?auto=format)
ベジタリアン、ヴィーガンがここまで浸透している理由
エシカルの(倫理的な)観点が大きいです。 「Cage free」(ケージフリー)や「Cruelty free」(クルエルティフリー)という表記も頻繁に見かけました。前者はケージの中ではなく、広々とした空間で飼育した家畜由来であることを意味しています。卵などについていました。
後者は「残酷感ゼロ」の意味です。動物実験などをしていない化粧品などにもついていました。
![▲[「Cruelty free」と書かれた立て看板]:筆者撮影 ▲[「Cruelty free」と書かれた立て看板]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5480/main_f7130c879dd81bf9dac8feb11de778b0.jpg?auto=format)
ご覧の通り、食だけでなく、衣服や化粧品など、ジャンルは多岐に渡ります。
また、近年ではエシカルに加えて、健康・環境問題などを背景にベジタリアンになる人が急増しているようです。
アメリカではベジタリアンでも「ふつうの」食事
ベジタリアンというと日本語で「菜食主義者」と訳すことが多く「ベジタリアン=サラダ」のイメージの方が多いのはないでしょうか。
アメリカ滞在中、5日間毎食ベジタリアン料理を頂いたのですが、葉物はほとんど食べませんでした。
所謂アメリカンフードと聞いてイメージする「フライドチキン・ウィンナー」といった「カジュアルフード」三昧でした。
植物性のお肉と聞くと何だか美味しくなさそうに聞こえますが、言われなかったら気付かないレベルまできています。
ベジタリアン=サラダを出しておけば良いという考えを改めないと、欧米圏のベジタリアンの心は掴めなさそうです。
![▲[ベジタリアンに対応したフライドチキン風料理]:筆者撮影 ▲[ベジタリアンに対応したフライドチキン風料理]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5481/main_d249ee472adedbde5ccd997df2302550.jpg?auto=format)
![▲[ベジタリアンに対応したチキン風料理]:筆者撮影 ▲[ベジタリアンに対応したチキン風料理]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5482/main_3d4663c20b302d707634aeffd2c9feb0.jpg?auto=format)
求められているのは「ヴィーガン×和食×ジャンク」のアレンジ?
訪日経験のあるアメリカ人ヴィーガンと話す機会に恵まれたので、日本に期待する対応について聞いてみたところ「ヴィーガンで和食のものがあると嬉しい。」「ただ精進料理というよりはジャンクなB級グルメが食べたい。」と答えてくれました。もちろん、これが全ての欧米ヴィーガンの旅行者に当てはまる訳ではありませんが、和食のB級グルメのニーズは高そうです。
「バーガーなどでも照り焼きや天ぷらでアレンジしたものがあれば食べてみたい」
「日本といえば寿司だよね!野菜寿司とかあるの?あったら食べたいね」
これが生の声です。
実際にニューヨークの街中を歩いていると、ラーメンやお寿司屋さんをよく見かけました。中をのぞいてみると、ラーメンやお寿司でヴィーガン対応したものもたくさんありました。
![▲[ヴィーガン対応のラーメン]:筆者撮影 ▲[ヴィーガン対応のラーメン]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5483/main_27565dab43a9ac7c9772e26df1fad706.jpg?auto=format)
ラーメンにトッピングされている本物そっくりの卵も、ヴィーガンだそうです。
![▲[ヴィーガン対応の寿司]:筆者撮影 ▲[ヴィーガン対応の寿司]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5484/main_c0ffb99a537fcdb18d35e9af58a0ebf3.jpg?auto=format)
ローカライズされたお寿司です。見た目から多くの日本人が受ける印象よりかなり美味しいです。
ニューヨークでは日本の何倍ものスピードでベジタリアン対応が進んでおり、一般市民の間でも言葉の定義を説明できるレベルまで広がっていました。
その感覚を持った方々がオリンピックで訪日するため、日本としてもベジタリアンおもてなし対応のアップデートが、今後さらに求められることになるでしょう。
ただ、迎え入れるにあたっては「ベジタリアン=サラダではない」「和食のB級グルメが求められている」ということを意識できるかどうかで、お客様に満足して頂けるかが変わってくると感じた視察でした。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
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詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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