日本屈指のリゾート地「沖縄」は、2000年に開催された第26回主要国首脳会議(通称:沖縄サミット)を契機に、海外からの観光客が増加しています。
台湾や韓国・ビザの規制が緩和された中国からは、特に多くの観光客が訪れており、沖縄における外国語対応にも変化を与えています。これまでの英語を中心とした外国語対応から、中国語や韓国語での情報提供やコミュニケーションへとシフトしていっています。
最近では空路以外に、海路での訪日外国人観光客が増えています。2019年度のクルーズ船寄港は260回と全国最多(参考:国土交通省港湾局産業港湾課)を記録しています。
2018年度の外国人観光客数は290万3800人と、こちらも過去最高となっています(参考:沖縄県文化観光スポーツ部観光政策課)
沖縄を訪れる外国人の多くが、買い物を楽しんでいます。株式会社サンエーパルコが運営する「サンエー浦添西海岸パルコシティ」も、こうした多くの訪日外国人観光客が利用する商業施設の一つです。
同施設では、ご来店いただくお客様の利便性を高めるため、お客様のお呼び出しなどを外国語で発信するためにUSEN-NEXT GROUPの株式会社 USENが提供する、「USENおもてなしキャスト アナウンスアプリ インフォ」(以下、おもてなしキャスト)を導入しています。
今回は、沖縄県最大級の商業施設「サンエー浦添西海岸パルコシティ」のインフォメーション担当者、株式会社サンエーパルコ インフォメーション担当 金城様に、おもてなしキャストの導入経緯や、導入後の感想についてインタビューしました。
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サンエー浦添西海岸パルコシティとは
東アジア最大の米軍兵站基地があるキャンプ・キンザー地域開発事業の一環として、約一年前の2019年6月27日にオープンしました。テナント数は250で、その約40%が沖縄県初出店のテナントです。沖縄らしさを感じられるグルメや伝統品のお店もあり、オープン以来、多くの観光客に選ばれるショッピング、観光スポットとなっています。
那覇市内から離れた立地ですが、シャトルバスなどを利用し多くの方にいらしていただいております。
また、フードコートや展望デッキからの景色も、観光客の心を引き付けています。施設から外を見ると、沖縄らしいエメラルドグリーンの海が目の前に広がります。思わずSNSへ投稿したくなる「インスタ映え」スポットです。
おもてなしキャストを選んだ理由
訪日外国人対応スタッフとして中国語と英語のスタッフはいますが、シフトの関係や春節などで不在になる時期もあり、不在時の対応について模索していました。特に夜は訪日外国人対応スタッフが不在のことが多くなってしまいます。ところが、夜に寄港した団体様がそのまま来店くださることもあり、こうした際にスムーズなご案内ができず、苦労することもしばしばありました。
また、テナント店舗内で海外のお客様対応ができない場合、施設内インフォメーションに応援を求められることもあります。応援にかけつけることで、インフォメーションに外国語スタッフが不在になることがあります。
不在時用に翻訳機を導入し対応していますが、翻訳された内容が正しいか判断がつかないことに、現場では不便さを感じていました。
また同様の理由で、全館放送には向いておらず、最初から必要なアナウンスが収められている「おもてなしキャスト」が活躍しています。
「おもてなしキャスト」利用シーン
サンエー浦添西海岸パルコシティで、「おもてなしキャスト」を利用するシーンは、主に4つに分類できます。
1. 台風等による、営業時間の変更
沖縄は台風などの影響により急遽営業時間を変更することがあります。
「おもてなしキャスト」には臨時閉店のアナウンスが標準搭載されているので、状況に合わせたアナウンスを流すことができるので助かっています。
2. お客様への「お言付け」
お買い上げいただいた商品を渡し忘れた、クレジットの控えを渡し忘れた、人とはぐれ待ち合わせしたいなど、お客様への「お言付け」アナウンスも使用することが多いです。
3. 迷子の呼び出し
団体でいたらした場合の迷子の呼び出しも放送頻度が高いです。
4. お車の呼び出し
車で来られるお客様も多いことから、お車の呼出しを放送することもあります。
多言語対応の現場で何が起きている?追加してほしいフレーズ
実際に利用してみて、これがあったらさらによいと感じるフレーズもあります。
1. 迷子の呼び出しの際の「特徴」
迷子の呼出しでは、上着は放送できるのですが、絞り込むには情報が少なく「ズボン」や「靴」などの情報があると便利だと思います。
選択できる項目は「長袖」「半袖」「長ズボン」「半ズボン」程度で種類までは細かく必要ないと思います。
パルコシティでは「●色の長袖、▲色の長ズボン、■色の靴をお召しになったお子様」というように種類別の色を重視しています
2. 待ち合わせやお言付けで「テナント名」
待合せやお言付けでは、テナント名が流せると良いと思います。
例えば商品の渡し忘れの場合、インフォメーションにて呼出しと内容説明をし、テナントへ向かっていただく流れになります。
お客様がいらしたときにインフォメーションに外国語スタッフがいるとは限らないので、直接テナントへご案内できれば手間が省けるので良いと思います。
3. 臨時閉店→次の営業時間の案内
臨時閉店の告知をした場合、次の日の営業時間案内をしたいのですが、今は入っていないのでと問合せをいただくことがあります。
そのため臨時閉店告知の最後に次の日の営業時間を案内できればさらに使いやすくなると思います。
4. 免税カウンターの営業時間
免税カウンターの対応時間案内ができると良いです。施設自体の営業時間は22時までですが免税カウンターは21時30分までしか対応していません。
閉店間際に来られるお客様がお困りのこともあるので、免税カウンターの営業時間があると更に使いやすくなると思います。
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