日本全国で外国人が増える中、警備業界にも多言語対応が求められています。
具体的には、雑踏警備業務や施設警備業務の訪日外国人への対応が、これからの日本に安心と安全を届ける役割を担っているといえるでしょう。
雑踏警備業務は、コンサート、花火大会、マラソン大会、お祭りなどの大勢の人々が集まるイベントにおいて必要不可欠な業務です。
昨今では多くの外国人が来日しており、これらの方々が混雑する群集に紛れていることも決して珍しくありません。広報案内や負傷等の事故が発生した場合における避難誘導など、様々な場面において外国語による対応が必要となります。
また、契約先施設に警備員が常駐する施設警備業務においても、観光施設や商業施設をはじめとして来場者(来館者)の外国人比率が高まっており、出入管理や防災センター業務など各種業務においても外国語による対応が求められています。
今回はこうした実態を踏まえ、現在の警備業務について、全国の警備業者が加盟している、一般社団法人全国警備業協会の担当者にインタビューしました。![▲[警備業務における多言語対応の必要性についてお話を聞かせてくださった、一般社団法人全国警備業協会の山本次長]:USEN SOUND Lab.編集部撮影 ▲[警備業務における多言語対応の必要性についてお話を聞かせてくださった、一般社団法人全国警備業協会の山本次長]:USEN SOUND Lab.編集部撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6033/main_0E0A0271_Fix.png?auto=format)
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会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
全国警備業協会と警備の多言語対応について
全国警備業協会は1980年に設立され、全国6,952社(2019年12月末)の警備業者が加盟しています。
施設警備業務、雑踏警備業務、交通誘導警備業務、貴重品運搬警備業務、身辺警備業務などの各種警備業務の実施の適正を図るための協会事業は、日本の安全・安心社会を確立するための一翼を担っています。
協会では、特に近年、適正取引の推進、警備員教育の充実や処遇の改善等、業界が抱える諸問題の解決に注力した事業を実施しています。
例えば、年々増え続ける訪日外国人に警備員が対応する機会に困らないよう、ポケット型の「警備業における外国人対応ハンドブック」を作りました。
このハンドブックには、実務体系別での対応要領が英語、中国語、韓国語で記載されています。これまで約8,000冊を発売し外国人とのコミュニケーションツールとして警備業務の現場で活用されています。
各言語にカタカナで読み仮名を振ってありますが、警備員の発音が伝わらない時には指差し会話にも活用できるようになっています。
全国で約56万人(2018年)の警備員が活躍していますが、そのうち60歳以上の比率が44%と高齢化が進んでおり、これから外国語を身に着けてもらうのは現実的とはいえません。外国語への対応をいかに実現するかは、業界の課題となっています。
雑踏警備/施設警備の多言語対応の課題
イベントなどの雑踏警備において、メガホン(拡声器)はよく使われます。メガホンの活躍シーンは施設警備においても消防訓練や避難訓練など定期で実施するものに限りません。地震や火災、豪雨などの災害時の情報伝達・避難誘導に加え、不審物の発見や異臭騒ぎ、設備故障等に伴う通路の封鎖や入場制限の際にもメガホンを使うことがあります。
多言語の音声が流せるタイプのメガホン(以下、多言語メガホン)も発売され便利なツールではありますが、現場の声として画面の大きさや重さなどの課題もあり普及するまでには至っていません。
小型翻訳機やスマホの翻訳アプリは一般には普及してきましたが不特定多数の人々へ複数言語を一定の間隔で大きな音量でくり返し流すことはできません。
USENがこの春新しくリリースした「おもてなしキャスト」(ハンズフリーメガホンアプリ)
以上のような問題を解決するべく、USENでは「おもてなしキャスト」(ハンズフリーメガホンアプリ)を開発、この春より提供を開始します。
![▲[USEN-NEXT GROUPのUSENがこの春新しくリリースした 「おもてなしキャスト」(ハンズフリーメガホンアプリ)]:USEN SOUND Lab.編集部提供 ▲[USEN-NEXT GROUPのUSENがこの春新しくリリースした 「おもてなしキャスト」(ハンズフリーメガホンアプリ)]:USEN SOUND Lab.編集部提供](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6036/main_9185c5c6f7bd0ebabb0412dc38a7655f.png?auto=format)
