世界の航空需要、コロナ前の7割超まで回復/各国で新規開設・増便・再開ぞくぞく【世界の航空便増減まとめ 8月】

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世界的な新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界の航空会社は大きな影響を受けましたが、各国の入国制限などの規制緩和に伴い、航空便の再開や増便が相次いでいます。

国際航空運送協会IATA)が8月4日に発表した、6月の世界の航空旅客需要動向は、旅客需要を表すRPKが昨年同月比76.2%増と大きく回復しました。

特に国際線旅客需要の回復が力強く、対前年同月比で229.5%増と急増しています。

またコロナ禍以前の2019年同月と比較しても、7割超の水準まで回復しています。

日本航空(JAL)とANA(全日本空輸)の6月の国際線の利用実績は77.6%となり、JALでは2年4か月ぶりに30万人を超え、ANAは2か月連続で20万人を超えました。

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【東アジア】JALが成田~天津線開設、各国で増便・再開続々

日本国内では、JALやANAなど航空各社で続々と国際線が再開、増便されており、JALでは新規路線も開設されました。

韓国や香港、台湾などでも再開・増便が相次いでいます。

日本 各社で再開・増便、JALは天津線開設も

JAL

JALは7月16日、成田~天津線を週1往復で開設したほか、7月25日から羽田~ソウル(金浦)線を週2往復から1日1往復(週7往復)のデイリー運航に増便しました。

8月2日には、約2年4か月ぶりに成田~コナ(ハワイ島)線の運航を週3往復で再開しました。

また10月1日から羽田~ヘルシンキ線を週4便往復から週5往復に増便するほか、朝に成田へ到着する香港発便を強化し、成田での北米行き乗り継ぎ需要をさらに強化します。

羽田~ダラス・フォートワース線、成田~バンクーバー線も、それぞれ週7往復(1日1往復)のデイリー運航に増便します。

ANA

ANAは、7月1日に再開した羽田~ソウル便を、週2往復から1日1往復に増便し、7月11日に現地発のみで再開していた成田~北京線も8月8日から成田発を再開します。

また羽田~ロサンゼルス線や成田~フランクフルト線などの欧米路線も増便し、国際線の減便率は9月が65%、10月は64%となります。

その他

ZIPAIRは、10月30日からの冬ダイヤで、ホノルル線を週3往復、バンコク線を1日1往復、ソウル線を週6往復で運航します。

また成田~ロサンゼルス線は、冬ダイヤ期間も週7往復で運航します。

ピーチ・アビエーションは9月16日に、関西~台北(桃園)線の運航を1年5か月ぶりに週2往復で再開します。

同社の国際線再開は、8月28日から運航する関西~ソウル(仁川)線に続き2路線目で、9月22日には成田~台北(桃園)線を週2往復で再開します。

韓国 チェジュ航空、日本路線を続々再開

チェジュ航空は、8月10日から福岡〜ソウル/仁川線の運航を再開するほか、9月6日から成田〜釜山線を週3便、9月11日から福岡〜釜山線を週1便、10月2日からは関西〜釜山線を週3便で再開します。

また大韓航空も、7月25日からソウル/金浦~羽田線を1日1往復に増便するほか、9月2日から釜山~成田線週3往復で再開します。

新興LCCで日本初就航となるフライカンウォンは、7月27日に9月30日から週4往復で襄陽(ヤンヤン)~成田線を開設すると発表しましたが、8月10日に就航日を10月30日に延期したと発表しました。

香港 2年半ぶりに香港~福岡線を再開

香港エクスプレス航空は8月4日から、香港~福岡線を週1往復で2年半ぶりに再開します。

運航は木曜日で、機材はエアバスA320neoを使用し、座席数は1クラス188席となります。

台湾 台湾スターラックス航空、台北(桃園)~関西線を増便

台湾スターラックス航空は8月6日から、台北(桃園)~関西線を週3往復から週4往復に増便します。

また仙台空港は、10月30日からの冬ダイヤで、2年7か月ぶりに国際線の運航を再開する見通しで、タイガーエア台湾が同日から週3往復運航します。

同空港の国際線は、コロナ禍以前に6社が5路線運航していましたが、現時点では残りの5社は再開の見込みが立っていないとしています。

中国 中国国際航空、成田〜北京線を再開

中国国際航空は8月23日から、成田〜北京線の運航を週1便で再開します。

再開するのは午前8時5分北京発、折り返しの午後2時20分成田発の火曜週1便で、エアバスA330型機で運航します。

【東南アジア】マレーシアのエアアジアX、オーストラリアとニュージーランド3路線を再開

東南アジアでは、マレーシアでエアアジアXが、オーストラリアとニュージーランド3路線を再開しました。

いっぽうベトナムでは、ベトナム航空が、9月1日から予定していた成田〜ダナン線の運航再開を延期しています。

ベトナム ベトナム航空、成田〜ダナン線の運航再開延期

ベトナム航空は、9月1日から予定していた成田〜ダナン線の運航再開を延期しました。

いっぽうベトジェットエアは9月以降、ハノイ・ホーチミン・ダナン〜アフマダーバード・ハイデラバード・ベンガルール線の9路線を週4便で順次開設し、年末年始の休暇に合わせてダナン〜ムンバイ・デリー線も開設するなど、インド路線を17路線に大幅に拡大します。

