長期化するコロナ禍の中、世界各地では観光業再開に向け門戸が開かれています。
アメリカは昨年11月に約20か月にわたり講じてきた入国禁止措置を解除、今年の2月11日からはイギリスが水際対策におけるすべての制限を撤廃するなど、新型コロナウイルス関連の国内規制の緩和や撤廃に向けた動きが各国で加速しています。
このような時勢の中、2021年11月から12月の間に、「観光経営力強化セミナー ~ウィズ/アフターコロナとダイバーシティに対応していくためのノウハウを学ぶ~」と題して、全3回にわたってセミナーが開催されました。
本記事では、東京都産業労働局主催で開催された全3回にわたる上記セミナーの概要をお伝えしていきます。
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- 第1回 ウィズ/アフターコロナの宿泊業界を生き抜くために
- 宿屋大学 代表 近藤寛和氏「DX等を利用した新しいホテルの価値創造の総論」
- H.A. Advisors 代表 阿部博秀氏「世界そして日本、ポストコロナの宿泊、観光マーケットはどう変わる?」
- 株式会社L&Gグローバルビジネス 代表 龍崎翔子氏「ホテル運営サイドは多様化が進むポストコロナの世界でどうすべきか?」
- 第2回 「結局DXってどういうこと?」~今から始める観光DX~
- 株式会社ゼロイン 木立徹氏「観光DXについての概論」
- 台湾デジタル担当大臣 オードリー・タン氏 「DXの推進、それに伴う課題と障壁」
- DXについてオードリー・タン氏へのQ&A「観光・DXについてリアルタイムディスカッション」
- 第3回 サステナブルリカバリーと消費単価増をインバウンドで狙うには
- InsideJapan Tours Insider チームリーダー ロバート・小玉氏「欧米の富裕層旅行市場のコロナによる動向・変化」
- Cocolo Travel CEO アクセル・デルべ氏「欧米の富裕層をターゲットにするにあたり知っておきたい彼らの消費動向」
- TOUCH GROUP株式会社 CEO 原田・劉・静織氏「アジア、主に中国の富裕層について理解しておくべきこと」
- ウィズコロナ時代における観光業、多様な誘客
目次
第1回 ウィズ/アフターコロナの宿泊業界を生き抜くために
2021年11月1日(月)に開催された第1回目となる「ウィズ/アフターコロナの宿泊業界を生き抜くために」では、3人の講師が登壇しました。
講師一覧(第1回)
- 宿屋大学 代表 近藤寛和氏
- H.A. Advisors 代表 阿部博秀氏
- L&G GLOBAL 代表 龍崎翔子氏
タイムテーブル
15:00〜 開会挨拶
15:05〜 プログラム1. 近藤寛和氏
DX等を利用した新しいホテルの価値創造の総論
15:40〜 プログラム2. 阿部博秀氏
世界そして日本、ポストコロナの宿泊、観光マーケットはどう変わる?
16:30〜 プログラム3. 龍崎翔子氏
ホテル運営サイドは多様化が進むポストコロナの世界でどうすべきか?
17:35〜 講師陣によるディスカッション
宿屋大学 代表 近藤寛和氏「DX等を利用した新しいホテルの価値創造の総論」
第1回目の1人目は、ホテルマネジメントビジネススクールである宿屋大学、代表、近藤寛和氏です。「DX等を利用した新しいホテルの価値創造の総論」をテーマに掲げ、以下の4つの内容を主軸に講演されました。
- ポストコロナで世の中がどう変わるのか?
- ポストコロナでホテルの在り方がどう変わるのか?
- ホテルはどう舵取りしていくべきか?
