ドイツ人に贈る日本のお土産 | おすすめと注意すべき点は?

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近年、ドイツ人の旅行先として日本が注目を集めています。日本政府観光局のデータによると、2014年の訪日ドイツ人の人数は140,254人であったのに対し、2018年には2014年の約1.5倍となる215,336人を記録するなど、ドイツからの訪日者数はここ数年右肩上がりで伸びています。

旅行先としての人気の背景には、ドイツ国内での日本食ブームなどが挙げられますが、日本の食文化は実はあまり知られていない部分も多く、ドイツ人へのお土産やプレゼント選びの際には慎重に検討する必要があります。

本記事では、ドイツ人の友人・知り合いなどと良好な関係を構築・維持するため、喜ばれるお土産と気をつけるべきポイントについて解説します。

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ドイツ人の日本に対する認識

ここ数年で訪日ドイツ人が急増している背景には、菜食主義者を中心としたヘルシーな日本食への高い評価や、世代を超えて愛される日本のアニメ・マンガなどがあるとされます。ドイツ人の日本に対する認識を押さえることが、インバウンド施策を講じる上での第一歩となります。

日本食の高い評価

日本の人気を下支えする要素として、ドイツ国内で日本食への注目が高まっていることが挙げられます。

ドイツでは、ヴィーガンやベジタリアンといった菜食主義者が人口の大きな割合を占めており、2014年にNPO法人アニマルライツセンターが行った調査によればベジタリアンはドイツ人口の8〜9%、ヴィーガンは1%と、ドイツでは実に10人に1人が菜食主義者となっています。

昨今のエシカル・ムーブメントも相まって近年肉食離れが顕著なドイツでは、動物性の材料が入っていない料理として大豆を使った豆腐やカラフルな野菜を酢飯で巻いた「寿司ロール」といった日本食が注目を集めており、日本の食文化全体に対する評価を高めています。

アニメ、マンガの強い人気

食文化に加え、日本のアニメやマンガといったポップカルチャー人気も見逃せません。

ドイツでは日本発のアニメやマンガが高く評価され、また受け入れられており、若年層で親しまれているワンピースやナルトに加え、ドラゴンボールやセーラームーン、ハイジといったアニメは世代を超えて愛されています。

ほかにもドイツでは2002年から毎年1回、デュッセルドルフのライン川沿いでドイツと日本の文化交流イベント「日本デー」が開催されており、1日の来場者数は60万人を記録するなど、ドイツを代表する一大イベントとなっています。

この「日本デー」では、日本の折り紙や着物試着、書道や武道などの伝統文化を楽しめるほか、近年ではアニメや漫画、ビジュアル系アーティストなどのコスプレを楽しむ参加者の姿が目立っており、「日本デー」のイベントとしての趣旨が変わってきています。

このように、ドイツ国内における「日本デー」の人気ぶりは、日本に対するアニメや漫画といったポップカルチャーのイメージ定着に寄与したといえるでしょう。

日本旅行がよりドイツ人に選ばれるようになってきた理由

環境問題に関心の高いドイツでは、アウトドアなど自然と触れ合うアクティビティを好む人が多く、週末は街に出るよりも、森の中で家族や友人とウォーキングやサイクリングを楽しむ国民が多いことが特徴です。

そのため、旅行先として選ぶ国も自然豊かな国やアウトドアアクティビティが楽しめる国が好まれ、中でも桜や新緑、紅葉など自然が季節によって大きく異なる表情を見せる日本は、魅力的な国として近年人気が高まっています。

加えて、ドイツにはスパやサウナ文化が存在し、日本独特の温泉文化と親和性が高いことも、旅行先としての人気を下支えしています。

喜ばれるお土産とは?

ドイツ人に喜ばれるお土産には、定番の菓子類に加え、筆ペンといったニッチな文房具からアニメグッズまで、実に様々なものがあります。

「菓子類」「文房具」「日本らしさを感じるもの」という3つの切り口から解説します。

抹茶チョコレートやカステラなどドイツでも馴染みのある菓子

観光庁による訪日外国人消費動向調査の2019年分データによると、訪日ドイツ人が「一番満足した購入商品」ではカテゴリー別で菓子類が1位となっています。

中でもカステラの人気は高く、ドイツ人にも食べやすい味・食感でありながら、和の雰囲気を感じられる点が人気の理由となっています。

抹茶味のチョコレートもお土産としては定番です。抹茶味がドイツで広く受け入れられていることに加え、日本のチョコレートは総じておいしいと評判であることからよくお土産として選ばれています。

ただし、定番であるがゆえに、よく日本人からお土産をもらうドイツ人に渡した場合「またこれか」と思われてしまう可能性も否めません。

アルコール好きのドイツ人にはお酒のお土産も喜ばれます。ドイツでは、食後にテーブルを囲んでお酒を嗜む文化があり、リキュールや果実酒などを楽しむ人が多いため、日本の梅酒は男女問わず人気があり、喜ばれるお土産の一つです。

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筆ペンや多機能ボールペンなど高性能な文房具

文房具の中でも人気が高いお土産は、筆ペンです。

そのままでも十分に喜ばれますが、渡す際に一工夫し、相手の名前を当て字の漢字で書いた上で使い方についても紹介すると、もの珍しさからさらに喜ばれます。また、日本の書道文化を伝えるきっかけにもなり、お土産に最適です。

筆ペン以外に人気が高いお土産は、4色の多機能ボールペンです。

ドイツには有名な文房具メーカー「LAMY」がありますが値段が高く、4色以上の多機能ボールペンになると6,000円を超える金額となっています。一方、日本のボールペンは機能性が高いうえに値段もお手頃であり、渡す側の負担を抑えられるばかりでなく、受け取る側にとっても実用的で普段使いに重宝します。

食器やアニメグッズなど日本らしさを感じるもの

食品・文房具と並び、日本らしさを感じるお土産も高い人気を誇っており、具体的には次に挙げる3つが好評です。

1つ目は日本茶です。ドイツ市場で最も大きなシェアを誇るのは中国茶ですが、近年日本茶の人気が高まりつつあり、ドイツの対日本緑茶輸入額は、2015年には前年比21%増の960万ユーロを記録しています。

安価な中国茶と比較し、日本茶は高級品と位置付けられていますが、日本食ブームも後押しする形で健康飲料としての人気は高まりつつあります。ドイツ人の嗜好性にあったマイルドな茶葉が特徴の日本茶は、日本らしさを感じるお土産として最適です。

2つ目は食器です。先述の通りドイツでは日本食ブームが到来しており、日本食はドイツ国民に広く知られています。使い方を説明した上で日本食にあう日本の食器をお土産として渡すと、実用性と希少性から喜んでもらえるでしょう。

3つ目はアニメグッズです。日本のポップカルチャー人気は高く、現地で今話題のアニメやマンガを事前にリサーチし、関連するグッズやなかなか手に入らない商品を渡すと効果的です。ただしビジネスの場では不適切な場合もあるため、渡す際には注意が必要です。

気を付けるべきお土産

日本食に関心の高いドイツ人ですが、日本食であれば何でも良いかというと、そうではありません。

食習慣や嗜好性、文化の違いから、受け取りを拒否されてしまうケースもあり得るため、事前にドイツ人が苦手なポイントを押さえた上で慎重に選ぶ必要があります。ただし、個人によっては好まれるケースももちろんあるため、あくまで一般的な解釈として解説します。

独特な見た目と匂い

ドイツ人の嗜好の特徴として、甘いものを好む点があげられますが、日本の代表的な和菓子であるまんじゅうやようかんなどに入っているあんこの甘みに対しては、抵抗感を持つ人も少なくありません。

ドイツのお菓子はバターの味や風味、そしてチョコレートの甘みを感じられる製品が多いため、あんこ独特の甘さに馴染みがなく、口に合わないと感じてしまう場合が多いようです。

さらに干物や塩辛など、独特な見た目をした海鮮系の食品も好まれません。ドイツでは海鮮をそのままの姿で食べる習慣がないため、これらは避けた方が良いでしょう。他に現地には存在しない独特な香りと風味を持つ製品としては、納豆や梅干しなどがあります。

ドイツ人の口に合わない味

ドイツ人の口に合わない味として、1つ目にあげられるのが「マーガリンの味」です。

ドイツでは90年代にマーガリンの製造が中止され、バターが一般的に使われるようになりました。そのため、バターの香りや味わいに慣れ親しんでいるドイツ人が大半です。マーガリンの含有量が高い商品は、ドイツ人の口に合わない可能性があります。

2つ目にあげられるのが、「甘いとしょっぱいが合わさった味」です。

基本的に、ドイツでは甘い味付け、しょっぱい味付けと味つけがはっきりと分かれているため、その中間の味に対して抵抗を感じる人が大半です。

日本では、せんべいや料理などで甘さとしょっぱさが混ざった味付けに慣れていますが、ドイツではそのような味付けは存在しないため、お土産として渡すことは控えた方が良いでしょう。

ドイツ人の文化にそぐわないもの

日本に数多く存在する寺社仏閣は、観光スポットとして訪日外国人に高い人気を誇っています。

しかし、仏教のシンボルとして古くから使われてきた「かぎ十字」に似たマークが入っているお菓子やグッズに関しては、ドイツでは禁物となっているナチスの党章を連想させるため避けるべきです。

加えて、日本では大人気のディズニーブランドですが、ドイツ人からすると、アメリカ由来の子供向けテーマパークという見方が強くあります。

そのため、日本人がディズニー関連のお土産を渡すのは不自然と思われてしまう可能性が高く、お土産としては不向きです。

お土産は友好関係を築く大切な第一歩

日本人が考える日本の魅力と、外国人が考える日本の魅力は異なることが多くあります。

その背景には、文化の違いや嗜好性の違い、歩んできた歴史などが影響しているため、お土産を渡す際は主観的にならず、渡す相手の好みやニーズを事前に十分リサーチする必要があります。

お土産文化があまり定着していない海外では、お土産を渡すという行為だけで喜ばれることも多く、ビジネスの場であれば相手を思いやる心がある人というイメージが生まれ、その後のコミュニケーションも円滑に進む効果が期待できます。

日本ならではのホスピタリティといえるお土産で、良好な友好関係、ビジネスパートナーとしての関係を築くことが重要です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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