日本全国で外国人が増える中、警備業界にも多言語対応が求められています。
具体的には、雑踏警備業務や施設警備業務の訪日外国人への対応が、これからの日本に安心と安全を届ける役割を担っているといえるでしょう。
雑踏警備業務は、コンサート、花火大会、マラソン大会、お祭りなどの大勢の人々が集まるイベントにおいて必要不可欠な業務です。
昨今では多くの外国人が来日しており、これらの方々が混雑する群集に紛れていることも決して珍しくありません。広報案内や負傷等の事故が発生した場合における避難誘導など、様々な場面において外国語による対応が必要となります。
また、契約先施設に警備員が常駐する施設警備業務においても、観光施設や商業施設をはじめとして来場者(来館者)の外国人比率が高まっており、出入管理や防災センター業務など各種業務においても外国語による対応が求められています。
今回はこうした実態を踏まえ、現在の警備業務について、全国の警備業者が加盟している、一般社団法人全国警備業協会の担当者にインタビューしました。インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
全国警備業協会と警備の多言語対応について
全国警備業協会は1980年に設立され、全国6,952社(2019年12月末)の警備業者が加盟しています。
施設警備業務、雑踏警備業務、交通誘導警備業務、貴重品運搬警備業務、身辺警備業務などの各種警備業務の実施の適正を図るための協会事業は、日本の安全・安心社会を確立するための一翼を担っています。
協会では、特に近年、適正取引の推進、警備員教育の充実や処遇の改善等、業界が抱える諸問題の解決に注力した事業を実施しています。
例えば、年々増え続ける訪日外国人に警備員が対応する機会に困らないよう、ポケット型の「警備業における外国人対応ハンドブック」を作りました。
このハンドブックには、実務体系別での対応要領が英語、中国語、韓国語で記載されています。これまで約8,000冊を発売し外国人とのコミュニケーションツールとして警備業務の現場で活用されています。
各言語にカタカナで読み仮名を振ってありますが、警備員の発音が伝わらない時には指差し会話にも活用できるようになっています。
全国で約56万人(2018年)の警備員が活躍していますが、そのうち60歳以上の比率が44%と高齢化が進んでおり、これから外国語を身に着けてもらうのは現実的とはいえません。外国語への対応をいかに実現するかは、業界の課題となっています。
雑踏警備/施設警備の多言語対応の課題
イベントなどの雑踏警備において、メガホン(拡声器)はよく使われます。メガホンの活躍シーンは施設警備においても消防訓練や避難訓練など定期で実施するものに限りません。地震や火災、豪雨などの災害時の情報伝達・避難誘導に加え、不審物の発見や異臭騒ぎ、設備故障等に伴う通路の封鎖や入場制限の際にもメガホンを使うことがあります。
多言語の音声が流せるタイプのメガホン(以下、多言語メガホン)も発売され便利なツールではありますが、現場の声として画面の大きさや重さなどの課題もあり普及するまでには至っていません。
小型翻訳機やスマホの翻訳アプリは一般には普及してきましたが不特定多数の人々へ複数言語を一定の間隔で大きな音量でくり返し流すことはできません。
USENがこの春新しくリリースした「おもてなしキャスト」(ハンズフリーメガホンアプリ)
以上のような問題を解決するべく、USENでは「おもてなしキャスト」(ハンズフリーメガホンアプリ)を開発、この春より提供を開始します。
「おもてなしキャスト」(ハンズフリーメガホンアプリ)には、ハンドブックに掲載されている実務体系別の内容のうち、警備アナウンスとして使われやすい日本語を含む4ヶ国語の音声がアプリに標準搭載されています。
それだけでなく、ハンドブックには紙面の制限で掲載できなかった他のアナウンスも用意されています。
見やすく、重さを感じにくい。従来どおり「メガホン」としても使える
ハンズフリーメガホンアプリの優れた点は、高齢者にもやさしい、画面も文字も大きなiPadで使えることです。
iPadは保護ケースに入れて肩掛けにして、スピーカーはベルト式を採用したことで長時間使っても重さを感じにくいこと、インカムマイクと併用できるのでヘルメットや制帽・キャップをしたまま従来通りメガホンとしても使うことができることです。
そして最も大きなポイントは両手が空く(ハンズフリーになる)ことです。
警備業務はその業務によって赤色誘導灯やトランシーバ、プラカード、フリップボードを持つこともあり、手が自在に使えることが重要です。
ベルト型のスピーカーから4ヶ国語を自動放送しながら、自分の声はインカムマイクでアナウンスできるうえに、両手を自由に使って業務を行うことができます。
また、これまで警備員が何時間もくり返し声に出していた案内業務を自動放送とすることで、働き手にとっては労力が軽減されます。さらに警備員の代わりにアナウンスをしてくれるので、人材不足な昨今では警備業務の現場によっては省人化も期待できます。
また、アプリなのでアナウンスのカスタマイズができること、カスタマイズした音声は複数のiPadで共有できることも良い点です。
多言語にも対応するこれからの警備業
この多言語アプリの使い方をトレーニングされた警備員を配置できるということは、警備会社にとっても差別化やセールスポイントになると思います。警備員1人1人が外国語を覚えるより遥かに簡単にスピーディーに多言語対応が可能です。
また、持ち込めない物品などを画像で示すこともできるので、情報の伝達に齟齬が起きづらいといえます。施設警備においても、契約先施設における多言語対応への答えの1つになるのではないでしょうか。
そしてiPadは外国語アナウンスを流すだけでなく、モバイルWi-Fiルーターと併用すれば大きな画面で翻訳アプリを使った外国人対応、地図アプリを使った道案内や災害時には避難所までのルートも紹介できます。
多言語対応以外にも、数えきれないメリット
他にも業務アプリを開発すれば、マニュアルや資料のペーパーレス化やGPSを使って位置情報を含む勤怠管理にも応用が可能になるなど様々な用途に応用することができる点も非常に魅力です。
また、夜間でも画面が光るので使いやすく、iPadケースは防滴・防塵タイプなど業務に合わせて選ぶこともできます。
さらには、モバイルバッテリーと組み合わせれば長時間の警備にも対応できるなど警備業務の現場の実情に応じた使用もできます。
「おもてなしキャスト」ハンズフリーメガホンアプリの登場は、多言語対応だけでなく、アイデア次第で多くの新しい可能性を警備業界にもたらすことができる画期的なツールだと思います。
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