2021年10月29日、国土交通省は11月1日からタクシーの相乗りを全国で解禁することを発表しました。
タクシーの相乗りでは、運賃を乗車距離で案分するため、単独で乗るより割安になります。
本記事では、タクシー相乗りの仕組みや、そのメリットやデメリットについて解説するとともに、今後の動向について考察します。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)タクシー相乗りの仕組みやメリット
国土交通省は10月29日、タクシー相乗りを11月1日から全国で解禁することを発表しました。
それまで、タクシーは1回の運送につき1つの運送契約が結ばれるという法律で、タクシーの相乗りは法律上禁止されていました。
当初は2019~2020年に解禁予定でしたが、国土交通省は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、解禁時期を調整してきました。
サービスの開始は、事業者側の準備が必要となるため、数か月先になると見られています。
当面は新型コロナウイルス対策として、当面は3人掛けの後部座席は2人までとするなどの対応が求められます。
ここではタクシー相乗りの仕組みと、そのメリットを紹介します。
相乗りする際の運賃やマッチングの仕組み
相乗りは事前予約制で、スマートフォンのアプリ上で、同じ時間帯に同じ方向の目的地の人がいるとマッチングされ、走行経路や運賃に同意すると相乗りが可能となります。
同乗者同士で割り勘できるため運賃が安くなり、客同士のトラブルを避けるため、車両タイプや男女同乗の可否などは、あらかじめアプリで同意を得るようになっています。
運賃は乗車距離に応じて分担されますが、座席指定した客を割高にしたり、障害者を安くすることが認められています。
また相乗りサービス提供の費用などを転嫁するため、国の認可があれば運賃を通常より最大2割増しにできます。
運賃の計算やマッチングはアプリが自動的に行うため、アプリを利用せずにドライバーがタクシー乗り場で客を集めて相乗りさせることはできません。
タクシー相乗りのメリット
タクシー相乗りのメリットはまず、顧客が運賃を案分できるため、1人で乗車するよりも安い運賃でタクシーに乗車できることです。
アプリ上で運賃が計算されるため、乗客同士で面倒な割り勘作業をする必要もありません。
またタクシー会社側にもメリットがあります。
料金が安くなることで、これまで「タクシーは高いから乗れない」とタクシー利用を敬遠していた人も気軽に利用できるようになり、新たな顧客を獲得できる可能性があります。
さらに1台のタクシーで複数の顧客を同時に乗せることができるため、運転手不足の解消にもつながります。
交通インフラが整っていない地方では住民の足にもなり、地方観光もより容易になると期待されます。
さらに社会的なメリットもあり、通勤・退勤ラッシュの混雑緩和や、天候不良などによるタクシー乗り場の混雑解消のほか、CO2の削減による環境問題への配慮にもつながります。
相乗りタクシーの問題点とは
相乗りタクシーには、前述の通りのメリットがある一方で、デメリットも懸念されています。
実際に2018年に行われた実証実験では、不安の声も挙がっていました。
相乗りタクシーのデメリット、課題とは
相乗りタクシーの場合、まったくく知らない他人同士が乗ることになるため、マナーや犯罪について不安の声もあります。
マナー問題としては、同乗者が大声で電話したり、むやみに話しかけるといったことが考えられます。
またコロナ禍におけるソーシャルディスタンス対策も考慮する必要があり、マスク着用などの衛生管理を徹底すべきでしょう。
さらに、相乗りしている相手に自分の住所や勤務先を知られないようにするためには、自宅・職場の目の前で降りないなどの自己防衛も重要になります。
相乗りタクシーの注意点
ストーカー被害やその他犯罪を避けるためには、先述の通り、自宅や職場の目の前で降車することは避けるべきでしょう。
異性との乗車の同意を事前にアプリで取るなどの対策も考えられます。
なお相乗りの場合は同乗者がいるため、途中で目的地が変更できない点についても注意が必要です。
もし途中で目的地や走行経路を変更する可能性がある場合は、相乗りではなく通常のタクシーを利用するほうが良いでしょう。
タクシーの相乗り解禁、今後どのように広まるのか
コロナ禍で解禁時期が調整されていたタクシーの相乗りが、ついに11月1日から全国で解禁されました。
タクシー相乗りにはさまざまなメリットがあり、都心部と地方では、まったく異なるかたちで活用されるものと考えられます。
そのメリットは大きく、普及が進めば現代社会における課題である電車の混雑やタクシー渋滞の緩和にもつながると考えられます。
デメリットもあるものの、今後発表されるアプリの仕組みや、相乗りできるタクシー自体に対策が施されることも期待されます。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
【11/26開催】インバウンドの受け入れを「仕組み化」で乗り切る!宿泊・観光業の人手不足を解消する革新的ソリューションを紹介

外国人観光客の爆発的増加に伴い、スタッフの人手不足に直面する宿泊・観光業界。
さらには多言語対応やあらゆるサポートも求められ、キャパシティが限界状態にある事業者も少なくはないでしょう。
そこで訪日ラボでは、「人手不足を補いながらインバウンド対応を強化する」実践策を紹介するセミナーを開催します。
DXによる業務効率化や自動化、多言語対応の仕組みづくり、24時間・22言語対応の医療通訳付きオンライン診療、そして多言語での口コミ・MEO対策の無理のない運用方法まで、“少ない人員でも安心して外国人観光客を受け入れられる仕組み” を解説します。
<セミナーのポイント>
- 人手不足の現場でも実践できる、インバウンド対応・業務効率化のヒントがわかる!
- 多言語対応や医療連携など、“安心・安全な受け入れ体制”を整える具体策が学べる!
-
集客から滞在サポートまで、インバウンド受け入れを総合的に学べる!
→【11/26開催】インバウンドの受け入れを「仕組み化」で乗り切る!宿泊・観光業の人手不足を解消する革新的ソリューションを紹介
【インバウンド情報まとめ 2025年11月前編】中国、日本への渡航自粛を要請 / 2025年冬の国際定期便、過去最高の便数に ほか

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に10月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※訪日ラボ会員にご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国、日本への渡航自粛を要請 / 2025年冬の国際定期便、過去最高の便数に ほか:インバウンド情報まとめ【2025年11月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
訪日ラボの会員限定コンテンツ「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!
その他、訪日ラボの会員になるとインバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い教科書コンテンツやインバウンドを分析したレポート、訪日ラボのコンサルチーム登壇のセミナーなど役立つコンテンツが盛りだくさん!










