国際空港評議会(ACI)は4月11日、2021年版の「世界で最も忙しい空港トップ10」を発表しました。
コロナ禍での渡航制限の影響により、トップ10入りしたいずれの空港でも、主な利用者は国内線の乗客であったことがわかりました。
また2021年のランキングでは、コロナ前の2019年までに上位を占めていた空港が再び上位に返り咲く様が目立ちます。
この傾向は2022年には国際線の乗客数が回復することを示唆しています。
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乗客総数は前年比では回復
国際空港評議会(以下ACI)の発表によると、2021年の国際線の乗客は約45億人でした。これはコロナ前の2019年と比べると半分以下の数字ですが、2020年と比べると約25%の増加となっています。
利用者数トップ10の空港は、全体の約10%にあたる4億6,000万人の乗客に利用されました。これは、2019年のトップ10の空港と比べると約30%の減少にあたりますが、2020年のトップ10の空港と比べると52%増加したことになります。
2021年の国際線乗客数は、コロナ前の水準にはまだ遠く及ばないものの、2020年を底として回復をみせていることがわかりました。
米中がトップ10独占
国際線と国内線の乗客総数トップ10には、8つのアメリカの空港と2つの中国の空港がランクインし、この2国が上位を独占する結果となりました。
1位は7,500万人余りに利用されたアメリカのハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港でした。昨年の2位から一つ順位を上げ、2019年以来のトップとなりました。
2位にはダラス・フォートワース国際空港、3位にはデンバー国際空港と、アメリカの巨大空港が名を連ねました。これら上位3つの空港はいずれも、2019年の水準には及ばなかったものの、2020年比では乗客数を50%以上増加させました。
中国勢では、2020年に1位だった広州白雲国際空港が8位に、2020年に3位だった成都双流国際空港が9位に後退しました。
2020年には、コロナ禍での世界的な渡航制限の影響を受け、国際線の往来が激減したため多くの国内線利用者を抱える中国の空港が上位を独占していました。
しかし2021年に入り、各国の渡航制限の緩和が進みました。依然として国内線が中心ではあるものの、国際線の往来が徐々に再開していったことにより、再びコロナ前のような顔ぶれがランキングに戻ってきていることがわかります。
国際線乗客数ではアブダビ国際空港が首位キープ
国際線の乗客総数では、約3,000万人に利用されたアラブ首長国連邦のアブダビ国際空港が、2019年・2020年に続き1位となりました。
航空機の修理設備に強みをもつアブダビ国際空港は、世界一のハブ空港のポジションを堅持しています。アブダビ国際空港が位置するドバイでは、トップダウン型の観光戦略をもって開発が進められており、今やインバウンド産業の手本ともいえる観光大国となっています。
アラブ首長国連邦では、出入国に際しての検査の免除など、コロナ関連の規制の緩和・撤廃も進んでいるため、今後の観光回復にも期待がもてそうです。
2位にはトルコのイスタンブール空港、3位にはオランダのアムステルダム・スキポール国際空港がランクインしました。
イスタンブール空港では、2020年7月に、全ての国際線乗客が利用できる空港博物館がオープンしました。空港施設の目玉として、トルコ文化と芸術にも目を向けてもらう機会を提供しています。
上位の顔ぶれ戻り、国際線の需要回復へ
ACIのルイス・フェリペ・デ・オリヴェイラ世界総局長は、コロナ前にたびたび上位にランクインしていた空港が、2021年に再び上位に返り咲いたことについて、「往来回復の傾向を示している」と述べました。
また同氏は、往来回復は様々な逆風を浴びることになるだろうとしながらも、「各国の入国緩和によって生み出された勢いは、2022年後半の旅行の後押しになるだろう」と述べるなど、今後の航空業界について前向きな見方を示しました。
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<参照>
国際空港評議会:The top 10 busiest airports in the world revealed
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