大阪IR開業まで残り4年、最新動向まとめ 経済・観光への効果は?

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2030年の開業が予定されている、「大阪IR統合型リゾート)」。2025年に開催された大阪・関西万博の会場である夢洲(ゆめしま)にて、開業に向けた取り組みが着々と進められています。

そこで本記事では、大阪IRの開業まで残り4年となった今、大阪IRのこれまでの歩みと最新動向を紹介していきます。

関連記事:「IRは一つの通過点」大阪のインバウンド消費5兆円へ 元大阪府知事 橋下氏・大阪観光局 理事長 溝畑氏が対談

大阪IRとは?

IRは「Integrated Resort」の略で、「統合型リゾート」と呼ばれています。国際会議場や展示場、ホテル、レストラン、エンターテイメント施設、カジノなどで構成される観光集客施設で、世界ではラスベガスやマカオをはじめとする各地で設立されています。

日本では2016年にIR推進法が成立して以降、全国各地がIR誘致に動き出し、長崎県大阪府が国に計画を申請。2023年4月に大阪のIR区域整備計画が認定され、誘致に成功しました。日本最大規模の国際会議場の整備計画や、経済波及効果などが肯定的に評価されました。

大阪IRは2025年4月には起工式が行われ、2030年夏頃に工事完了、2030年秋頃の開業が予定されています。

大阪IRの開業後、毎年の経済波及効果は約1兆1,400億円に

区域整備計画によると、大阪IRの経済波及効果は建設段階で約2兆3,700億円、開業後も毎年約1兆1,400億円と見込まれています。

雇用も建設段階で約17.5万人、開業後は毎年約9.3万人(うちIR施設内で約1.5万人)が想定されており、一度きりの建設需要にとどまらず、開業後も継続的に雇用が創出される点が特徴です。

この雇用を支えるのが、来訪者と売上の規模です。開業3年目の来訪者数は年間約2,000万人(国内約1,400万人・国外約600万人)、事業全体の売上高は約5,200億円(ゲーミング約4,200億円・ノンゲーミング約1,000億円)と試算されています。

自治体側の収入については、IR事業者が納める納付金と入場料が合計で年間約1,060億円(納付金約740億円・入場料約320億円)にのぼり、大阪府大阪市で均等配分されます。

これとは別に大阪府に約50億円、大阪市に約110億円の税収も見込まれています。

大阪IRによる観光への効果は?

IRといえば「カジノを中心としたリゾート」という見方もありますが、大阪IRにおける約78万㎡の総延床面積のうちカジノ行為区画は3%以内であり、あくまでもIRの構成要素の一つとなっています。

そのほかに国際会議場や展示場、大阪・関西や日本の魅力を発信する魅力増進施設、日本各地に観光客を送り出す送客施設などが整備される予定で、新たな観光拠点としても注目されています。

世界水準のMICE拠点を形成

一般的な観光とは異なり、国際会議や企業による会議、報奨・研修旅行などを指す「MICE」は、経済波及効果の高さや文化的・教育的影響が期待されています。

日本でも積極的な誘致が進められており、大阪は「日本No.1、アジア有数のMICE都市」を目指してMICEの誘致体制を強化しています。

そこで大阪IRでは、世界水準のオールインワンMICE拠点を形成し、大阪・関西の経済成長をけん引するMICEの誘致・開催を整備目標の一つに掲げています。

国際会議場施設は、国首脳級・閣僚級の重要な国際会議にも対応できる機能を備える計画です。収容合計人数が1万2,000人以上となる規模感で、最大6,000人以上を収容可能なグランドボールルームなどが整備されます。

大阪IRでは、大阪・関西が強みを持つ10の産業領域を設定し、領域ごとに年間5件程度の国際的規模の展示会等の開催を目指すほか、大阪観光局や地域のDMOなどと緊密に連携し、MICEデスティネーションとしての大阪・関西の振興に継続的に取り組むとしています。

日本の魅力を発信&各地へ送客する拠点に

大阪IRでは、魅力増進施設と送客施設の連携によって各地に観光客を送り出すことを目指しています。

魅力増進施設では、日本の魅力を創造・発信する施設として、伝統芸能を取り入れたコンテンツや体験型イベントといったプログラムが展開されます。

送客施設は「日本観光のゲートウェイの形成」を目標に掲げています。具体的には、最新の観光情報を紹介するショーケース機能や、旅行の企画から手配までをワンストップで提供するコンシェルジュ機能のほかに、夢洲から大阪内外へのアクセスを強化する交通機能などが含まれています。

大阪IRだけで完結させるのではなく、大阪・関西や広域への送客強化、周遊促進、地域での消費喚起を目指しています。

大阪IRに関する最新動向

2030年の大阪IR開業に向けて、ほかにもさまざまな取り組みが進められています。

交通インフラ整備を推進

交通インフラ整備については、まず大阪・関西万博に向けて2025年1月に大阪メトロ中央線の夢洲駅が開業しました。

その後、大阪府・市は同年8月に、夢洲に北側からアクセスする鉄道路線に関する検討結果を公表し、JR桜島線および京阪中之島線の延伸について、建設計画や運行計画などのさらなる検討を進めるとしました。

ほかにも大阪IRの開業に向けて、鉄道だけでなくバスターミナルやフェリーターミナルの整備計画も進められています。

一方で、2025年12月に実施された大阪観光局の事業者向けセミナーでは、富裕層にも対応可能な移動手段を確保する必要性が指摘されました。さまざまな案が検討されているものの、計画が進んでいない状況が課題とされているため、実際の交通インフラ整備について注視していく必要がありそうです。

関連記事:2030年IR開業に向け、大阪が見据えるアフター万博の観光戦略とは?

ホテル開業も活発化

大阪IRの開業を見据えた動きは、観光・ホテル業界にも広がっています。IR内の宿泊施設としては、超富裕層向けの最高級ホテルから多世代型のアクアリゾートホテル、エンターテインメントホテルまで、客室合計約2,500室にのぼる3つのホテルが計画されており、幅広い客層に対応した宿泊需要の受け皿となる見込みです。

民間ホテル市場でもIR開業へ向けた動きが活発化しており、大阪・関西万博の開催を機に高級ホテルの開業が相次いでいます。

例えば、大阪で7ブランドのホテルを展開するIHGホテルズ&リゾーツは、大阪および関西エリアを日本における成長戦略の中核に位置付けています。万博を契機とした国際的評価の高まりや、IRへの期待などを背景に展開するブランドの成長を見込んでおり、2029年にはUSJの隣接地にて大型ホテルを開業予定です。

ほかにもヒルトンが「グラングリーン大阪」にて最上級ラグジュアリーブランドホテルを開業させるなど、IRを訪れる富裕層の宿泊需要を取り込む動きが加速しています。

また大阪市内のシティホテル市場においても、リーガロイヤルホテルグループをはじめとしたホテルの開業が相次いでおり、IR開業に向けたさらなる供給拡大が期待されています。

関連記事:IHG、大型ホテルをUSJ隣接地に2029年開業 IR需要も取り込み

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訪日ラボ編集部

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