食の多様化対応をサポートしているフードダイバーシティ株式会社の山崎です。
今回のテーマは前回に引き続き“各国のベジタリアンニーズ”に関してです。
第2回目はアメリカ ニューヨークに迫ります。
過去記事
各国のベジタリアンニーズ【台湾編】"サラダだけ"の間違った対応をしてませんか?
「訪日ラボ」の最新インバウンドノウハウが配信されるメルマガに登録する
ベジオプションは当たり前?一般化するベジタリアン対応
現地到着後、まず向かったのが現地のスターバックス。何の変哲も無いサンドイッチやベーグルに見えますが、VegetarianやVeganの記載を発見しました。スターバックス以外にも、バーガーキングなどの一見ベジタリアンとは縁がなさそうなファストフードもVeganオプションを展開しています。
あまりにナチュラルに溶け込んでいるため、意識をしないと気がつかないこともしばしばです。
![▲[「vegetarian」と表示されたスターバックスのパニーニ]:筆者撮影 ▲[「vegetarian」と表示されたスターバックスのパニーニ]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5477/main_4e9e1c6c9f21234147f1d54420fcc998.jpg?auto=format)
![▲[「vegan」と表示されたスターバックスのベーグル]:筆者撮影 ▲[「vegan」と表示されたスターバックスのベーグル]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5478/main_cb69f834caac544602caca91d9d4460b.jpg?auto=format)
(東京でいう自動販売機と同じか、それ以上の印象です…)
![▲[ベジレストラン情報アプリ「happy cow」での検索結果]:筆者撮影 ▲[ベジレストラン情報アプリ「happy cow」での検索結果]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5479/main_2bab173d9b335158bd442e972fbe183a.jpeg?auto=format)
ベジタリアン、ヴィーガンがここまで浸透している理由
エシカルの(倫理的な)観点が大きいです。 「Cage free」(ケージフリー)や「Cruelty free」(クルエルティフリー)という表記も頻繁に見かけました。前者はケージの中ではなく、広々とした空間で飼育した家畜由来であることを意味しています。卵などについていました。
後者は「残酷感ゼロ」の意味です。動物実験などをしていない化粧品などにもついていました。
![▲[「Cruelty free」と書かれた立て看板]:筆者撮影 ▲[「Cruelty free」と書かれた立て看板]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5480/main_f7130c879dd81bf9dac8feb11de778b0.jpg?auto=format)
ご覧の通り、食だけでなく、衣服や化粧品など、ジャンルは多岐に渡ります。
また、近年ではエシカルに加えて、健康・環境問題などを背景にベジタリアンになる人が急増しているようです。
アメリカではベジタリアンでも「ふつうの」食事
ベジタリアンというと日本語で「菜食主義者」と訳すことが多く「ベジタリアン=サラダ」のイメージの方が多いのはないでしょうか。
アメリカ滞在中、5日間毎食ベジタリアン料理を頂いたのですが、葉物はほとんど食べませんでした。
所謂アメリカンフードと聞いてイメージする「フライドチキン・ウィンナー」といった「カジュアルフード」三昧でした。
植物性のお肉と聞くと何だか美味しくなさそうに聞こえますが、言われなかったら気付かないレベルまできています。
ベジタリアン=サラダを出しておけば良いという考えを改めないと、欧米圏のベジタリアンの心は掴めなさそうです。
![▲[ベジタリアンに対応したフライドチキン風料理]:筆者撮影 ▲[ベジタリアンに対応したフライドチキン風料理]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5481/main_d249ee472adedbde5ccd997df2302550.jpg?auto=format)
![▲[ベジタリアンに対応したチキン風料理]:筆者撮影 ▲[ベジタリアンに対応したチキン風料理]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5482/main_3d4663c20b302d707634aeffd2c9feb0.jpg?auto=format)
求められているのは「ヴィーガン×和食×ジャンク」のアレンジ?
訪日経験のあるアメリカ人ヴィーガンと話す機会に恵まれたので、日本に期待する対応について聞いてみたところ「ヴィーガンで和食のものがあると嬉しい。」「ただ精進料理というよりはジャンクなB級グルメが食べたい。」と答えてくれました。もちろん、これが全ての欧米ヴィーガンの旅行者に当てはまる訳ではありませんが、和食のB級グルメのニーズは高そうです。
「バーガーなどでも照り焼きや天ぷらでアレンジしたものがあれば食べてみたい」
「漫画などでよく出てくるラーメンは絶対食べてみたい」
「日本といえば寿司だよね!野菜寿司とかあるの?あったら食べたいね」
これが生の声です。
実際にニューヨークの街中を歩いていると、ラーメンやお寿司屋さんをよく見かけました。中をのぞいてみると、ラーメンやお寿司でヴィーガン対応したものもたくさんありました。
![▲[ヴィーガン対応のラーメン]:筆者撮影 ▲[ヴィーガン対応のラーメン]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5483/main_27565dab43a9ac7c9772e26df1fad706.jpg?auto=format)
ラーメンにトッピングされている本物そっくりの卵も、ヴィーガンだそうです。
![▲[ヴィーガン対応の寿司]:筆者撮影 ▲[ヴィーガン対応の寿司]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5484/main_c0ffb99a537fcdb18d35e9af58a0ebf3.jpg?auto=format)
ローカライズされたお寿司です。見た目から多くの日本人が受ける印象よりかなり美味しいです。
ニューヨークでは日本の何倍ものスピードでベジタリアン対応が進んでおり、一般市民の間でも言葉の定義を説明できるレベルまで広がっていました。
その感覚を持った方々がオリンピックで訪日するため、日本としてもベジタリアンおもてなし対応のアップデートが、今後さらに求められることになるでしょう。
ただ、迎え入れるにあたっては「ベジタリアン=サラダではない」「和食のB級グルメが求められている」ということを意識できるかどうかで、お客様に満足して頂けるかが変わってくると感じた視察でした。
【2023年インバウンド最新動向を予測】国・地域別デジタルマーケティング戦略
2022年10月からついに入国者数の上限撤廃、短期滞在者のビザ免除等が実施され、訪日観光が本格的に再開されました。
未だ"完全回復"には至っていないものの、観光地によってはすでに多くの訪日外国人観光客が訪れているところもあり、「インバウンド対策」への関心が急速に高まっています。
では、今やるべきインバウンド対策とはなんでしょうか。そしてそれを国・地域別に見ると、どういった違いがあるのでしょうか。
インバウンド対策を何から始めたら良いか悩んでいる方や、インバウンドの最新動向を知りたい方向けに
- 最新の訪日観光の状況や今後の予想
- 国・地域別のデジタルマーケティング
- 外国人向け情報発信の際に意識すべきこと
などがわかる資料を公開しています。
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!
【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる