中国・湖南省初のセブンイレブン、開業日の売上が世界記録に:日本式どこまで貫く?バランス感覚問われる

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2020年5月30日、中国・湖南省初のセブンイレブンがオープンし、1店舗1日の売上金額で世界記録を達成しました。中国におけるコンビニ業界の需要は非常に高く、無人スマートコンビニ「便利蜂」も登場し注目を集めています。

本記事では、湖南省に初出店したセブンイレブンの人気の様子をふまえ、中国のコンビニ需要の現状やコンビニ業界の生き残りをかけたキーワードについて解説します。

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セブンイレブンが中国・湖南省に初出店:開業日の売り上げが世界記録に

5月30日に中国・湖南省初のセブンイレブンがオープンし、開業当日の来店客数は5,000人、売り上げは50万元(約760万円)を突破しました。コンビニ1店舗の1日の売上としては、世界記録を樹立しています。

湖南省のセブンイレブンで販売するものは、おにぎりやパン、デザート、惣菜など、日本のコンビニと同じような商品をはじめ、湖南省の特色を生かした弁当やビーフンなども予定しています。

中国のコンビニの成長余地

タイやマレーシアをはじめとする東南アジアでは、コンビニが数多く出店し、ビジネスモデルはすでに実証済みです。日本では、人口約2,200人に対し1店舗の割合となっていますが、台湾では2,000~2,400人、韓国では1,500人に1店舗と、東アジアでは日本同等、またはそれ以上のコンビニの需要の高さが見受けられます。

東アジアのなかでも、台湾における人口に対するコンビニの店舗数は2,400万人に対し1万店以上の割合である一方、北京では人口2,200万人に約700店と、比較的小規模であることがうかがえます。中国ではまだまだコンビニ店舗数がニーズの規模に対して少なく、店舗数拡大の余地があると分かります。

「スマートコンビニ」も成長「便利蜂」

2017年に中国で創業した無人スマートコンビニ「便利蜂(Bianlifeng)」は、2020年5月時点で全国20都市に1,500店以上が出店するなど、勢いが加速しています。5月下旬には、北京における500以上の店舗で黒字を達成したと発表しました。通常コンビニ業界では、店舗オープンから黒字化までは7年かかるといわれていることから、3年で黒字化を達成した「便利蜂」の躍進ぶりがうかがえるでしょう。

「便利蜂」の成功の鍵は「何を売るか」を徹底的に追求した点にあるといえます。コンビニで最も大きな利益が見込める「中食」に関して、日本のコンビニでは価格の安さと味が重要視されます。

一方で中国では、価格に関しては小規模店舗の弁当のほうがコンビニよりも安いことが多く、種類も豊富です。そこで「便利蜂」は、中国人は温かい食品を好んで食べる傾向が強いことに注目し、温かい弁当の販売を始めました。

その結果、2018年から温かい弁当が「便利蜂」の売上高の3分の1を占める看板商品になりました。「便利蜂」の弁当のおかずは、消費者の購入データのアルゴリズムをふまえて決定されており、各地域の好みに応じた商品も販売されています。

中国コンビニ業界での生き残り、現地顧客像理解がKWに

コンビニ旋風が巻き起こっている中国では、生き残りをかけて、エリアごとの出店と現地顧客像の理解を進めています。

中国に進出した日系コンビニでは、ファミリーマートが最も多くの店舗数を誇り、ローソン、セブンイレブンが続きます。いずれも順調に中国国内で店舗数を増やしていますが、各社が店舗を展開する地域には差が見受けられました。

中国は日本に比べ国土が非常に広いため、各社はターゲット地域を絞り、集中展開しています。ファミリーマートは上海を中心とした華東地域、ローソンは中国西部の重慶市、セブンイレブンは北京などの華北地域や広州市がある華南地域を中心に店舗を拡大しています。

地域を絞って店舗展開をする上では、現地顧客増の理解が大切です。中国の地方都市にある現地の小売りチェーンは、地元で強いネットワークを築き上げており、地元住民の厚い信頼を得ています。

地方都市は所得水準が低い傾向にあるため、主要都市と同じ商品や価格帯で販売するのでは、地元チェーンとの競争に勝てません。地方都市へ進出するコンビニチェーンは、低価格商品を追求するほか、各地域の好みに応じた商品の展開を強化していく必要があります。

日本式をどこまで貫く?バランスとり

中国ではネットショッピングが人気のため、リアルの小売にはまだまだ工夫の余地があるという見方もあります。一方で、コンビニには日本の「清潔さ」や「礼儀正しさ」といったポジティブなイメージ持っている中国人もおり、湖南省のセブンイレブン進出の成功例からも、日本発の小売店への期待がうかがえるでしょう。

今後、コンビニをはじめとして日本発の小売店が海外へ進出する際は、日本式をどこまで現地仕様にするかのバランス取りも必要となりそうです。湖南省の省都・長沙市で広く流通業を営み、高い認知度を持つ「友阿」グループの胡子敬董事長は、「日系ブランドの進出は業界全体の進歩に貢献し、コンビニレベルを全体的に押し上げてくれるだろう」との認識を示しています。

湖南省のセブンイレブンのように、日本のコンビニで取り扱っているパン、デザート、お弁当などの商品だけでなく、地域の特色豊かな弁当などを販売することにより、顧客ニーズに寄り添えると期待できます。

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コンビニはどうやって動画・コンテンツ制作をインバウンドに活用すべきなのでしょうか?「ローソンのインバウンド向けPR動画でコンビニのサービスを多数紹介」など、各社・各団体の先行事例を集めてみました。

<参照>

流通ニュース:セブンイレブン/2020年春、中国・湖南省に進出

AFP:湖南省初のセブンイレブン、開業日の売り上げが世界記録に

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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