- DXの事例紹介
近藤氏は、コロナ禍前を昭和(を引きずった時代)、コロナ禍後を令和(的新しい時代)として主に価値基準についての変化を述べました。
今まではルールや常識に即して正解を導き出すことが求められていたものの、アフターコロナはそもそも正解や常識やルールが一旦リセットされ正解の無い時代となるので、自分が今何を考えるべきか適切な問いを立て、正解は自分たちで作っていくしかありません。
また近藤氏は、コロナ禍で世の中がリセットするため常識やルールが通用せず、市場価値のあるホンモノだけが残っていく時代になるといいます。
ホテル経営の在り方については、ホテルの経営者やレベニューマネージャーが今後重視していくべきレベニューマネジメント(収益の最大化)について語りました。
近藤氏はこれからは世の中の景気の変動に合わせ、柔軟に対応できる経営スタイルが求められるといいます。
1つのホテルに100室あったとしたらその中の20部屋は高単価の客で、30部屋は常連客、30部屋は訪日外国人旅行客のように、100部屋をどうデザインしていくかがこれからの時代の経営者やレベニューマネージャーは考えていくべきということです。
これは、コロナ禍前にはとにかく客を増やし株を上げることが重視されていたのに対し、アフターコロナにはADR(米国預託証券)および、客層や客質の重視が大切になってくるという近藤氏の考え方によるものです。
近藤寛和氏「DX等を利用した新しいホテルの価値創造の総論」
H.A. Advisors 代表 阿部博秀氏「世界そして日本、ポストコロナの宿泊、観光マーケットはどう変わる?」
続いて2人目は、新規ホテルの開発支援を手掛けるH.A. Advisorsの代表、阿部博秀氏です。
「世界そして日本、ポストコロナの宿泊、観光マーケットはどう変わる?」をテーマに掲げ、以下の3つの内容を主軸に講演されました。
- 世界主要国が開国へ - 欧米主要国vs中国
- ビジネス回復への道筋 - 希望とリスク
- ビジネスはどう変わるか - 多様化と加速化
「ビジネスがどう変わるか」については短期的にビジネスを助ける要素として、繰越需要(ペントアップデマンド)についてです。
繰越需要とは、消費者の需要は景気後退期は減少している訳ではなく、積み上げられ繰り越される部分があるため、需要は景気回復に伴い表面化し一時的に増大する現象を指します。
上記グラフより、個人超過貯蓄のGDP比率は先進国と比較し最も低い数値の日本ですが、コロナ禍にはコロナ禍前と比較し国全体で外出自粛の流れもあってか、貯蓄額が5倍に膨れ上がっています。
2019年分を2021年と比較した際には貯蓄額がさらに増大していると考えらえれます。
阿部氏は繰越需要を踏まえ、Go To トラベルの再開時期にも言及しました。
日本政府が渡航制限を解除する際、日本人は海外旅行をしたいというインセンティブが働くため、渡航制限の解除前にGo To トラベルを再開することで国内で消費してもらいたいといいます。
Go To トラベルの再開時期をめぐっては、早めか海外旅行の波が終わった後か、海外旅行に行かない人に向けた実施が良いと述べました。
阿部博秀氏「世界そして日本、ポストコロナの宿泊、観光マーケットはどう変わる?」
株式会社L&Gグローバルビジネス 代表 龍崎翔子氏「ホテル運営サイドは多様化が進むポストコロナの世界でどうすべきか?」
続いて3人目は、全国5か所にてホテル経営を手がける株式会社L&Gグローバルビジネスの代表、龍崎翔子氏です。
「ホテル運営サイドは多様化が進むポストコロナの世界でどうすべきか?」をテーマに掲げ講演されました。
2015年頃よりペンション経営を始めた龍崎氏は京都や大阪にホテルを開業したのち、2018年より湯河原の温泉旅館、北海道の層雲峡温泉のホテルの経営再生に携わっています。
龍崎氏は過当競争や低価格競争の加速を、観光市場における変化として指摘しました。
龍崎氏によれば現状の観光業界は供給過剰になっているため、自ら顧客を獲得することが難しい事業者の場合、代理店や OTA への依存がどうしても強くなってしまうため、値崩れし低収益化し没個性化して、OTA依存がさらに強くなるという負のスパイルに陥ってしまうという懸念をもっています。
そこで低価格競争に乗ると徐々に苦しくなってしまうため、自分たちの宿の在り方を確立し価格競争に巻き込まれない勇気が必要だといいます。
また、これからの観光業界には市場(=需要)を作り出す能力が必要です。
市場を作る手順については1分程度のワークを用いて5つのステップで述べました。
市場を作る力は「需要を掘り起こす力=人が何にお金を払うのかを発見する力」といいます。
講演の最後に龍崎氏は、
「誰かに集客してもらうのではなく新しい時代の消費スタイルを踏まえ、その消費スタイルの中で魅力的だと思われる、指名買いされるホテルづくりを行い自力で集客していける宿になること」
が足腰の強いホテル経営につなげるために大切な要素であるとまとめました。
龍崎翔子氏「ホテル運営サイドは多様化が進むポストコロナの世界でどうすべきか?」
第2回 「結局DXってどういうこと?」~今から始める観光DX~
2021年11月26日(金)に開催された第2回目となる「結局DXってどういうこと?」~今から始める観光DX~では、3人の講師が登壇しました。
講師一覧(第2回)
- 台湾デジタル担当大臣 オードリー・タン氏
- ジーリーメディアグループ 代表 吉田皓一氏
- 株式会社ゼロイン 木立徹氏
タイムテーブル
10:00〜 開会挨拶
10:05〜 導入概論 木立徹氏
観光DXについての概論
10:30〜 講演 オードリー・タン氏 ※日本語翻訳付き英語講演。
DXの推進、それに伴う課題と障壁
10:50〜 DXについてオードリー・タン氏へのQ&A オードリー・タン氏・吉田皓一氏・木立徹氏
観光・DXについてリアルタイムディスカッション
11:45〜 本日の振り返り 吉田皓一氏・木立徹氏
株式会社ゼロイン 木立徹氏「観光DXについての概論」
第2回目の1人目は、観光情報を発信するプロジェクトを受託する株式会社ゼロインのプロデューサー、観光庁登録専門家の木立徹氏です。
導入概論として「観光DXについての概論」というテーマで講演されました。
デジタルによって既存のサービスが置き換わってしまうことを「デジタル・ディスラプション」と呼びますが、木立氏によればデジタル・ディスラプションはユーザーにとっては新しい価値(便利)となるものの、既存業者にとっては大きなインパクトになり得るといいます。
またデジタルとアナログを比較したのち、アナログの特徴にも言及し、世の中の高額消費はアナログに支えられている部分が大きいといいます。
情報の表現が豊富なことから得られる「満足」、複製にコストのかかる「希少性」、目に見え、声の届く範囲にある「愛着」などです。
デジタルが普及した分、手間暇をかけることや長期にわたって物を使うこと、職人が携わっている分野などが伸びているといいます。
加えて木立氏は、5つのDXにまつわる事例を紹介したほか、これから起こるとされている3つのDXについても講演内で述べました。
木立徹氏「観光DXについての概論」
台湾デジタル担当大臣 オードリー・タン氏 「DXの推進、それに伴う課題と障壁」
続いて2人目は台湾のデジタル担当大臣、オードリー・タン氏です。
「DXの推進、それに伴う課題と障壁」をテーマに、世界的に新型コロナウイルスが急速にまん延する中、台湾が感染拡大の封じ込めに成功した要因などを中心に講演されました。
台湾における新型コロナウイルスへの対応は、「素早く」「公平に」「楽しく」という3つの柱で実施されてきました。このうちの「公平に」では、誰も取り残さないことを重要視してきたといいます。
マスクの買い占めが起こった2020年2月は、時間がある人だけがマスクを買えるという状況になっていたため、薬局のマスクが売り切れ、時間の無い人々はマスクが無いという状況に陥ったといいます。
そこで国民が公平にマスクを変える仕組みとして、3日以内にマスクマップ「gov.tw」が作られました。
これはリアルタイムで店舗のマスクの在庫状況が30秒ごとに更新されるもので、LINEのチャット欄も用意することで、扱いに慣れていない人たちに向けた使い方の説明をする仕組みも構築されました。
また、新型コロナウイルスの濃厚接触者を管理・追跡するため、アプリを使って自分がいつ、どのタイミングで公共の場所に入ったのかが分かるようにしました。
これには時間短縮に向けた工夫もなされており、ダウンロードが必要なためアプリでの登録を促すと利用率が低くなるといいます。
そこで、スマートフォンの内蔵カメラでQRコードをスキャンさせることで、利用者は3秒で登録が完了するように工夫されました。
上記のようなDXの推進および、行政サービスのデジタル化に早期に取り組んできた台湾では、世界的に新型コロナウイルスが急速にまん延する中、感染拡大の封じ込めに成功しています。
オードリー・タン氏 「DXの推進、それに伴う課題と障壁」
DXについてオードリー・タン氏へのQ&A「観光・DXについてリアルタイムディスカッション」
このパートでは観光・DXについてディスカッション形式で吉田氏がオードリー氏へ中国語で質問し、セミナーの視聴者へ吉田氏が日本語に翻訳し直して回答されました。質問とそれに対する回答をいくつか抜粋します。
継続学習の必要性についてオードリー氏は、学校などの外的な理由での勉強は睡眠時間が短くなり、自分が学びたいと思うことに時間を割くことが逆にほとんどないため、このような状況では学習動機が弱くなってしまいます。
そのためオードリー氏は、十分な休暇を確保し、社会全体に貢献したいという気持ちと何事にも好奇心を持つことで、目的のある学びが得られると考えています。
続いては、旅や観光が人生に与える魅力についてです。
この質問に対し、オードリー氏は20以上の都市を訪問した経験を踏まえ2つのことに気づいたといいます。
1つ目は同じ人間である限り、感じる事柄や価値観は同じであるということです。
例えば、地球や後世が良くなってほしいと誰もが思っていますが、それに対してそれぞれが違うやり方をしています。そうしないと、各国の文化が続かないからです。
2つ目が、共通の価値観の中で新しいやり方は複数あるということです。
台湾ではまだ誰も知らないようなことがありますが、オードリー氏は多くの学びを異文化から得て、台湾や他の場所に導入したといいます。
文化が異なることはお互いの強みであり、仮に文化間で交流がなければこれ以上進歩しないことと同義であると述べました。だからこそ、異文化の良い部分に触れることが大切です。
DXについてオードリー・タン氏へのQ&A「観光・DXについてリアルタイムディスカッション」
第3回 サステナブルリカバリーと消費単価増をインバウンドで狙うには
2021年12月2日(木)に開催された第3回目となる「サステナブルリカバリーと消費単価増をインバウンドで狙うには」には、3人の講師が登壇しました。
講師一覧(第3回)
- InsideJapan Tours Insider Team Leader ロバート・小玉氏
- Cocolo Travel CEO アクセル・デルべ氏
- TOUCH GROUP 株式会社 CEO 原田・劉・静織氏
タイムテーブル
14:00〜 開会挨拶
14:10〜 講演1. ロバート・小玉氏
欧米の富裕層旅行市場のコロナによる動向・変化
14:30〜 講演2. アクセル・デルベ氏
欧米の富裕層をターゲットにするにあたり知っておきたい彼らの消費動向
15:05〜 講演3. 原田・劉・静織氏
アジア、主に中国の富裕層について理解しておくべきこと
16:00〜 質疑応答・講師陣によるディスカッション
InsideJapan Tours Insider チームリーダー ロバート・小玉氏「欧米の富裕層旅行市場のコロナによる動向・変化」
第3回目の1人目は、イギリス、アメリカ、オーストラリア向けにマーケットを展開するInsideJapan Tours Insider チームリーダーのロバート・小玉氏です。
「欧米の富裕層旅行市場のコロナによる動向・変化」をテーマに掲げ、欧米の富裕層のマーケットがコロナによりどう変化したかについて講演されました。
まず収益成長率をみると、2022年は例年よりリピーターからの予約が多く入っています。
これには、小玉氏の会社と顧客の信頼関係を構築するため、コロナ禍における日本の現状をイメージだけでなく事実ベースで本当のことを伝えているからだといいます。
加えて、顧客からの保険も大切になり、InsideJapanでは顧客から保険のお金をもらっていますが、なかなか旅行に行けない状況でもキャンセル数が少ないです。
これは小玉氏によると、会社が顧客から預かったお金を守り、キャンセルポリシーも安定・強固になっているため顧客との信頼関係が生まれているといいます。
