昨年2019年より、働き方改革、そしてオリンピック開催時の交通機関の混雑緩和を狙いに、各企業ではリモートワーク導入の積極的な検討が進んでいました。
こうした風潮の中でも、首都圏の通勤ラッシュの劇的な改善は残念ながら特に見られなかったようです。ところが、年が変わり2020年、中国での惨状が報じられていた新型コロナウイルスの流行が、日本でも始まってしまいました。
感染拡大を防止することの重要さは、日々報道やSNSで伝えられています。こうした中で、大手も含め、多数の企業が在宅勤務やリモートワークに踏み出したようです。
生産性の向上など、ポジティブなイメージがある在宅勤務ですが、対面でないからこそ気にしなければいけないいくつかのポイントがあります。今回は、在宅勤務やリモートワークの際に便利なオンラインツールや、意外な懸念点を整理してみました。
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こんなにあった!在宅勤務に役立つ、オンラインツール
在宅勤務、リモートワークでまず必要なのがコミュニケーションツールです。チャットアプリの利用が拡大しています。メールや電話などの、一対一のコミュニケーションを前提としたツールと違い、複数名でやり取りしやすいのが特徴です。
日間アクティブユーザー数が世界で1,000万人を超えるSlack(スラック)、日本発のきめ細かなサポートが評判のChatwork(チャットワーク)、マイクロソフト製品のTeamsなど様々なツールがあります。
社内でのやり取りではこうしたサービスを一つ利用すれば、データの共有や、音声や映像でのやりとり、画面の共有を円滑に進められるでしょう。
こうしたサービスはどれもインターネットがあれば、ウェブブラウザからアクセスして、あるいはPC用のデスクトップアプリから利用できます。スマホやタブレットなど異なる電子機器からも管理できる点も利点です。
1. テレビ会議システム
外部との会議では、ビデオ通話サービスの活用が進んでいます。互いの顔を映しながら会話できますが、カメラのオンオフを自分で設定すれば、音声だけで会話に参加することも可能です。テキストやデータの送付、画面の共有もできます。
ただし、こうしたシステムは「同時に何名まで接続できるか」「利用時間の上限がないか」を確認する必要があります。
これまでも無料プランで便利な機能を使えるとして、遠隔地とのコミュニケーションに活用されてきたのがZoomです。会議を主催するユーザー以外は、ユーザー登録がなくともワンクリックでミーティングスペースにアクセスできる利便性がポイントです。
また人数も、無料でも100名まで同時接続可能でかなり大規模な会議・イベントで活用できます。無料プランの場合、3名以上の場合は、制限時間が40分となります。
同じくWherebyも、主催者から送られたリンクをクリックするだけで、ユーザー登録をしていない参加者も会議に参加できます。
無料アカウントでも複数名でのコミュニケーションに時間制限はありませんが、同時に4人までの参加に限られます。
2. GoogleのG Suiteが上位機能を無償で提供
今や世界の隅々にまでそのサービスの手を広げているGoogleも、今回の事態に特別なサービスの提供を打ち出しています。
Googleが提供するビジネスツール「G Suite」は有料のサービスですが、この有料プランのうち最も上位のサービスを7月1日までの期間限定で、すべてのG Suiteユーザーに提供することを3月3日に発表しています。
無償で提供される機能は以下の3つです。
- 最大250人が同時参加できるビデオおよび音声会議(Hangouts Meet)
- ドメイン内での最大10万人に配信できるライブストリーミング
- Googleドライブへの会議記録
これをきっかけに「G Suite」を導入する企業や組織も出てくるのではないでしょうか。
3. オンラインストレージ
オンラインストレージとしてはGoogleドライブやDropboxといったサービスが普及しており、今回のリモートワークの際にも活用されていると考えられます。
個人のアカウントで利用している場合でも、社用のアカウントを開設する場合にも、不正アクセスを防げるよう、ある程度の知識のある人が利用方法をレクチャーする必要があるでしょう。
4. タスク管理ツール
リモートで進める業務の進捗を共有するための「タスク管理ツール」も様々なオンラインサービスが提供されています。
無料で使えるAsanaやTrello、Todoistといったものから、マイクロソフト製品のMicrosoft Plannerなどがあります。
在宅勤務やリモートワーク、意外と困るこんなこと!
先に触れたオンラインツールを業務に導入する場合には、利用条件の事前把握や、セキュリティ確保に対する意識をそろえることが大切になってきます。
導入までを何とか乗り越えたとしても、実際に運用を始めてみると、ハード面、人間関係の面で予想していなかった事態に見舞われることもあるようです。
ハード面での思わぬ出費
在宅勤務で、先に紹介したようなオンラインツールを利用しようとすると、実はカメラやマイクが必要と気づくことがあります。PCにはマイクやカメラがついていることも多いですが、長期間利用しているものの場合、不調であったり、備わってなかったりします。こうした機器をそろえるのは思わぬ出費となるでしょう。
安定したインターネット回線の確保も欠かせません。Web会議中に、何度も接続が切れてしまうようではコミュニケーションロスになり、相手への心象も悪くなってしまうでしょう。また、インターネットを使った調べものやオンラインでの作業スピードにも影響を与え、業務そのものの効率も下げてしまいます。
また、対面でのWeb会議の場合、自宅内で映り込んでいい場所を確保することも求められます。前述のZoomであれば、バーチャル背景を設定することもできるため、顔は合わせたいが部屋は見せたくないという場合に便利です。
バーチャル背景機能を使用すると、Zoomミーティング中に背景として画像を表示することができます。
ハード面以外にはこんな懸念も
オフィスではその場ですぐに確認できることも、リモートワークや在宅勤務であれば、チャットを通じて行うしかありません。相手の状況が見えないため、一つの事項の確認を完了するまでに対面以上の時間を要してしまうかもしれません。
テキストベースでのやり取りが増えるリモートワークや在宅勤務の場合は、相手の立場を想像して、アウトプットのタイミングや形式を配慮する態度が必要です。
またWeb会議や音声でのやりとりでは、相手の表情や話を切り出す雰囲気など、対面以上に読み取りづらいという特徴があります。相手に聞きとりやすく、理解されやすい話し方や態度を心掛けるべきでしょう。
また、自宅以外の外部からのWeb会議の参加やオンライン面談といった音声でのコミュニケーションでは、情報が周囲に聞こえてしまう可能性を忘れてはならないでしょう。
働き手としての不安は…「どう評価される?」「何が評価される??」
働き手としては、何をしているかが見えづらいため「何がどう評価されるのか」ということが不安になると考えられます。
前述したコミュニケーションツールを活用し、よりこまめな情報共有とクイックレスポンスを意識することで、実際に目の前にいなくても仕事をしているということ同僚や上司に伝えられるでしょう。
また、「何にどれくらい時間を使ったのか」「どのような成果を出すために使った時間なのか」を明確にし、1時間単位などで何をしたかを報告できるようにしておいたり、在宅勤務を始める時点でその日のゴールを設定し共有したりすれば、同じ空間で仕事をしている状況により近づけられると考えられます。
管理側にも、コミュニケーションロスによりマネジメントが行き届かないという不安があるかもしれません。前述のプロジェクト管理ツールの活用とコミュニケーションツールでのこまめなやり取りが、不安解消の大きな鍵となります。
リモートワークがより普及する近い将来に向けて、練習の期間に
現在は新型コロナウイルスの感染拡大防止策として推奨されている在宅勤務ですが、今後も、交通機関の混雑の緩和や育児や介護との両立等を目的にこうした形態で業務を遂行することも多くなると考えられます。
また、オンライン上のやり取りは、海外の取引先を相手に発生することもあるでしょう。今後の業務ではリモートがベースになる場合もあると考え、このリモートワークの期間を過ごせば、より多くの気づきを得ることができ、有意義な時間となるはずです。(実際に海外とやり取りする場合には、中国など通信環境によって利用できるツールが限られてしまうこともふまえて、利用するツールを選択する必要があります。)
テレビ会議システムの代名詞となりつつあるZoomでは、新型コロナウイルス流行阻止の動きへの支援として、「効率的なリモートワーク」を実現するための指南を公式サイトで公開しています。こうした資料を活用すれば、この先のビジネスを乗り切るために必要な基礎体力も付けられるはずです。
<参照>
BOXIL:リモートワークに必須のツール18選-実施企業が選ぶカテゴリー別おすすめ
DIAMOND online:在宅勤務やテレワークで成果を出し、評価されるための5つのポイント
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ITmedia:Google、新型コロナ対策として全「G Suite」で250人ビデオ会議機能などを無料提供
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