中国ビジネスにおいて、「物流」は非常に重要な位置を占めています。
日本と中国では物流における繋がりも強く、最近では中国から輸出されるECサイトも増えています。
新型コロナウイルスの影響により、電子商取引はさらに活発となり、中国事業における物流の確保や仕組みの把握は非常に重要となります。
「世界の市場」とも呼ばれる中国は、世界の貿易額の5分の1を担っています。
2018年の世界貿易相手国第1位にもなっており、世界経済に大きな影響を与えています。
この記事では、中国における物流の仕組みや特徴のほか、記事の後半ではコロナ禍での遅延の原因についても触れていきます。
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中国における輸出の特徴 ハイテク製品が主要に
中国は、主に原料を輸入し国内で加工を行い輸出する「加工貿易」を行っています。
ここでは主な輸出相手国や輸出品目から、中国の輸出の特徴を見ていきます。
中国の主な輸出相手国と輸出主要品目
まず中国の主な貿易相手国を紹介します。
ここではコロナ禍以前の2018年のデータを扱い、輸出国の特徴を見ていきます。
まず主な輸出相手国として、上位5か国はアメリカ(19.2%)、香港(12.1%)。日本 (5.9%)、韓国(4.4%)、ドイツ(3.1%)インド(3.1%)(()内はシェア率)となっています。
次に輸出主要品目として、一時製品の構成比が5.4%、工業製品の構成比が94.6%となっています。
約9.5割を工業製品が占めており、中国の加工貿易の特徴とも言えます。
一次製品の多くを占めているのは食品、生きている動物、動物製品が2.6%で、工業製品では、輸入と同じく機械・輸送設備が48.6%で1位を占めています。
中国の輸出品目の詳細から見る特徴
中国は、ハイテク製品の生産拠点として世界的に知られています。
前述の機械・輸送設備の中でも、携帯電話(有線・無線)が多くを占めています。
世界でのハイテク製品の需要の高まりにより、近年ハイテク製品の生産・輸出の占める割合が多くなっています。
中国における輸入の特徴 加工貿易を支える半導体
ここでは、主な輸入相手国や主要輸入品を紹介します。
前述の通り、中国は加工貿易を行っており、輸出品にもその特徴は現れていましたが、輸入品からはさらにその特徴をつかむことができます。
中国の主な輸入相手国と主要輸入品目
輸出と同様に、2018年のデータで中国の主な輸入相手国と主要輸出品目を見ていきます。
主な輸入相手国の上位5か国は韓国(9.6%)、日本 (8.5%)、台湾 (8.3%)、アメリカ (7.3%)、ドイツ (5.0%)、オーストラリア (4.9%)となっています。
日本に焦点を当てると、輸出では3位、輸入では2位となっています。
次に輸入主要品目においては、一次製品の構成比が32.9%、工業製品の構成比が67.1%となっています。
一次製品内では、 鉱物燃料、潤滑油および関連原料が16.3%と最も多くの割合を占めており、工業製品の輸入で一番の割合を占めているのは機械・輸送設備で39.3%となっています。
中国の輸入品目の詳細から見る特徴
輸入の工業製品の割合の詳細を見ると、集積回路の割合が大きくなっています。
他にもハイテク製品のための半導体や液晶が割合の上位を占めており、輸入品目を見ることで、中国の加工貿易への理解が深まります。
コロナ禍による中国の物流混乱、世界への影響は
コロナ禍により、世界各国の物流は大きく混乱しました。
世界最大の貿易大国である中国の輸出入にも大きな影響があり、遅れや混乱が見られました。
コロナ禍の世界の物流状況を見つつ、中国にもフォーカスを当てて紹介します。
現在も続く港湾混雑・コンテナ船の沖待ちによる輸送遅延
2020年11月から、港湾混雑・コンテナ船の沖待ちによる輸送遅延が起こっています。
1つの原因としてコロナ禍が挙げられ、2020年第2四半期、コロナ禍により各国の経済が停止する中、中国は早期に回復し、中国の自動車や電気類の輸出は急増しました。
また中国の最大輸出相手国である米国では、同タイミングに巣篭もり需要による中国製品の輸入が増加し、米国の港のコンテナ貨物量が急増し前年水準を越えました。
その流れが世界主要港に連鎖して港湾混雑は深刻化し、現在もスペース不足は続いています。
中国物流に対する知識と、最新の動向把握を
中国は2001年のWTO加盟以降、わずか15年程度で米国と並ぶ世界最大規模の貿易大国となり、2017年には世界第1位の輸出国となりました。
中国の貿易相手国は、輸出ではアメリカ、輸入では韓国が最も取引が多く、日本も輸出で3位、輸入で2位と主要な貿易国となっています。
主に加工貿易を手がける中国は、輸出品目では工業製品が9.5割を占め、輸入品目でも機械・輸送設備や、集積回路など工業製品の割合が多くなっています。
近年では、コロナ禍で発生した巣篭もり需要による遅延が問題となっています。
中国ビジネスをスムーズに進めるためには、中国物流に対する知識を深め、最新の動向を把握することが欠かせません。
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<参照>
・経済産業省:第3節 中国の対外貿易投資に関する分析
・野村総合研究所:新型コロナが国際物流に与えた影響
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