2020年5月、京都 の外国人宿泊者「ほぼゼロ」京都市観光協会発表、嵐山5商店街「スイてます 嵐山」ポスター登場

THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ- アーカイブ無料配信中
完全無料 訪日ラボ会員 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

京都市観光協会は、2020年5月分の市内宿泊施設のデータを発表しました。

近年、京都市では観光客の集中による混雑などが問題となっていましたが、新型コロナウイルスの影響で一転、観光客の急激な減少に苦しむことになりました。

日本を含めた各国の渡航自粛の動きや緊急事態宣言の発令によって訪日外国人観光客と日本人観光客の大幅な減少が目立った4月から、どちらもさらに減少しました。京都市観光協会のレポートでは宿泊者が「ほぼ消失」と伝えられています。

また、こうした観光客の急減を受け、京都市嵐山では、5つの商店街合同で「スイてます 嵐山」と銘打った"開き直り"とも取れるユニークなポスターを掲示しています。

《注目ポイント》

  1. 外国人延べ宿泊客数は「ほぼゼロ」前年同月比99.9%減
  2. 客室稼働率は微増

関連記事
【京都市観光協会データ月報 2020年4月】
オーバーツーリズムの弊害・対策とは?

訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)

2020年京都の外国人延べ宿泊客数は前年同月比99.9%減

京都市観光協会データ月報(2020年5月)によると、京都市の外国人延べ宿泊客数は183人泊で、前年同月比99.9%減、前月比82.6%減となりました。日本人延べ宿泊客数も前年同月比94.7%減、前月比35.4%減と大幅に減少しており、日本人・外国人合わせた総延べ宿泊客数は15,780人泊と、前年同月比97.3%減、前月比37.3%減にまで落ち込んでいます。

延べ宿泊者数に占める外国人の比率も前年同月比48.0ポイント減の1.2%となっており、4か月連続で最低値を更新しました。これまで賑わいをみせていた京都から外国人観光客が「ほぼ消失」する状況が続いています。

日本人観光客と外国人観光客の両方が4月からさらに減少した要因としては、緊急事態宣言により都道府県をまたぐ移動が引き続き制限され、4月時点よりもさらに旅行を控える人が増えたことや、日本への入国制限の対象国・地域も拡大したことが挙げられるでしょう。さらに、それまで帰国できず日本に滞在していた外国人観光客が各国政府のチャーター便で続々と出国していったことも一つの要因と考えられます。

一方で客室稼働率は、臨時休業するホテルが増加したことで、6.5%と6か月ぶりに微増しました。

客室収益指数(宿泊施設の収益を表した値で、客室稼働率平均客室単価から算出される)も94.9%減と、新型コロナウイルスの感染拡大によるダメージは非常に大きなものとなっています。

観光客減少で"開き直り"ポスターまで登場…今後はどうなる?

近年京都府内の観光地では、訪日外国人観光客の増加によって交通機関の混雑やポイ捨てなどのオーバーツーリズムが問題視されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって状況は一変しました。

今では訪日外国人観光客の大幅な減少によって、「収束まで持たない」といった声も聞かれるほど、宿泊施設などの経営は苦境に立たされています。

京都において観光客に非常に人気の高い嵐山でも、例年であれば考えられない観光客の減少に、「スイてます 嵐山」と銘打った"開き直り"のポスターまで登場しました。これは嵐山にある5つの商店街が合同で作成したもので、観光客が急減したことで、今ならゆったりと観光を楽しめると宣伝しています。

嵐山の様子に関するTwitter投稿
▲Twitter投稿:編集部スクリーンショット

Twitter:嵐山の様子に関する投稿(https://twitter.com/goha5800jp/status/1230030541002379264)


今回京都市観光協会が発表した2020年5月分の市内宿泊施設のデータでは、6月以降の状況についても考察がなされていますが、この状況はいつまで続くのでしょうか。

6月19日に全国でようやく、都道府県をまたぐ移動や旅行が解禁されました。開始時期は未定ですが、政府が観光業を推進するために取り決めた「Go To Travel キャンペーン」も実施が予定されています。

これらを受け、宿泊予約サイトの客室販売価格は5月以降上昇傾向をたどり、内閣府が取りまとめたビッグデータによる人流・滞在状況も京都府内の人出の増加を示すなど、徐々にではありますが日本人観光客の回復が期待されます。

新幹線が7月を目処に平常運行となり、航空路線も運航が再開されるなど、交通機関の平常化も日本人観光客の増加を後押しするでしょう。

一方外国人観光客の回復は、いまだ見通しの立たない状況が続くと考えられます。しかし、感染が拡大する地域がある一方で、感染が収束に向かい、経済活動の回復を積極的に目指す地域も出始めています。圏外からの入境制限を7月1日以降一部緩和している欧州も、そうした地域の一つといえます。

日本政府も、6月18日に行われた新型コロナウイルスの政府対策本部で、ベトナムタイオーストラリア、ニュージーランドの4か国との間で入国制限緩和に向けた協議を進める方針を決定しました。さらに、台湾シンガポール、ブルネイなどについても一部入国者の受け入れを再開する方向で検討するということです。

今回の方針は「観光」ではなく、あくまでも「ビジネス」目的と限定されていますが、政府は入国制限緩和の対象国・地域を徐々に拡大する見通しを立てているといえます。

7月以降東京都での感染者が100人を超える日が続くなど、新型コロナウイルスの感染は予断を許さない状況にあります。訪日外国人観光客の回復の見通しが立たない状況は続きますが、しばらくは近場での旅行が主流となるアフターコロナにおいて、まずは関西圏などをはじめとした日本国内からの観光客の回復を目指していくとよいでしょう。

<参照>

京都市観光協会:京都市観光協会データ月報(2020年5月)

嵯峨嵐山おもてなし帖:嵐山おもてなしキャンペーン 実施します!

【11/26開催】インバウンドの受け入れを「仕組み化」で乗り切る!宿泊・観光業の人手不足を解消する革新的ソリューションを紹介


外国人観光客の爆発的増加に伴い、スタッフの人手不足に直面する宿泊・観光業界。
さらには多言語対応やあらゆるサポートも求められ、キャパシティが限界状態にある事業者も少なくはないでしょう。

そこで訪日ラボでは、「人手不足を補いながらインバウンド対応を強化する」実践策を紹介するセミナーを開催します。

DXによる業務効率化や自動化、多言語対応の仕組みづくり、24時間・22言語対応の医療通訳付きオンライン診療、そして多言語での口コミ・MEO対策の無理のない運用方法まで、“少ない人員でも安心して外国人観光客を受け入れられる仕組み” を解説します。

<セミナーのポイント>

  • 人手不足の現場でも実践できる、インバウンド対応・業務効率化のヒントがわかる!
  • 多言語対応や医療連携など、“安心・安全な受け入れ体制”を整える具体策が学べる!
  • 集客から滞在サポートまで、インバウンド受け入れを総合的に学べる!

詳しくはこちらをご覧ください。

【11/26開催】インバウンドの受け入れを「仕組み化」で乗り切る!宿泊・観光業の人手不足を解消する革新的ソリューションを紹介

【インバウンド情報まとめ 2025年11月前編】中国、日本への渡航自粛を要請 / 2025年冬の国際定期便、過去最高の便数に ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に10月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

訪日ラボ会員にご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

中国、日本への渡航自粛を要請 / 2025年冬の国際定期便、過去最高の便数に ほか:インバウンド情報まとめ【2025年11月前編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

訪日ラボの会員限定コンテンツ「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!

その他、訪日ラボの会員になるとインバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い教科書コンテンツやインバウンドを分析したレポート、訪日ラボのコンサルチーム登壇のセミナーなど役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 訪日ラボ会員 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに