観光庁は、「訪日外国人旅行者周遊促進事業費補助金(サステナブルな観光コンテンツ強化事業)」に係る計画、実証実験の公募を開始しています。
本事業は、サステナブルな観光コンテンツの具体的な推進を目指すものです。サステナブルツーリズムの取組を旅行者が実感できること、地域資源を保全する取り組みが地域で自走し、利益が地域に還元されることが条件となっています。
新型コロナウイルス禍以前のオーバーツーリズムやそれによる地域資源の荒廃を含め、持続可能的に運営できるよう、見直しが求められているでしょう。
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
「サステナブルな観光コンテンツ強化事業」の計画、実証実験の公募開始
観光庁は、世界的に「持続可能な観光(サステナブルツーリズム)」への関心が高まっていることを背景に、サステナブルな観光コンテンツの強化に力を入れています。
その一環として、サステナブルな観光コンテンツの計画、実証実験の公募が開始されました。
「訪日外国人旅行者周遊促進事業費補助金(サステナブルな観光コンテンツ強化事業)」に係る計画について
「サステナブルな観光コンテンツ強化事業」の計画においては、地域資源を適切に保全しながら利用するための施設改修・整備や設備・物品購入等に係る経費の一部を国が補助する事業です。
直接補助金が交付されるものではありません。交付については、計画が3月下旬に認定されたのちに再度交付申請書の提出が必要となります。
実施される事業・補助率については、以下の通りです。
目的 | 補助率 | 金額上限(下限はなし) |
サステナブルツーリズム推進のための設備・備品購入等 |
1/2以内 | 1計画当たり500万円 |
サステナブルツーリズム推進のための施設等の改修・整備 |
1/2以内 |
1計画当たり500万円 |
また、採択されるポイントは以下の通りだとしています。
- 補助対象事業終了後における事業継続の意思があること
- 一時的なイベントのための物品購入は不採択
- 地域関係者との連携や地域一体となった取組は優先的に採択
審査項目:事業計画の的確性、地域の一体性、事業計画の確実性、継続可能性
提出物:計画申請書、費用積算書、実施スケジュール、概要書、積算根拠資料
締切:2月28日(月)14:00必着 ※電子メールのみ
なお、サステナブルな観光の定義として、UNWTOの定義の他、地域資源を保全しながら持続的に利用する観光、マイナスの影響を無くす(オーバーツーリズム対策等)だけでなく、来訪者の訪問によるプラスの価値を付与する観光があげられます。詳しくは日本版持続可能な観光ガイドラインを参照することが求められます。
サステナブルな観光コンテンツ強化事業(実証事業)について
また、実証事業に関する募集も同時に行われています。
この事業は、国の調査に係る費用として支給されるものであり、調査費用としての経費のみが支給されることに留意する必要があります。また事業の結果は、幅広く横展開されることにも留意が必要です。
条件として、以下の2つを満たす必要があります。
- 国及び専門家と協働し、各地域に引き継がれた自然環境、文化・歴史、伝統産業等を観光資源としてフル活用し、同時に、経済・社会・環境の正の循環によりそれらの持続可能性や価値を更に高める仕組みを、観光サービス・地域づくりに実装し、そのための課題の抽出や解決を図るもの。
- 上述の[1]を通し、魅力ある地域資源の保全と活用を両立し、旅行者の新しいニーズを満たす持続可能な観光を体感してもらうサステナブルな観光コンテンツの具体的な確立、観光客の消費額増加や満足度向上を図るもの。
また実証事業の実施にあたり、事業計画書の作成、事業の進捗状況等の報告、事業実施報告書の作成等が必要となります。
採択されるポイントは以下の通りだとしています。
- サステナブルな観光コンテンツについて 持続可能なマネジメント、地域資源のサステナビリティ、社会経済のサステナビリティを複合的にコンテンツ化すること
- 専門家による事業のコーチングがあることに留意する
- 数日間のイベント、無料のモニターツアーなどは対象外
- 新型コロナウイルス禍の影響を加味した計画策定を行う
審査項目:事業内容の理解度、地域に対する理解度、取組の具体性、事業遂行の確実性、提案内容の採算性、提案内容の的確性、その他加点項目
提出物:申請書等、事業概要説明書 ※観光庁の公式サイトからダウンロードできます。
締切:3月7日(月)14:00必着 ※電子メールのみ
オーバーツーリズムの解決、そしてSDGsの目標を達成するためにも、一層観光業においてサステナビリティが意識されることとなりそうです。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
<参考>
観光庁:「訪日外国人旅行者周遊促進事業費補助金(サステナブルな観光コンテンツ強化事業)」に係る計画の公募を開始します
観光庁:サステナブルな観光コンテンツ強化事業(実証事業)の公募を開始します
中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!