小玉氏の講演では、各国の旅行トレンドとしてアメリカとイギリスのほか、アフターコロナにおける訪日旅行の予約日数についても言及されています。
ロバート・小玉氏「欧米の富裕層旅行市場のコロナによる動向・変化」
Cocolo Travel CEO アクセル・デルべ氏「欧米の富裕層をターゲットにするにあたり知っておきたい彼らの消費動向」
続いて2人目は、東京に拠点を置くインバウンド旅行会社Cocolo Travel CEOのアクセル・デルべ氏です。
2015年にフランス人旅行者をメインターゲットとしたCocolo Travel合同会社を設立したのち、コロナ禍には日本の製品を海外の消費者に紹介するEコマースのサービスを提供しています。
デルベ氏は「欧米の富裕層をターゲットにするにあたり知っておきたい彼らの消費動向」をテーマに、日本人旅行者とフランス人旅行者の旅行習慣の違いついて語りました。
一般的にフランス人は日本人と比較して、グループ旅行ではなく、自分のペースで何でもできるFIT(1人旅)を好む傾向にあります。
これらが背景にあってか、フランス人は他の旅行者と自分の経験をシェアすることがそこまで好きではないといいます。
ゆえに、自国から切り離された感覚を好み他の旅行者を見たくない、会いたくないという気持ちがあるため、その国の現地の人とだけ交流するという旅行スタイルを好みます。
デルべ氏の講演では、最近の顧客からの要望の傾向からフランス語圏の訪日旅行者の消費習慣が今後どのように変化していくか、独自の考えを述べられました。
アクセル・デルべ氏「欧米の富裕層をターゲットにするにあたり知っておきたい彼らの消費動向」
TOUCH GROUP株式会社 CEO 原田・劉・静織氏「アジア、主に中国の富裕層について理解しておくべきこと」
続いて3人目は、富裕層向けのメディア事業を手掛ける TOUCH GROUP株式会社CEO、原田・劉・静織氏です。
トリップアドバイザーの社長に就任したことを契機に、2013年より旅行業界に携わっています。
原田氏は「アジア、主に中国の富裕層について理解しておくべきこと」をテーマに、冒頭は中国の所得構造から語りました。
TOUCH GROUP株式会社の保有するデータによると、2020年の中国国内における所得は2019年に対して、所得上昇率は8.9%増加、富豪と富裕層の人数は2017年と比較して2倍以上になっています。
このような中国富裕層を訪日中国人旅行者のターゲットとするには、多くの課題を抱えているといいます。
例えば日本語ができないがゆえの行きたい場所の予約が中々できないこと、また、中国では5年前からキャッシュレス決済が普及しておりスマートフォン1台で出歩く状況にもかかわらず、日本の地方部ではまだまだ現金が必須です。
このため、中国富裕層には主にどんな特徴があるか、どんなコンテンツが好みで、どのような価値観をもっているか、アプローチ方法はどんなものがあるか、やってはいけないことは何かなど、誘客の際には理解しておく必要があります。
また、原田氏は中国と日本のSNSを比較したうえで実際のアプローチ方法として、もっとSNSを味方につけて欲しいといいます。
今インターネットの世界は、一つは中国、もう一つは中国以外の2つに大別されています。
中国人を誘客したいと思う事業者は、左のアイコンのSNSに取り組まないと中国人に情報が伝わらずPRできません。
また、原田氏はテキストの時代は終わっているといいます。
今は静止画の投稿をしても、プラットフォーム側の支援をもらえないし、ユーザーからの支持ももらえないという状況になっていると指摘しました。
原田・劉・静織氏「アジア、主に中国の富裕層について理解しておくべきこと」
ウィズコロナ時代における観光業、多様な誘客
ウィズコロナ時代に突入したことにより、消費者の需要は大きく多様化しています。
これらの需要には多様な方法で対応していくことが、観光関連事業者の責務となり得るでしょう。
アフターコロナ時代に対応していくためにも事業者は今回の3回にわたるセミナーを活用して、大きな変化に対応していくことが求められます。
<参照>
東京都産業労働局:観光経営力強化セミナー
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