外国人向けに飲食店が取り組むべき「多言語×食事」3つのポイント インバウンド低調の今が準備時

公開日:2020年04月15日

2019年の訪日外国人数は3,188万人を突破し、統計以降過去最高値を記録しました。観光地は当然ながら日本各地の飲食店でも、訪日外国人が利用しやすい店舗作りが求められています。

店舗の場合、日頃の経営や営業で時間を確保できず、対応が追い付かない場合も多いそうです。そこで、ピンポイントで課題を解決できる効果的な対策への需要が高まっています。

現在は新型コロナウイルスの関係で、日本全体で店舗利用の自粛が進められています。これまで着手できなかった課題の解決策を考える良いタイミングといえるでしょう。

本記事では飲食店に焦点を絞り、訪日外国人に満足してもらうためのインバウンド対策を解説します。


Googleマップによる集客、うまく活用できていますか?
口コミサイトで、もっと集客できるようにするサービス「口コミコム」でGoogleマップからの来店を約2倍に
詳しく見る >


インバウンド対策を望むも、5割の飲食店が対策せず

TableCheckが、20〜50代の飲食店に勤務する全国の男女534名を対象に、2020年に実施した「飲食店のインバウンド対策に関する意識調査」では、全体の75.7%が訪日外国人の来店があると回答したにもかかわらず、インバウンド対策の実施状況については、全体の53.9%が「特になにもしていない」と回答しています。

訪日外国人の来客率は高いため対策は行いたいが、具体的に何をしたら良いのか迷ってしまった結果、対策は後回しになっているのが現状です。

さらに、「ほぼ毎日」訪日外国人が来店すると回答した飲食店は15.9%で、毎月1〜2回以上訪日外国人が来店する飲食店の括りでは、全体の50%の飲食店が当てはまります。

日頃訪日外国人が来店している飲食店でも、インバウンド対策をしていないために、単価アップや次回の旅行で利用するリピーターの獲得まで至っておらず、取りこぼしがありそうです。

インバウンド対策を実施して良い口コミを得られれば、次に訪れる訪日外国人へのアピールにも繋がります。

基本的な対策かつ効果の高い「多言語メニュー」

増加していく訪日外国人の需要に向け、効果の高いインバウンド対策の一つが「多言語メニューの導入」です。

TableCheckのアンケートによると、最も効果のあったインバウンド対策は、「外国語表記・写真付きメニューを用意した」の18.9%です。

料理を選ぶ際に、写真なしの日本語メニューだけでは、事前に公式サイトや口コミをチェックするしかなく、それができなければスタッフに尋ねるでしょう。上手く説明できなければ、最低限の料理しか注文できず、満足度は下がってしまいます。

日本語と多言語の壁をなくす対策は、特に効果が高いといえます。

来店する外国人、不安はどこに?

外国語圏の国では、飲食店利用時に「食べたい料理を注文できるのか」「求めていない値段層の飲食店ではないか」などの不安は常にあります。

そのような場合に、自分の馴染みのある言語があるだけで、随分と訪れやすくなるものです。自分が海外に行って感じた不安点を、インバウンド対策に反映する方法もあるでしょう。

入店時、注文時、滞在時など、行動を切り分けて対策を考えていくと具体的な対策が見えていきます。

メニューの多言語化の効果の高さは説明したとおりですが、店内表示や店先のメニューボードの多言語化は意外と抜け落ちているところです。

そのほか効果が見込めるインバウンド対策は?

キャッシュレス決済の導入も有効です。日本独自の電子マネーではなく、クレジットカードに対応するだけでも訪日外国人には効果が見込めます。

高度なコミュニケーションは求めていない

観光庁が2019年に発表した「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」結果によると、旅行中に最も困ったことは、「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」の26.1%となっています。

TableCheckのアンケートでも「接客時の外国語でのコミュニケーション」は、過半数に近い48.5%の飲食店が課題だと感じると回答しています。飲食店と訪日外国人に共通する課題です。

しかし、訪日外国人が求めるコミュニケーションは決して高度なものではありません。

筆者知人である日本在住の外国人女性によると、「基本的には多言語(英語表記)メニューで助かっているが、注文に必要な最低限のコミュニケーションができれば充分」とのことです。

基本的な英語教育を受けているはずの日本人ですが、自信がなさすぎるのかもしれません。慣れない言語で一生懸命理解しようとしてくれる姿勢は、訪日外国人にも伝わるはずです。

コミュニケーションに不安があっても、多言語メニューや他の対策と組み合わせることで、言語レベルを補助することもできます。言語の壁を重圧とせずに、インバウンド対策を進めていくことが大切です。

実は低い多言語対応のハードル、新型コロナの今だからこそ情報取集を

訪日外国人は今後も増加が予想され、必然的に飲食店への来店も増えると考えられます。インバウンド対策を行なっていない飲食店は、売上拡大のためにも、まずは多言語メニューを取り入れてみましょう。

多言語メニューは自分たちで翻訳し準備するには時間がかかりますが、タッチパネルで電子化するなど、テクノロジーを活用して人力に頼らないインバウンド対策も行えます。

さらにコミュニケーションの意識を変え、英語での簡単な接客フレーズをスタッフに周知するなど、重圧を感じさせないスタッフ教育も効果的でしょう。

そして可能ならば、訪日外国人にも利用可能なキャッシュレス決済を導入しましょう。

新型コロナウイルスの影響で日々の営業も自粛せざるを得ず、飲食店では訪日外国人の対応を考える余裕のないところもあるでしょう。しかし、2021年に東京オリンピックの開催が予定され、これから先再びインバウンド市場が盛り上がることは十分に期待できます。

実務に追われない今を、着手したくてもできなかった情報収集や店舗やサービス提供の環境整備に注力できるタイミングと捉えなおし、この先の戦略を練るなどできることから取り組んでいくべきでしょう。

<参照>

・JNTO:2020年 訪日外客数(総数) 

・PR TIMES:インバウンドによる売上増望むも、5割超の飲食店が対策なし。インバウンド対策実施店舗では、効果を実感(TableCheck調べ)

観光庁「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」結果


口コミコム - Googleマップからの来店を約2倍に


関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!