イタリア、8月からベネチアへの大型クルーズ船入港を禁止に オーバーツーリズム対策を本格化

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

イタリアの「水の都」、ベネチアへの大型クルーズ船の乗り入れが8月1日から禁止となります。

イタリアは多くの観光客が訪れることから、以前よりオーバーツーリズムが叫ばれており、中でもベネチアはユネスコから「危機遺産」のリストへの登録が勧告されています。リスト登録を回避する狙いや、夏の旅行シーズンが直前に迫った中、観光客が爆発的に増加することへの懸念も影響しているかもしれません。


【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】

会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

「水の都」ベネチアへの大型クルーズ入港が禁止に

イタリア政府は、2021年8月1日からベネチアへの大型クルーズ船入港を禁止することを発表しました。重量2万5000トン以上、長さ180メートル以上などの条件に該当する船を対象に、サン・マルコ広場の周辺の運河などに入れなくするということです。

オーバーツーリズムへの本格的な対策で「危機遺産」登録を回避か

ベネチアは、「水の都」と呼ばれており、観光大国イタリアの中でも周辺地域は高い知名度と人気を誇っています。

しかし、多くの観光客が押し寄せる影響により、一部の地域住民からは不満や反対の声が上がっていました。大型船が街の景観を損ねている、クルーズ船が起こす波によって街の基礎が侵食されているなどのオーバーツーリズムの問題が生じていたのです。

2021年6月には、コロナ禍による行動制限が緩和されて以来初めてのクルーズ船がベネチアから出港しましたが、観光再開を喜ぶ労働者、市当局とは反対に、ボートに乗ってクルーズ船の周りから抗議の声をあげる人も見られました。

同月には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が、ベネチアを価値が失われる恐れがある「危機遺産」に登録することを勧告しています。

そうした中で、オーバーツーリズムへの対策として、そしてベネチアが「危機遺産」に登録されることを回避するために、イタリア政府はベネチアへの大型クルーズ船入港を禁止することを発表しました。

イタリアの国際クルーズ産業業界団体CLIAのディレクターであるフランチェスコ・ガリエッティ氏は、クルーズ船の代替ルートを歓迎し、今回の政府の発表を「大きな前進」と呼んだということです。

また、ダリオ・フランチェスキーニ議員は、クルーズ船入港禁止の発表について、自身のTwitterで「約束を守ったことを誇りに思う」とコメントしています。

ダリオ・フランチェスキーニ議員のクルーズ船入港禁止の発表に関する投稿
▲ダリオ・フランチェスキーニ議員のクルーズ船入港禁止の発表に関する投稿:ダリオ・フランチェスキーニ議員Twitterより編集部スクリーンショット

Twitter:ダリオ・フランチェスキーニ議員の投稿

ヨーロッパでは、現在ワクチン接種の進展に伴って国際観光が徐々に再開しています。夏の本格的な観光シーズンには多くの観光客が訪れることを見越し、再びオーバーツーリズムの問題が生じることを懸念しての決断だと考えられます。

関連記事
観光再開のイタリアで早くも「オーバーツーリズム」懸念

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

<参照>
REUTERS:EXCLUSIVE Italy bans cruise liners from Venice, after years of hesitation

【7/9開催】消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント

2024年、訪日外国人による旅行消費額は過去最高の約8兆1,257億円を記録。 そのうち中国は1.7兆円超(全体の約21%)と圧倒的な1位を占めており、宿泊日数や訪問者数でもトップクラスの存在感を示しています。

これだけ市場が大きく、経済インパクトのある中国インバウンド。 いま多くの企業が「中国向けに本格的な戦略を立てるべきではないか?」と検討を始めています。

しかし中国では、Googleをはじめとする多くのサービスに規制があり、中国現地のSNSや地図サービスを活用するなど、独自のカスタマイズされた対策が必要です。

本セミナーでは、インバウンド戦略の基本を押さえた上で、「中国市場の最新動向」と「具体的な対策」について、わかりやすく解説します。

<本セミナーのポイント>

  • インバウンド戦略の基本が学べる!
  • 中国インバウンド市場の規模と最新トレンドがわかる!
  • 中国特有のSNS・地図アプリを踏まえた対応策を学べる!

詳しくはこちらをご覧ください。

消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント【7/9開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに