航空会社なのに和牛を販売? 新興LCCとして新たな体験構築に挑むZIPAIRの特徴を紹介

完全無料 訪日ラボ会員 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

「安く気軽に」を実現し、旅の選択肢を広げる格安航空会社LCC)。その価格を維持するには、往復で搭乗率を上げるなど、インバウンドを含む需要喚起が欠かせません。

日本初の国際線中長距離LCCZIPAIR」を運航するZIPAIR Tokyoは、日本人だけでなく外国人からも選ばれる航空会社になるため、単なるコストカットではない新たな付加価値の提供を進めています。

本記事では、そんな同社のこれまでの歩みや、インバウンド強化を含む画期的な取り組みの一部をご紹介します。

アメリカ本土にも複数路線を就航 日本唯一の中距離LCC

ZIPAIRは、JALグループに属する国際線LCC(ロー・コスト・キャリア)企業で、2018年7月に前身となる準備企業を設立。その後、2019年3月に社名をZIPAIR Tokyoへ変更し、2020年6月より貨物専用便、同年10月より旅客便の運航を開始しました。

成田空港を拠点とするZIPAIRの最大の特徴は、運航する航空便の形態にあります。これまで、日本のLCCは保有する航空機やコスト効率の観点から、アジアを中心とする短距離路線を中心に展開していましたが、ZIPAIRアジアに加え、北米便もラインアップ。これにより、「中長距離LCC」としてのブランド力を増しています。

ZIPAIRが現在運航している国際線(2026年7月時点)

  • 【韓国】ソウル・仁川線
  • 【台湾】台北・桃園線 *チャーター便
  • 【タイ】バンコク・スワンナプーム線
  • 【シンガポール】シンガポール線
  • 【アメリカ】ホノルル線
  • 【アメリカ】サンフランシスコ線
  • 【アメリカ】サンノゼ線
  • 【アメリカ】ロサンゼルス線
  • 【アメリカ】ヒューストン線
  • 【アメリカ】オーランド線 *チャーター便
  • 【カナダ】バンクーバー線

なお、ZIPAIRは「New Basic」というブランド思想を掲げ、さまざまな角度から従来のLCCにはない新たな価値創出に挑戦しています。

ここからは、その取り組みをいくつか抜粋して紹介します。

LCCでも快適な機内体験を 座席・インターネット環境へのこだわり

ZIPAIRは機内体験を充実させるため、「座席」と「インターネット環境」にこだわりを見せています。

シートピッチはフルサービスキャリア級 フルフラットシートも

ZIPAIRには「Standard座席(普通席)」「ZIP Full-Flat座席」と2つの席種がありますが、Standard座席は一般的なLCCよりも広い約79cm(約31インチ)のシートピッチを提供。これは、ANAJALなどフルサービスキャリアの国内線と同等のサイズといわれています。

また、ZIP Full-Flat座席はその名のとおり、フルフラットシートを用意しています。世界を見ても、フラットシートの座席を提供するLCCは非常に少なく貴重です。飛行時間が10時間を超える路線もあることから、中長距離LCCとして快適な体験を提供しようという考えが垣間見られます。

アジアの航空会社初 上空でも地上同様のネット環境が確保できる「Starlink」を搭載

ZIPAIRでは2026年2月より、アジアのエアラインで初めて高速インターネット「Starlink」の搭載を開始しました。約3か月かけて全機に搭載し、現在はすべてのボーイング787-8型機で無料で利用ができるようになっています。

上空で地上と変わらないインターネット環境を確保することで、乗客自身の端末を介した機内販売や機内エンターテインメントサービスの円滑な提供を実現。機内販売ではセルフオーダーシステムを採択することで、キャッシュレス・コンタクトレスなサービス提供をかなえています。

航空会社ならではのユニークなお土産サービス提供も

同社のユニークさは、物販分野でも発揮されています。これまで、自社ECサイト「ZIPAIR Online Shop」の展開に加え、機内販売や搭乗客向けのオプショナルサービスを通じて美容商品や和牛、お米、いちごなどの事前予約販売を行ってきたZIPAIRが、新たに展開を拡大しているのがお土産サービス「AKIBA ZIP」「AKIBA GO」です。

ZIPAIRに乗って到着空港のターンテーブルで受け取り「AKIBA ZIP」

▲AKIBA ZIPのサイトトップイメージ図:ZIPAIR Tokyoプレスリリースより抜粋
▲AKIBA ZIPのサイトトップイメージ図:ZIPAIR Tokyoプレスリリースより抜粋

AKIBA ZIPは、2024年12月にサービスを開始した、ZIPAIR搭乗者専用のお土産事前注文サービスです。成田空港を出発する航空便の搭乗者を対象に、フライトと購入情報を紐づけることで購入者は商品の持ち運びやパッキング、輸出検疫手続きの手間なく、希望する商品を日本から持ち出せるようになりました*。

AKIBA ZIPで購入した商品はZIPAIRが到着空港まで運ぶため、購入者は降機後に自身の手荷物同様ターンテーブルで受け取ることで、商品を手に入れられます。

サービスは、BtoC-ECの枠を超えた新たなカスタマージャーニーを描くものとして、注目を集めています。

*アメリカ路線のみ、保安上の理由から購入者自身による出発1時間前までの受け取りと受託手荷物預けが必要

ZIPAIR搭乗者以外も検疫手続きなしで和牛を買える「AKIBA GO」

▲AKIBA GOのサイトトップイメージ図:ZIPAIR Tokyoプレスリリースより抜粋
▲AKIBA GOのサイトトップイメージ図:ZIPAIR Tokyoプレスリリースより抜粋

AKIBA ZIPをさらに拡張したお土産事前注文サービスとして、ZIPAIRが2025年12月より開始しているのが「AKIBA GO」です。

AKIBA GOは、成田空港羽田空港を出発するZIPAIR以外の国際線エアラインを利用する搭乗者に向けたサービスで、現在は和牛を販売しています。

サービスで購入した商品は、出発日に指定空港のJAL ABCカウンターで受け取ることが可能です。受託手荷物として預けられる状態で手渡されるため、購入者は商品の持ち運びを最小限に抑えられるほか、AKIBA ZIP同様にパッキング、輸出検疫手続きの手間なく気軽に商品を国外に持ち出せます。

なお、ZIPAIRは現在、ビックカメラと連携してAKIBA GOを活用した和牛の輸出販売強化に取り組んでいます。ビックカメラAKIBAの店頭で和牛を訴求し、AKIBA GOに送客することで、訪日客手ぶら観光の推進や、煩雑な手続きなしに和牛を手に入れられる新たな購買体験の実現を目指す方針です。

【8/7開催】ZIPAIRマーケ施策の立役者が攻めのデジマ・サービス設計を語る

航空業界の常識を覆す、新たな視点からサービス開発、施策展開をするZIPAIR。その攻めの姿勢や独自性の源泉は、どこにあるのでしょうか。

訪日ラボが8月7日に開催する主催カンファレンスTHE INBOUND DAY 2026」にて、ZIPAIR Tokyo CMOの松尾拓哉氏が登壇し、その舞台裏を紐解きます。

航空・旅行業界の最新動向や、デジタルマーケティングのトレンドを知りたい方も必見のセッションです。ぜひお気軽にご参加ください。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!

訪日ラボに相談してみる

<参照>

日本の魅力ある商品を在日外国人インフルエンサーとつなげるマッチングプラットフォーム「trial JAPAN」

「trial JAPAN」は日本の魅力ある商品を在日外国人インフルエンサーとつなげるマッチングプラットフォームです。

インバウンド向け外国人インフルエンサー施策を、煩雑な交渉やスケジュール調整などの手間なくすぐに始められます。

従来のインフルエンサー施策より、低コストで運用負担を抑えられるため、継続的なインバウンド市場への認知拡大を実現します。

詳しくはこちらをご覧ください。

インバウンド集客のはじめの一歩なら「口コミコム」で

Googleマップ・口コミ・多言語対応まで、訪日外国人に“選ばれる店舗づくり”をまるっとご支援します。

訪日ラボ運営のmovだからこそできるサポートを試してみませんか?

▶ 訪日外国人の集客対策をはじめる

【好評配信中】インバウンド需要を逃さない宿泊施設とは? 〜予約獲得から、現場を疲弊させないスマートな運営まで〜


本セミナーでは、宿泊施設におけるインバウンド集客と自社予約強化をテーマに、AI時代に求められる集客・予約戦略について解説します。

訪日外国人観光客の増加が続く一方で、旅行者の宿泊施設の探し方は大きく変化しています。Googleマップや口コミに加え、生成AIを活用した検索が広がるなか、宿泊施設には「選ばれるための情報発信」と「予約につなげる導線づくり」がこれまで以上に重要になっています。

本セミナーでは、Lighthouseがインバウンド市場や宿泊予約の最新トレンドを解説するとともに、movがAI時代におけるGoogleマップ・口コミ活用のポイントを紹介します。さらに、集客した旅行者を自社予約へつなげる最新戦略についてもお伝えし、宿泊施設の売上向上につながる実践的なヒントをお届けします。

<セミナーのポイント>
・訪日外国人の最新動向や宿泊予約トレンドがわかる
・AI時代に選ばれるGoogleマップ・口コミ活用のポイントがわかる
・インバウンド需要を自社予約につなげる最新戦略が学べる

詳しくはこちらをご覧ください。

▶ AI時代、宿泊施設のインバウンド予約を増やすには? Googleマップ活用から自社予約強化まで解説

完全無料 訪日ラボ会員 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに