飲食店に外国人スタッフは必要?意外と低い「多言語化」のハードル

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2019年の訪日外国人数は3,188万人を突破し、統計以降過去最高値を記録しました。観光地は当然ながら日本各地の飲食店でも、訪日外国人が利用しやすい店舗作りが求められています。

店舗の場合、日頃の経営や営業で時間を確保できず、対応が追い付かない場合も多いそうです。そこで、ピンポイントで課題を解決できる効果的な対策への需要が高まっています。

2020年は新型コロナウイルスの関係で、訪日外国人は激減し、国内の外食市場も痛手を受けています。現在はGo To キャンペーンのGo To EAT事業がスタートしたことで、市場の回復が期待されているところです。

まだまだインバウンド市場の回復までは時間がかかりそうですが、2021年にはオリンピック開催も予定されており、同年以降あらためて日本の観光立国化は進むと考えられます。

市場が縮小している現在を、インバウンド受け入れ環境整備のための時間としてとらえることもできます。

本記事では飲食店に焦点を絞り、訪日外国人に満足してもらうためのインバウンド対策を解説します。

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「飲食店のインバウンド対策に関する意識調査」5割の飲食店が対策なし

TableCheckが、20〜50代の飲食店に勤務する全国の男女534名を対象に、2020年に実施した「飲食店インバウンド対策に関する意識調査」では、全体の75.7%が訪日外国人の来店があると回答したにもかかわらず、インバウンド対策の実施状況については、全体の53.9%が「特になにもしていない」と回答しています。

訪日外国人の来客率は高いため対策は行いたいが、具体的に何をしたら良いのか迷ってしまった結果、対策は後回しになっているのが現状です。

さらに、「ほぼ毎日」訪日外国人が来店すると回答した飲食店は15.9%で、毎月1〜2回以上訪日外国人が来店する飲食店の括りでは、全体の50%の飲食店が当てはまります。

日頃訪日外国人が来店している飲食店でも、インバウンド対策をしていないために、単価アップや次回の旅行で利用するリピーターの獲得まで至っておらず、取りこぼしがありそうです。

インバウンド対策を実施して良い口コミを得られれば、次に訪れる訪日外国人へのアピールにも繋がります。

訪日外国人の飲食店利用時の不安、場面ごとに解消

外国語圏の国では、飲食店利用時に「食べたい料理を注文できるのか」「求めていない値段層の飲食店ではないか」などの不安は常にあります。

そのような場合に、自分の馴染みのある言語があるだけで、随分と訪れやすくなるものです。自分が海外に行って感じた不安点を、インバウンド対策に反映する方法もあるでしょう。

入店時、注文時、滞在時など、場面を切り分けて対策を考えていくと具体的な対策が見えていきます。

飲食店の訪日外国人対応、3つのポイント

訪日外国人飲食店利用を促進する3つのポイントを整理します。

1. 多言語メニューは基本的かつ効果の高い対策

増加していく訪日外国人の需要に向け、効果の高いインバウンド対策の一つが「多言語メニューの導入」です。

TableCheckのアンケートによると、最も効果のあったインバウンド対策は、「外国語表記・写真付きメニューを用意した」の18.9%です。

料理を選ぶ際に、写真なしの日本語メニューだけでは、事前に公式サイトや口コミをチェックするしかなく、それができなければスタッフに尋ねることになります。

上手く説明できなければ、最低限の料理しか注文できず、満足度は下がってしまいます。

日本語と多言語の壁をなくす対策は、特に効果が高いといえます。

2. ニーズを正しく読み解く:高度なコミュニケーションは不要

観光庁が2019年に発表した「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」結果によると、旅行中に最も困ったことは、「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」の26.1%となっています。

TableCheckのアンケートでも「接客時の外国語でのコミュニケーション」は、過半数に近い48.5%の飲食店が課題だと感じると回答しています。飲食店訪日外国人に共通する課題です。

しかし、訪日外国人が求めるコミュニケーションは決して高度なものではありません。

実際に日本の飲食店利用経験のある外国人は「基本的には多言語(英語表記)メニューで助かっているが、注文に必要な最低限のコミュニケーションができれば充分」と話します。

こうした指摘からは、飲食店には、必ずしもネイティブスピーカーや外国語が話せる従業員が必要ではないという気づきが得られます。

コミュニケーションに不安があっても、あらかじめ指差し会話ができるツールを用意するなどして、言語レベルを補助することもできます。

3. キャッシュレス決済も求められている

キャッシュレス決済の導入も、訪日外国人に対してアピールできるポイントになります。

日本独自の電子マネーではなく、クレジットカードに対応するだけでも、訪日外国人にとっては利便性が大きくアップするといえるでしょう。

訪日外国人が満足する多言語対応、ハードルは意外と低い

訪日外国人は今後も増加が予想され、必然的に飲食店への来店も増えると考えられます。インバウンド対策を行なっていない飲食店は、売上拡大のためにも、まずは多言語メニューを取り入れてみましょう。

多言語メニューは自分たちで翻訳し準備するには時間がかかりますが、タッチパネルで電子化するなど、テクノロジーを活用して人力に頼らないインバウンド対策も行えます。

さらにコミュニケーションの意識を変え、英語での簡単な接客フレーズをスタッフに周知するなど、重圧を感じさせないスタッフ教育も効果的でしょう。

そして可能ならば、訪日外国人にも利用可能なキャッシュレス決済を導入しましょう。

新型コロナウイルスの影響で日々の営業も自粛せざるを得ず、飲食店では訪日外国人の対応を考える余裕のないところもあるでしょう。

しかし、2021年に東京オリンピックの開催が予定され、これから先再びインバウンド市場が盛り上がることは十分に期待できます。

実務に追われない今を、着手したくてもできなかった情報収集や店舗やサービス提供の環境整備に注力できるタイミングと捉えなおし、この先の戦略を練るなどできることから取り組んでいくべきでしょう。

<参照>

・JNTO:2020年 訪日外客数(総数) 

・PR TIMES:インバウンドによる売上増望むも、5割超の飲食店が対策なし。インバウンド対策実施店舗では、効果を実感(TableCheck調べ)

・観光庁:「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」結果


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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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