中国の物流の特徴 コロナ禍での混乱、遅延は何故起きたか

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

中国ビジネスにおいて、「物流」は非常に重要な位置を占めています。

日本と中国では物流における繋がりも強く、最近では中国から輸出されるECサイトも増えています。

新型コロナウイルスの影響により、電子商取引はさらに活発となり、中国事業における物流の確保や仕組みの把握は非常に重要となります。

「世界の市場」とも呼ばれる中国は、世界の貿易額の5分の1を担っています。

2018年の世界貿易相手国第1位にもなっており、世界経済に大きな影響を与えています。

この記事では、中国における物流の仕組みや特徴のほか、記事の後半ではコロナ禍での遅延の原因についても触れていきます。


【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】

会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

中国における輸出の特徴 ハイテク製品が主要に

中国は、主に原料を輸入し国内で加工を行い輸出する「加工貿易」を行っています。

ここでは主な輸出相手国や輸出品目から、中国の輸出の特徴を見ていきます。

中国の主な輸出相手国と輸出主要品目

まず中国の主な貿易相手国を紹介します。

ここではコロナ禍以前の2018年のデータを扱い、輸出国の特徴を見ていきます。

まず主な輸出相手国として、上位5か国はアメリカ(19.2%)、香港(12.1%)。日本 (5.9%)、韓国(4.4%)、ドイツ(3.1%)インド(3.1%)(()内はシェア率)となっています。

次に輸出主要品目として、一時製品の構成比が5.4%、工業製品の構成比が94.6%となっています。

約9.5割を工業製品が占めており、中国の加工貿易の特徴とも言えます。

一次製品の多くを占めているのは食品、生きている動物、動物製品が2.6%で、工業製品では、輸入と同じく機械・輸送設備が48.6%で1位を占めています。

中国の輸出品目の詳細から見る特徴

中国は、ハイテク製品の生産拠点として世界的に知られています。

前述の機械・輸送設備の中でも、携帯電話(有線・無線)が多くを占めています。

世界でのハイテク製品の需要の高まりにより、近年ハイテク製品の生産・輸出の占める割合が多くなっています。

中国における輸入の特徴 加工貿易を支える半導体

ここでは、主な輸入相手国や主要輸入品を紹介します。

前述の通り、中国は加工貿易を行っており、輸出品にもその特徴は現れていましたが、輸入品からはさらにその特徴をつかむことができます。

中国の主な輸入相手国と主要輸入品目

輸出と同様に、2018年のデータで中国の主な輸入相手国と主要輸出品目を見ていきます。

主な輸入相手国の上位5か国は韓国(9.6%)、日本 (8.5%)、台湾 (8.3%)、アメリカ (7.3%)、ドイツ (5.0%)、オーストラリア (4.9%)となっています。

日本に焦点を当てると、輸出では3位、輸入では2位となっています。

次に輸入主要品目においては、一次製品の構成比が32.9%、工業製品の構成比が67.1%となっています。

一次製品内では、 鉱物燃料、潤滑油および関連原料が16.3%と最も多くの割合を占めており、工業製品の輸入で一番の割合を占めているのは機械・輸送設備で39.3%となっています。

中国の輸入品目の詳細から見る特徴

輸入の工業製品の割合の詳細を見ると、集積回路の割合が大きくなっています。

他にもハイテク製品のための半導体や液晶が割合の上位を占めており、輸入品目を見ることで、中国の加工貿易への理解が深まります。

コロナ禍による中国の物流混乱、世界への影響は

コロナ禍により、世界各国の物流は大きく混乱しました。

世界最大の貿易大国である中国の輸出入にも大きな影響があり、遅れや混乱が見られました。

コロナ禍の世界の物流状況を見つつ、中国にもフォーカスを当てて紹介します。

現在も続く港湾混雑・コンテナ船の沖待ちによる輸送遅延

2020年11月から、港湾混雑・コンテナ船の沖待ちによる輸送遅延が起こっています。

1つの原因としてコロナ禍が挙げられ、2020年第2四半期、コロナ禍により各国の経済が停止する中、中国は早期に回復し、中国の自動車や電気類の輸出は急増しました。

また中国の最大輸出相手国である米国では、同タイミングに巣篭もり需要による中国製品の輸入が増加し、米国の港のコンテナ貨物量が急増し前年水準を越えました。

その流れが世界主要港に連鎖して港湾混雑は深刻化し、現在もスペース不足は続いています。

中国物流に対する知識と、最新の動向把握を

中国は2001年のWTO加盟以降、わずか15年程度で米国と並ぶ世界最大規模の貿易大国となり、2017年には世界第1位の輸出国となりました。

中国の貿易相手国は、輸出ではアメリカ、輸入では韓国が最も取引が多く、日本も輸出で3位、輸入で2位と主要な貿易国となっています。

主に加工貿易を手がける中国は、輸出品目では工業製品が9.5割を占め、輸入品目でも機械・輸送設備や、集積回路など工業製品の割合が多くなっています。

近年では、コロナ禍で発生した巣篭もり需要による遅延が問題となっています。

中国ビジネスをスムーズに進めるためには、中国物流に対する知識を深め、最新の動向を把握することが欠かせません。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

<参照>
・経済産業省:第3節 中国の対外貿易投資に関する分析
・野村総合研究所:新型コロナが国際物流に与えた影響

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

  • 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
  • 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
  • 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
  • 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける

詳しくはこちらをご覧ください。

宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに