メキシコ関税制度の基礎 関税の品目から日メキシコ経済連携協定まで解説

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メキシコと貿易を行うにあたっては、メキシコの関税制度について理解しておく必要があります。

メキシコ関税の種類や課税品目、日本とメキシコの貿易関係について解説します。

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メキシコ関税の基礎

メキシコの関税体系や、種類、品目について解説します。

メキシコの関税体系

メキシコの関税は、一般税率、産業分野別生産促進プログラム(PROSEC)優遇関税、各FTA締結国向け税率、ラテンアメリカ統合連合(ALADI)譲許関税率などの複税制で成り立っています。

産業分野別生産促進プログラム(PROSEC)優遇関税とは、「国内生産の促進」という観点で設定されているものです。

これを利用することで、在メキシコ製造業者は、必要な部品・原材料、機械などを0%、3%、5%等の優遇関税で輸入することができます。

ただしPROSEC指定業種のリストにある完成品をメキシコで製造し、製造に必要な原材料・部品および機械・設備(含む工具類)が優遇関税の適用を受ける品目に指定されていることが前提となります。

関税の種類、課税基準

関税の種類は従価税で、特定品目については従量税となっています。

従価税は、輸入品の価格に対して税を課すもので、税率が同等であれば、価格が高い物品の方が税金が高くなります。

いっぽう従量税は、輸入品の量に対して税を課すもので、個数や重量などを指し、税率が同等であれば、少ないものより多いもの、軽いものより重いもの、小さいものより大きいものの方が、税金が高くなります。

課税基準は、コンテナによる船積み貨物の引き渡しでよく使われる、FOB価格に運賃・保険料を加えた取引価格「CIF価格」に基づいており、 輸入港までの諸費用を売り手がすべて負担することとなります。

品目

品目分類は、国際貿易における世界共通の分類番号である「HS分類」が使われます。

HS分類とは、輸出入されるさまざまな物品に固有の分類番号をつけることで、その物品がどのような物なのかを理解できるようにした、世界共通の番号です。

1988年1月に、世界税関機構(WCO)が定める「商品の名称及び分類についての統一システム」に関する国際条約に基づくHSコードを採用し、現在輸出入申告で適用するHSコードは合計10桁となっています。

日本とメキシコの貿易

日本と韓国における昨今の貿易について解説します。

日メキシコ経済連携協定(EPA)

日メキシコ経済連携協定(EPA)は、日本とメキシコのさらなる経済関係強化を目指して締結されました。

2002年11月から始まり2年近くにおよんだ交渉の結果、2004年3月に関係閣僚間で本協定の大筋合意に至り、法技術的な整備作業を経て、2004年9月に両国首脳間で協定に正式署名されました。

日本としてシンガポールに次ぐ2番目の自由貿易協定で、農産物などの分野も含む本格的な内容となっています。

この協定の発効により、それまでメキシコへの輸出品に付加されていた平均関税率(約16%(2001年平均実効税率ベース))の大部分が10年以内に撤廃されることとなりました。

さらに投資・サービス、政府調達などの分野において、日本はメキシコにおいて欧米等諸国と同等の競争環境を得られることとなりました。

協定の発効後、メキシコへの日本からの輸出量(2008年)は、協定発効前の2004年から約1.6倍にも増加し、日本のメキシコからの輸入量も約1.5倍となりました。

自動車関連企業による生産増強や販売拠点設立などといった投資面での活性化も見られ、投資セミナーやエネルギーセミナーなど、両国間の経済連携強化のための取り組みもさかんとなっています。

また2011年に協定見直しのための交渉が行われたことで、貿易をめぐる市場アクセス条件はさらに改善され、原産地証明の方法として認定輸出者による原産地申告制度も導入されました。

鉄鋼製品の輸入に15%の関税

2021年12月23日、メキシコ政府は鉄鋼製品の輸入に対し15%の関税を導入しました。

新型コロナウイルスの影響を受けた国内産業の保護を目的とした一時的な措置で、2024年までに税率を段階的に引き下げます。

鉄鋼製品112品目に関税を導入するもので、2022年6月29日まで一律15%の関税を維持し、翌日以降は品目ごとに段階的に引き下げられ、24年10月以降は94品目は関税ゼロとなります。

TPP(環太平洋経済連携協定)に加盟する日本は対象外であるものの、韓国などから輸入する鉄鋼製品を利用する日本企業の現地法人などは、影響を受ける可能性があります。

なおメキシコ経済省によれば、USMCA(アメリカ・メキシコ・カナダ協定)を結ぶ、アメリカとカナダから輸入する場合は、今回の措置の対象外とされています。

関税の基礎を理解 最新事情もチェック

国によって関税の仕組みは異なるため、メキシコとのビジネスを推進するにあたって、メキシコの関税の基礎を理解することは重要です。

さらに関税制度の基礎を理解し、最新事情を常に確認していく必要があります。

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<参照>

財務省関税局:関税分類について

経済産業省:日メキシコEPA

在メキシコ日本国大使館:日墨経済連携協定(EPA)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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