「おもてなしキャスト」(ハンズフリーメガホンアプリ)には、ハンドブックに掲載されている実務体系別の内容のうち、警備アナウンスとして使われやすい日本語を含む4ヶ国語の音声がアプリに標準搭載されています。
それだけでなく、ハンドブックには紙面の制限で掲載できなかった他のアナウンスも用意されています。
見やすく、重さを感じにくい。従来どおり「メガホン」としても使える
ハンズフリーメガホンアプリの優れた点は、高齢者にもやさしい、画面も文字も大きなiPadで使えることです。
iPadは保護ケースに入れて肩掛けにして、スピーカーはベルト式を採用したことで長時間使っても重さを感じにくいこと、インカムマイクと併用できるのでヘルメットや制帽・キャップをしたまま従来通りメガホンとしても使うことができることです。
そして最も大きなポイントは両手が空く(ハンズフリーになる)ことです。
警備業務はその業務によって赤色誘導灯やトランシーバ、プラカード、フリップボードを持つこともあり、手が自在に使えることが重要です。
![▲[「おもてなしキャスト」(ハンズフリーメガホンアプリ)をお持ちになる山本次長]:USEN SOUND Lab.編集部提供 ▲[「おもてなしキャスト」(ハンズフリーメガホンアプリ)をお持ちになる山本次長]:USEN SOUND Lab.編集部提供](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6042/main_0E0A0321_Fix.png?auto=format)
ベルト型のスピーカーから4ヶ国語を自動放送しながら、自分の声はインカムマイクでアナウンスできるうえに、両手を自由に使って業務を行うことができます。
また、これまで警備員が何時間もくり返し声に出していた案内業務を自動放送とすることで、働き手にとっては労力が軽減されます。さらに警備員の代わりにアナウンスをしてくれるので、人材不足な昨今では警備業務の現場によっては省人化も期待できます。
また、アプリなのでアナウンスのカスタマイズができること、カスタマイズした音声は複数のiPadで共有できることも良い点です。
![▲[ポケット型「警備業における外国人対応ハンドブック」とUSENおもてなしキャストを持つ、山本次長]:USEN SOUND Lab.編集部撮影 ▲[ポケット型「警備業における外国人対応ハンドブック」とUSENおもてなしキャストを持つ、山本次長]:USEN SOUND Lab.編集部撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6043/main_0E0A0350_Fix.png?auto=format)
多言語にも対応するこれからの警備業
この多言語アプリの使い方をトレーニングされた警備員を配置できるということは、警備会社にとっても差別化やセールスポイントになると思います。警備員1人1人が外国語を覚えるより遥かに簡単にスピーディーに多言語対応が可能です。
また、持ち込めない物品などを画像で示すこともできるので、情報の伝達に齟齬が起きづらいといえます。施設警備においても、契約先施設における多言語対応への答えの1つになるのではないでしょうか。
そしてiPadは外国語アナウンスを流すだけでなく、モバイルWi-Fiルーターと併用すれば大きな画面で翻訳アプリを使った外国人対応、地図アプリを使った道案内や災害時には避難所までのルートも紹介できます。
多言語対応以外にも、数えきれないメリット
他にも業務アプリを開発すれば、マニュアルや資料のペーパーレス化やGPSを使って位置情報を含む勤怠管理にも応用が可能になるなど様々な用途に応用することができる点も非常に魅力です。
また、夜間でも画面が光るので使いやすく、iPadケースは防滴・防塵タイプなど業務に合わせて選ぶこともできます。
さらには、モバイルバッテリーと組み合わせれば長時間の警備にも対応できるなど警備業務の現場の実情に応じた使用もできます。
「おもてなしキャスト」ハンズフリーメガホンアプリの登場は、多言語対応だけでなく、アイデア次第で多くの新しい可能性を警備業界にもたらすことができる画期的なツールだと思います。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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