2020年10月、Expedia Group Media Solutionsが11か国11,000人の旅行者を対象に旅行に関する調査を行いました。そこから各国における今後の観光についての様々なとらえ方が見えてきました。
抗新型コロナウイルスワクチンが開発され、海外旅行の検索数が上がる中で、2021年の世界の旅行需要はどのように変化していくのでしょうか。
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ブラジル、中国、メキシコは12ヶ月以内の旅行に特に前向き
「今後12 か月以内の旅行について、相対的にどのように感じていますか?」という問いに対し、調査対象者の約半数が今後12か月以内の旅行を希望していると回答しました。
ブラジル、中国、メキシコは旅行に対してポジティブな一方、カナダ、日本、イタリア、ドイツ、イギリスなどの国は今もなお旅行に消極的な傾向にあります。
また、ブラジル、中国、メキシコでは年明け1〜3月に半数近くが旅行の計画を立て始めており、その他の国でも4-9月に入ると旅行意欲は上がっています。 7-9月に関しては、日本以外の12の国で半数以上が旅行に行きたいと答えました。
Withコロナ時代の旅行に求められるもの:柔軟な対応と感染対策
10人に7人が、旅行保険への加入、交通機関や宿泊施設などのキャンセル可能や返金といった受け入れる側の柔軟な対応があれば、12か月以内に旅行をしたいという意識を持っており、 12か月以内の旅行に対して懐疑的なドイツや日本の旅行者でも、「マスク、除菌剤、消毒液などを携帯して旅行」「滞在先は保健機関による清掃、衛生ガイドラインを厳守している」といった前提の下であれば、半数以上が旅行をしてもよいと考えていることが明らかになりました。
コロナ前と変化した「旅行において重要視するもの」
12か月以内の旅行に対して「変更・キャンセルへの柔軟な対応」「安全衛生の対策」「にぎやかな旅先」「静かな旅先」の中で、どの項目に重きを置くのかは国によって差異があります。
「にぎやかな旅先」はどの国でも重要視する割合が平均して低いことから、人が大勢集まりやすく感染のリスクが高いようなかつての有名観光地は、以前のようには旅先として求められていないことがわかります。
また、「変更・キャンセルへの柔軟な対応」を求める比率はどの国でも50%を超えており、世界の状況が激しく変わるWithコロナ時代においては受け入れ側の柔軟な対応が重要であることが判明します。
宿泊施設のこれから:感染症対策が最重要
「ホテル・リゾート」やバケーションレンタルはコロナ前に近い水準への回復が見込まれています。
宿泊施設の需要を先んじて回復させるのは主に行動力のある若い世代ということもわかっています。
今後の宿泊施設選びでは、「適切な安全衛生対策」が最重要である
旅行者は宿泊施設に対して「最新情報に基づくコロナ対策」「定期的に徹底した清掃と除菌作業を実施」「全面的に除菌作業を行っていることを明記」することを求めており、宿泊施設は自分たちが実施している感染予防対策を明示することが宿泊客を誘致する際のポイントとなります。
「保健衛生に関する規制」が最重要項目に
目的地を決断する際に影響を与えるものとして、「保健衛生に関する規制」「安全対策」「除菌作業」が挙げられます。 コロナ前は「気候」「距離」「費用」と比較して重要視されていなかった「保健衛生に関する規制」が、コロナ禍以後はそれらを抜いて最重要項目になったことは特筆すべきポイントです。
コロナ前と比較するとオンラインで情報収集する傾向が高まっている
オンライン旅行会社(OTA)の利用率+24%、地域情報サイト+20%、旅行広告+16%と、コロナ禍は世のDX化の潮流を後押しししています。
「目的地サイトの写真と情報」「ホテルサイトの写真と情報」がトップで影響が大きいという結果に
観光客誘致には旅行先の写真、情報、クチコミが重要であることがわかります。 コロナ前の時期に旅行をした人からの情報よりも、今この時期に実際に訪れた客のクチコミや、施設側が提供する最新情報がより納得感がある為、重視されているのではないかと推測されます。
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