6月19日に販売が開始されたユニクロの「エアリズムマスク」は大きな注目を集め、マスクを求める人が長い行列を作る様子が報道されました。さらにオンラインストアにはアクセスが集中し、繋がりにくい状態が続きました。
緊急事態宣言が全国的に解除されたものの、「密」を避ける傾向が続く状況下で、長いマスク行列ができたことに驚いた人も多いのではないでしょうか。その後も販売希望者は絶えず、ユニクロの店舗では、現在も開店前から行列ができたり、整理券が配布されるなどの状況が続いています。
6月26日時点で、ユニクロは「アクセス集中によりお客様にご迷惑をお掛けするため」として、オンラインでのエアリズムマスクの販売を見合わせています。
エアリズムマスクは、飛沫をブロックできる高性能フィルターやUVカット機能といった高い機能性に加え、エアリズムならではのシルクのようななめらかさが特徴です。3枚組990円(税抜き)という手ごろな価格も人気の背景にあるとみられます。
日本の衛生用品は中国や台湾の人達からの人気が高く、今回のエアリズムマスク行列にもSNS上で注目が集まっています。
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中国の反応:人気日本ブランドユニクロ、Weiboユーザーは「行列は演出」
エアリズムマスクを販売するユニクロは、中国でも人気の高いブランドです。中国で展開するユニクロの店舗数は、2020年5月31日時点で745店と、日本国内の店舗数813店に迫る勢いとなっています。
中国大陸に香港・台湾を加えた「グレーターチャイナ」におけるユニクロの2019年8月期の業績は過去最高を達成し、売上収益5,025億円(前期比14.3%増)、営業利益890億円(同20.8%増)に上りました。
中国ではオンラインでオーダーした商品を近隣の店舗で受け取る「O2O(Online to Offline)」と呼ばれるサービスが普及しており、Eコマースの売上構成比は約20%に達しています。
ユニクロはグレーターチャイナの売上収益について、将来的に日本を超えて1兆円を上回ると見込んでいます。
今回の日本でのエアリズムマスクの販売は、そんな中国でも注目を集めたようです。
![▲[Weibo上でのエアリズムマスクの話題]:編集部キャプチャ ユニクロのエアリズムマスクの売れ行きが、中国SNSで伝えられている様子](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6953/main_airism.png?auto=format)
Weiboでは、中国の動画メディアのアカウントも、エアリズムマスクの特徴と、それに消費者がおしかけたことを伝えています。
以下のようなコメントが見られました。
- (行列はヤラセと言いたげに)すごい宣伝方法だね、(こんなもの)買わないで、不買運動しよう!!
ほかにも様々なコメントが付けられています。
- ソーシャルバイヤーがまた忙しくなりそうだね
ソーシャルバイヤーは、中国国内にいる消費者が必要としている海外の商品を代理で購入して販売する、いわゆる「転売屋」です。日本で話題になった商品は、中国でも話題を呼び購入意欲を刺激する可能性があります。
ソーシャルバイヤーとは|代理購入・市場規模・中国市場へのアプローチとして必要な4つの理由を解説
ソーシャルバイヤーとは、一般消費者が必要としている海外商品を代理で購入し、購入手数料を上乗せして販売することで利益を上げる「代理購入者」を指します。ソーシャルバイヤーの代表例として、中国人の転売でしょう。中国市場において、様々な日本ブランドの製品は多くのニーズがあります。そのため、このソーシャルバイヤーの存在が中国市場と日本製品の橋渡しになると期待されています。この記事では、ソーシャルバイヤーについて、またソーシャルバイヤーがインバウンド市場で注目される理由・日本製品の販売に貢献する理由を...
さらにその他にも、このような意見がありました。
- 日本は本当エコ、繰り返し使えるマスクがあるなんて。
- 繰り返し使えるのはいいよね、うちの近所マスクゴミがマジで汚い…
- たくさん生産されますように…まだまだマスク使う時期がありそうだから
- 使い捨てじゃないとやだわ…
- 通気性がいいならウイルスも入り放題だね!!
- (通気性良いなら)もういっそマスクなしでいいのでは
布マスクを評価する声がある一方で、通気性の高さを逆に不安に思う人もいるようです。
台湾の反応
台湾では、Facebookのページが情報共有によく使われています。
エアリズムマスクの売れ行きについても、複数のFacebookページで話題にされていました。
![▲[Facebookページで伝えられるエアリズムマスクの販売についたコメント]:編集部キャプチャ Facebookページについた、エアリズムマスクに対する台湾人のコメント](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6955/main_airism3.png?auto=format)
- マスク買って感染したら結局損してる!
- 涼しさ重視でウイルスを防ぐかどうかは二の次ってわけか…
- 布マスクは(感染防止に)意味がないね…
行列に並ぶリスクを冷静に指摘する声や、布マスクの効果を疑問視する声が見られます。投稿されたコメントには、ポジティブな意見もあります。
![▲[Facebookページで伝えられるエアリズムマスクの販売についたコメント]:編集部キャプチャ Facebookページについた、エアリズムマスクに対する台湾人のコメント](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6956/main_airism4.png?auto=format)
- 日本製であってほしい…
- 日本国外でも買えるようにならないかなあ
日本で売られる製品には中国製も少なくありませんが、日本製のものであれば買いたいという台湾人の消費者心理が見えてきます。
また同商品を手に取ってみたいと考えている台湾人もいることが確認できます。
良くも悪くも注目を集めたエアリズムマスク
エアリズムマスクに対し、評価はさまざまであったものの、人気のブランドであるユニクロの製品であること、通気性の高いマスクであることなどから、中国や台湾でも高い注目を集めたことは間違いありません。
特に早期に感染封じ込めに成功した台湾では、行列の様子にあきれる様子も見られました。
日本の製品はその品質の高さなどから海外でも一定の評価を受けており、特に品質が重視される衛生用品は高い人気を集めています。
新型コロナウィルスの影響で需要が高まっているマスクは、特に今後も注目を集めていくでしょう。
ユニクロなどの影響力のあるブランドの動向が海外に発信されることで、布マスクなど日本のマスクトレンドが海外に伝播していく可能性もありそうです。
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「マスク」がニューノーマル観光のお土産になる日
新型コロナで変わった世界の「マスク」事情
<参考>
SIRABEE:エアリズムマスクの整理券、ユニクロ店員の悲痛な思いが感じられた
ユニクロ:エアリズムマスク
ファーストリテイリング:グループ事業「グレーターチャイナ」
ファーストリテイリング:グループ事業「日本」
ファーストリテイリング:ユニクロの事業戦略
ファーストリテイリング:第1四半期決算資料
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