DMV(デュアル・モード・ビークル)とは、線路と道路の両方を走行できる、マイクロバスを改良した鉄道車両です。
道路も走れるため、災害時の活躍などが期待されています。
徳島県の阿佐海岸鉄道ではすでに実用化され、2021年12月25日から運行が開始されます。
本記事では、DMV導入による利点や、他の交通機関との比較も紹介します。
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DMVの特徴
DMVとは、列車が走る線路と、自動車が走る道路の両方を走行できるよう、改良されたバス車両のことです。
2021年12月25日から阿佐海岸鉄道で運用が開始され、注目されている交通手段のひとつです。
ここではDMVの車両の特徴や、メリット・デメリットを紹介します。
DMVとは
DMVは1930年代にイギリスで研究開発が始まり、ドイツやオーストラリア、日本などで開発が進められました。
当時は道路から線路への切り替え作業に時間がかかり、実用化には至りませんでしたが、北海道旅客鉄道はマイクロバスをベースにした車両を開発しました。
道路上はタイヤで走り、線路に入る際に、格納していた鉄製車輪を出して切り替えるものです。
阿佐海岸鉄道で実用化されるDMVのモードチェンジは10〜15秒で、乗客を乗せたまま行われます。
線路、道路を両方走行できることによるメリット・デメリット
DMVは、地方の赤字ローカル線における今後の活用が期待されています。
道路を利用してレールの伸びていない地域へ向かうなど、需要に合わせた活用が可能です。
DMVはマイクロバスを改造して製作されているため、通常の鉄道車両(ディーゼル車)に比べると非常にコンパクトで、燃料費などのランニングコストを削減することができます。
車体価格も安価ですが、専用のレールの導入や、乗り入れる道路の整備が必要となります。
また災害発生時にも、被災をまぬがれた線路と道路をつなぐことで、「支援チーム」の派遣や「救援物資」の輸送など、いち早い被災者支援が期待されます。
DMVは、鉄道モードでの運行時は鉄道事業法、道路上でバスとして運行する際には道路交通法に基づいて営業します。
そのためDMVを運転するためには両方の免許が必要となり、運転手の担い手が少ないという懸念があります。
またマイクロバスをベースにしているため、定員が少ないという課題もあります。
日本におけるDMV
四国にある徳島県と高知県境にある阿佐海岸鉄道・阿佐東線で、2021年12月25日よりDMVの運行が始まります。
DMVの運行は、世界初となります。
阿佐海岸鉄道にDMV導入
安佐海岸鉄道・阿佐東線で運行が開始されるDMVは、世界初の新たな乗り物であるため、新しい観光資源となりえます。
1992年に開業した阿佐東線は、徳島県海陽町と高知県東洋町を結ぶ全長8.5kmの鉄道で、車窓からの美しい景色が人気です。
DMVの運行開始により、国内や海外からも乗り物ファンが訪れることが期待されます。
今回DMVは3台導入され、それぞれ阿佐海岸鉄道に関連するテーマが紐づけられており、「天の川列車」や「恋活列車」など、年間を通して様々なイベントも実施されます。
当初は2020年の東京オリンピックまでに運用を開始し、海外からの観光客に来てもらうことを想定していましたが、2021年に延期されました。
今後海外旅行が解禁された際、インバウンド客も見込めると考えられます。
世界初のDMVの導入に、注目集まる
日本でのDMVの世界初導入に、海外からも注目が集まっています。
線路と道路の両方を走行できることによる観光資源以外としての活用も期待されており、今後の動向が注目されます。
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<参照>
徳島県:世界初!夢と希望のDMV(線路と道路両方を走行)の導入へ
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