3月24日の17時32分、タイに住む筆者のもとに、日本大使館から以下の連絡が来ました。
14時から首相府において行われたプラユット首相兼国防相の会見において,「仏暦2548年(2005年)の非常事態における統治に関する勅令」を3月26日付で適用する旨発表しました。
※現時点で外出禁止令などの具体的措置の適用については発表されていません。
今後,国内外の感染者数等の状況等を踏まえ,これらの措置が変更されることもありますので,引き続きタイ政府や関係機関等からの発表の最新の情報収集に努めて下さい。
(中略)
- 状況の改善のために広範な協力をお願いする。
- 現在,様々な情報が発信されているが,内容の真偽に注意してほしい。
上記大使館からの連絡でさえも「内容の真偽に注意してほしい」と最後の一文にあるように、タイ国内で流れている情報は、基本的に二転三転することが多く、情報が常に錯そうしています。
しかし、さすがに今回のプラユット首相兼国防相の発言はいつに増して深刻な雰囲気です。これはさすがに緊急事態到来に間違いなし、のんびりなどしてられないと思えてなりません。
日本でも今週から現実味を帯びてきた、ロックダウン(都市封鎖、屋外活動の禁止)が、実質、始まるのではないか。タイ国内の知人や海外生活者とSNSで連絡を取り合い、2日後(3月26日、木曜日)から来る非常事態に備えることにしました。
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合計10キログラム以上の食品や日用品を準備
筆者のバンコクでの住まい近郊には日系スーパーMaxValuがあります。日本米や味噌、日本メーカーのカップラーメンなどが購入できるため多くの日本人が利用しています。買物はそこですることにしました。
家の中をざっと見渡し、あれを買おうこれを買おうと道すがら整理して、とにかく今手に入れる必要がるものを頭の中でリスト化します。大人二人に小学生一人、一人二個ずつショッピングバックをぶら下げて、いざ買い出しに出かけました。
結果として、以下の食品、日用品を入手しました
- ジャスミン米5Kg
- ジャスミン米の玄米1Kg
- カップラーメン5つ
- 鶏肉や豚肉約1Kg
- 魚(ナマズ)1Kg
- ツナ缶やサバのトマト缶計10個
- 大豆500G
- 納豆4つ
- 卵1パック
- 大型の食用魚の塩漬け(SALTEDKINGFISH)や、五香冬菜などの発酵食品(常温保存可能)
- まるごとの冬瓜1つ(3キログラム程度)
- 24ロールのトイレットペーパー
- ラップ
- バナナの葉(※)
- メコンウイスキー
- チョコレート菓子
合計10Kg以上の買い物です。
※タイでは、バナナの葉を包み紙や紙皿の代わりに使います。
日持ちがしそうで現地で簡単に手に入るありふれた食材
マストバイはとにかくお米。なくなったらまずいので、買い出しの人出があるうちにまずは確保です。
「和食が恋しくなるだろうな」とは思いましたが、日本産の食べ物は最低限にしました。日本からの流通が途絶えれば、納豆などは食べることもできなくでしょうが、逆に本当に日本産の食材が手に入らなくなったときに備えたかったというのがその理由です。
これまで手に入っていたものが簡単に購入できないだけで、あれがないこれがないとパニックに陥ってしまうのは避けたいと考えました。「非常時でもパニックにならない」予行演習も、嵐の前の静けさの今だからこそ、しておきたかったのです。
案の定、日本産のラーメンなどは早めに棚からなくなっていましたし、はっきりいって割高でもあるので買うのはやめました(幸い、在住歴1年目にしてジャスミン米も現地の川魚もおいしく食べる舌がはぐくまれているので、満足度は高いです)。
軟禁生活のストレスを和らげる知恵
バナナの皮は、お皿に敷いてその上に麺類などの料理をのせて利用するつもりで買いました。軟禁生活が長くなれば食卓の緑の色どりは段々失われる可能性もあるので、まずは食卓を楽しくするために手に入れなければと思いました。また紙皿の代わりに使えば、洗い物を少なくすることもできます。
もともとバナナの葉は伐採目的で採取されます。家庭で使い捨てにしてこそ意味がある、サステナブルなものです。このような緊急時にも一役買ってくれる頼もしい存在を利用しない手はありません。
ツナ缶やサバのトマト缶は説明の必要はないでしょう。非常食の定番です。
一説によるとタイのツナ缶は世界一の生産量で、世界のツナ缶相場はタイが握っているそうです。10種類以上のメーカーが価格と品質でしのぎを削っており、しばしば現地の奥様向けフリーペーパーでも話題になります。この際楽しく食べ比べしようと決めました。
SALTEDKINGFISHや五香冬菜は、自炊で使用したことはありませんが、とびきりおいしい食べ方を料理本で見かけたことのある、いわば憧れ食材です。調理方法はあとで詳しく調べ、必要なものは明日買えばいいやと思って衝動買いしました。
長い軟禁生活でも新たな食の発見があれば、知的好奇心が満たされます。筆者のように市場やエスニックフードの開拓が大好きな食オタクには、こうした食材は軟禁生活においても必要不可欠でしょう。
タイ・バンコクの軟禁生活の心配ごとは?
