日本のタンクシンク「言論NPO」と中国国際出版集団(中国外文局)の調査にて、日本へ「良くない印象」を持っている人が昨年の52.9%から66.1%となり大幅に上昇したことが日本と中国の共同調査で分かりました。
印象が悪化に転じるのは8年ぶりです。この調査は2005年から毎年共同で実施しているもので、今回で17回目になります。
対象は日本と中国のそれぞれ18歳以上でアンケートや聞き取りなどで調べました。
今回の有効回答数は日本が1,000件、中国が1,547件でした。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)中国人の日本への印象が急激に悪化
調査では、中国人の日本に対する印象が急激に悪化していることが浮き彫りになりました。
日本への印象を「良い」「どちらかと言えば良い」と答えたのは32%でした。これは昨年の45.2%から13ポイントの低下を示しています。
良い印象の理由としては「日本製品は品質が高いから」が52.6%、「日本人は礼儀があり、マナーを重んじ、民度が高いから」が49.4%と並んでいます。
一方で「良くない」「どちらかと言えば良くない」は66.1%で昨年の52.9%と比べて大幅に上昇しました。
良くない印象の理由としては「中国を侵略した歴史についてきちんと謝罪し反省していないから」が最多の77.5%の占めています。一方、「一部の政治家の言動が不適切だから」が昨年から9ポイント近く上昇し21%に達しました。
「日中関係の発展を妨げるもの」という質問に対しては「領土をめぐる対立」が62.4%、「両政府の間に政治的信頼関係ができていない」が29.3%でした。
日本人の中国への印象も5年ぶりに悪化
日本人の中国への印象が「良くない」「どちらかと言えば良くない」と答えたのは90.9%に達しました。昨年は89.7%で9割台を超えたのは2016年以来5年ぶりで、過去4番目に悪い数字となりました。
良くない印象の理由としては「尖閣諸島周辺の日本領海や領空をたびたび侵犯しているから」が58.7%、「中国が南シナ海などでとっている行動が強引で違和感を覚えるから」が49.2%、「国際的なルールと異なる行動をするから」が49.1%でした。
政治面での緊張が印象悪化の主原因か
日本側の調査を担った言論NPOの工藤泰志代表は「米中対立もあり両国で安全保障に対する懸念が高まる一方で、この1年間では政府レベルの取り組みがなく不安が放置された結果だ。来年は日中国交正常化50周年だが、今から日本と中国がどのような関係を目指していくか本質的な議論をするべきだ。」と話しました。
また、中国で調査が実施された時期は日本で自民党総裁選が実施された時期と重なることから、候補者の発言などが中国メディアで批判的に報じられた影響もあると指摘しました。
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<参考>
言論NPO:中国国民の日本に対する意識が、この一年間で急激に悪化したことが明らか
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