各国のベジタリアンニーズ【台湾編】"サラダだけ"の間違った対応をしてませんか?ニーズをとらえて快適な旅行環境を提供

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食の多様化対応をサポートしているフードダイバーシティ株式会社の山崎です。

前回の投稿では「訪日ベジタリアン市場の概況」と「対応メリット」について解説しましたが、ここから先はベジタリアン対応を検討する際の「ヒント」をお伝えしていきます。今回のテーマは“各国のベジタリアンニーズ”で、国・地域別にまとめていく予定です。

第1回目は台湾に迫ります。

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「ハラール」実践本当に大切な3つのポイント
ベジタリアン対応がもたらす、予想外の大きな効果とは?
食の需要取り込みは「視点の転換」がポイントに


【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】

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実はベジタリアン大国台湾、その比率なんと13%!

台湾と聞いてベジタリアンを思い浮かべる人はあまり多くないと思いますが、実は台湾人の13%がベジタリアンと言われています。

2018年の訪日台湾人観光客は475万人ですので、掛け合わせると約60万人のマーケットがあるということになります。この数字を少ないと捉えるか、それともチャンスと捉えるかは考え方次第です。詳しくは前回の記事の後半をご覧ください。

訪日台湾人のリピーター率は81%と言われており、長い目で見てロイヤルカスタマー候補にしたい客層とも言えるでしょう。

ベジタリアン対応で予想外の集客アップが見込める理由とは?親日「台湾」で人口比13%、訪日ベジタリアンにアンケート

食の多様化対応をサポートしているフードダイバーシティ株式会社の山崎です。昨今メディアでも「ベジタリアン」をテーマにした特集を見かける機会が増えてきました。飲食・ホテル業界の方であれば「ベジタリアン対応」に関する依頼を受けたことがある方も多いのではないでしょうか。今回は「訪日ベジタリアン市場の概況」と「対応メリット」について解説します。目次現状を知る〜訪日外国人の5%がベジタリアン、2020年には200万人〜背景を知る〜なぜ、ここまでの広がりを見せているのか?〜課題を知る〜訪日ベジタリアンの...


台湾には”宗教背景”のベジタリアンが多数!そこで気をつけたい“五葷対応”〜

前回お伝えした通り、ベジタリアンになる背景は大きく4つあると考えられていますが、台湾ベジタリアンの場合は「宗教」を背景にした方が大多数です。

仏教の戒律の一つである「不殺生戒」の教えに基づき、ベジタリアンのライフスタイルを選択する方が多いようです。加えて、宗教的な理由により、台湾ベジタリアンの場合“五葷”と呼ばれる「臭いや成分がきつい野菜」を食べない人がほとんどです。
五葷:ねぎ、にんにく、にら、らっきょう、あさつき

ベジタリアンの種類に関しては「ベジタリアンとは」でも説明していますが、ヴィーガン」や「ベジタリアン台湾ベジタリアンは分けて整理する必要があります。

下の図をご参照ください。

▲[ヴィーガン、ベジタリアン、台湾ベジタリアンの違い]:フードダイバーシティ作成
▲[ヴィーガン、ベジタリアン、台湾ベジタリアンの違い]:フードダイバーシティ作成

ベジタリアン=サラダではない

▲[台湾のベジタリアンレストラン]:筆者撮影
▲[台湾のベジタリアンレストラン]:筆者撮影

こちらは台湾屈指のベジタリアンレストランです。

バイキングの中でもとりわけ長蛇の列ができていたのがこちらの商品。「山伏茸」と言われる食材で「間違えて肉を食べてしまったのでは?」と思ってしまう程、食感がチキンそっくりで驚きです。

▲[山伏茸で作られたステーキ風の料理]:筆者撮影
▲[山伏茸で作られたステーキ風の料理]:筆者撮影

この通り台湾ではきのこやこんにゃくを使った「モドキ商品」が人気です。

日本では「ベジタリアン→ベジタブル→サラダ」というイメージが先行していますが、実はそうではありません。この他にもベジタリアン対応のベーコンや刺身などバリエーションは豊富です。

▲[ベジタリアン対応したベーコン]:筆者撮影
▲[ベジタリアン対応したベーコン風の料理]:筆者撮影

▲[ベジタリアン対応した刺身風の料理]:筆者撮影
▲[ベジタリアン対応した刺身風の料理]:筆者撮影

味の好みにも注意

また味の好みですが、台湾の方が日本に来た時には「塩っぱい」と言って、お水を飲みながら食べているのをよく見かけます。

一概には言えませんが、台湾の方をおもてなしする際は塩分を控えめ、代わりに甘辛のテイストが好まれる傾向にある気がします。


今回は台湾を中心に取り上げましたが、最後のベジタリアン=サラダではない」という点に関しては、その他地域においても同じことが言えますので、是非気に留めておいていただけますと幸いです。

次回はアメリカ ニューヨークの現地レポートをお届けします。

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【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

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この記事の筆者

フードダイバーシティ株式会社

フードダイバーシティ株式会社

フードダイバーシティ株式会社 代表取締役 守護 彰浩。千葉大学卒。2007年楽天株式会社入社。2014年に日本国内のハラール情報を多言語で世界に発信するポータルサイトHALAL MEDIA JAPANをサービスイン。またハラールにおける国内最大級のトレードショーであるHALAL EXPO JAPANを4年連続で主催し、2万人以上動員。現在ではフードダイバーシティをコンセプトにハラールだけでなく、ベジタリアンヴィーガン、コーシャなどありとあらゆる食の禁忌に対応する講演やコンサルティングを行う。流通経済大学非常勤講師も務める。

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