筆者にとっては目下、日々の健康管理とバンコクへの食品の物流が主な心配ごとですが、タイで働く日本の会社員にとっては、まずはとにかく日々目の前で起こる仕事のことに心配が尽きない日々となっているようです。
バンコクとその周辺には、タイの製造業をクライアントに持つ日本企業の現地法人も多くなっています。コロナの騒ぎが起こってからは特に、仕事の人間関係のちょっとしたすれ違いや、異文化を背景にしたコミュニケーション上の苦労が顕在化しているようです。
ソフトウエアエンジニア(39歳日本人会社員男性)は「いきなり会議がキャンセルされたりすることも相次いでいる。日本の会社であっても先方がリモートワークに慣れていないせいか、ドタキャンなどもあっていつもより仕事がやりづらい」と話しています。
公的サービス、施設や学校はどうなっているか
![▲[街中の薬局は営業を続けています]:筆者撮影 ▲[街中の薬局は営業を続けています]:筆者撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6010/main_90599175_200539061233078_7456484914335055872_n__1_.jpg?auto=format)
プールやジムは閉鎖され、会員には利用不可能のお知らせメールが届いたようです。
また、飲食店はすべてテイクアウト営業のみとなっています。普段客席で使っているテーブルの上に椅子を乗せた状態の店内が見えます。
多くの学校では春休み中のため、学校はお休みです。バンコク日本人学校は、新学期の開始については学校の公式サイトで通知を出しており、延期するようです。
新型コロナウイルスへの対応状況が日々刻々変化しており、色々とご不安に感じていらっしゃることと思います。既に小学部新 1 年生と中学部新 1 年生は 4 月 25 日(土)から、他の学年は 4月 24 日(金)から 1 学期を開始する予定、ということをご案内しておりましたが、それも大変難しい環境となってまいりました。
タイ政府は学校での感染を防止するために様々な厳しい規制を設けており、現在、タイ国内の全ての学校に対して臨時休校とするよう指示が出されています。本校は春休み期間に入っていますので、現時点での直接の影響はありませんが、タイ政府から臨時休校措置の解除連絡があるまでは通常の形での登校・授業を行うことができませんので、1 学期の登校をいつから開始できるのかが見通せない状況にあります。
教科書の配布については言及されていますが、その配布方法については明言されておらず、授業の開始時期についても案内はありません。保護者で不安を募らせない方はいないでしょう。新学期が5月にずれ込む可能性もあります。
異例措置として目立つことと言えば、学校のホームページには「退学届け」についても、かなり詳しくお知らせがあることがあげられます。退学の手続きも、タイ政府による入国規制や休校措置をかんがみ、メール提出を受理する特別対応に出ています。
これは先行き不安なタイ情勢の中で暮らすよりも、早々に日本に引き揚げたほうが子どもの学習や家族の生活の安全が守れると判断した、日本に帰国を決めた家族向けのお知らせだと思われます。
筆者はなんとか工夫すればタイでもやっていけると判断して在留していますが、このままずっと自宅学習で本当に子どもの学習が遅れず大丈夫なのか?という思いはもちろんあります。
非日常の中で「いつもと同じ」を続ける
先の見えない不安はまだまだ続きますが、とにかく元気でいなければ未来の事も描けません。手洗いうがいや、食事と睡眠、そしてみだしなみなどを、いつもと同じよう整え、自分に快適な状態を保つべきでしょう。
人とのつながりを大切にし、ストレスも適宜発散しつつ体調管理を最優先して生活したいと思います。
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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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