マレーシア エアアジアX、オーストラリアとニュージーランド3路線を再開

エアアジアXは11月1日から、クアラルンプールとオーストラリア、ニュージーランドを結ぶ3路線の運航を再開します。

それぞれ週3便で再開し、2023年第1四半期までに段階的に増便してデイリー運航とします。

【北・南米】ハワイアン航空、羽田~ホノルル線をデイリー運航で再開

アメリカのハワイアン航空は、8月1日に羽田~ホノルル線を1日1往復のデイリー運航で再開しました。

アメリカ ハワイアン航空、羽田~ホノルル線のデイリー運航で再開

ハワイアン航空は8月1日、羽田~ホノルル線を1日1往復のデイリー運航で再開しました。

運航中の成田線と関西線もデイリーに増便し、3路線で週21往復運航します。

またユナイテッド航空は、11月17日にワシントン〜ケープタウン線を週3便で開設します。

デルタ航空も、12月17日から週3便でアトランタ〜ケープタウン線とロサンゼルス〜パペーテ線、2023年5月8日から週3便でアトランタ〜テルアビブ線を開設します。

破産したアラスカの地域航空会社Ravnが前身のノーザンパシフィック航空は、アメリカ〜メキシコ路線の開設を決定し、日本にも2023年第2四半期に就航を予定しています。

【オセアニア】ジェットスター航空、2年4か月ぶりに成田~ケアンズ再開

オセアニアでは、オーストラリアでジェットスター航空が、2年4か月ぶりに成田~ケアンズ線を再開しました。

オーストラリア ジェットスター航空、2年4か月ぶりに成田~ケアンズ再開

ジェットスター航空は7月20日、ケアンズ~成田線を2年4か月ぶりに再開しました。

翌21日には、9割をやや下回る搭乗率で、成田発の再開初便がケアンズに出発しました。

一部を除き週5往復で、機材はボーイング787-8型機が使用されます。

ニュージーランド ニュージーランド航空、成田〜オークランド線をデイリー化

8月から入国制限が撤廃されているニュージーランドでは、ニュージーランド航空が、観光シーズンを迎える冬スケジュール(10月30日~)で成田〜オークランド線を段階的に増便します。

2023年2月13日以降は1日1便まで増やし、関西〜オークランド線の運休は継続します。

またニュージーランド航空は、オークランド〜ロサンゼルス・ソウル/仁川線も増便します。

【ヨーロッパ】ロンドン・ヒースロー空港、9月11日までフライト削減を要請

ロンドンのヒースロー空港は、9月11日までのフライトの削減を航空会社に要請しました。

数週間で出発旅客数が1日10万人を超えることが続き、長蛇の列や手荷物の未着、直前の欠航などサービスが低下しているとし、他空港やヨーロッパ空域での遅延に伴う到着時刻の遅れなどの影響も発生しています。

空港利用者に対しては、フライトの3時間前より早く空港に到着しないことなどを求めています。

ドイツ ルフトハンザ航空が日本路線強化、労組ストで1,000便超欠航も

日本路線の強化を進めるルフトハンザ・グループでは、ルフトハンザ航空が6月にミュンヘン~羽田線を週3往復で再開しており、7月からは週5往復に増便しています。

7月以降の日本路線は、オーストリア航空とスイス インターナショナルエアラインズ(SWR/LX)を加えたグループ3社で週15往復運航し、市場回復を図っています。

いっぽう同グループでは労組ストにより、7月26日と翌27日に拠点とするフランクフルトとミュンヘン発着の1,000便以上が欠航し、13万人以上に影響が出る見通しです。

フランス 羽田~パリ線を週5往復に増便

エールフランス航空は、10月30日から23年3月25日の冬ダイヤで、パリ発着の羽田線を週5往復に増便し、成田線も週5往復に戻します。

関西線は夏ダイヤと同様に、週3往復を継続します。

オランダ 日本路線の冬ダイヤは成田直行便に、関空はソウル経由継続

KLMオランダ航空は、10月30日から23年3月25日の冬ダイヤで、ソウル(仁川)経由で運航しているアムステルダム~成田線を期初翌日の10月31日から直行便に戻します。

いっぽう関西線は引き続きソウル経由で運航し、2路線とも週2往復ずつを継続します。

【中東】サウジアラビア航空、リヤド〜チューリッヒ線を開設

中東では、各国で国際線の新規開設や増便が相次いでおり、サウジアラビア航空はリヤド〜チューリッヒ線を開設しました。

アラブ首長国連邦 エミレーツ航空、ドバイ〜テルアビブ線をダブルデイリーに

エミレーツ航空は7月27日から8月3日まで、ドバイ〜ロンドン/ガトウィック線を1日3便に期間増便します。

ロンドン・ヒースロー空港の利用者数制限に対応するもので、期間中もドバイ〜ロンドン/ヒースロー線を1日6便運航し、8月1日からはドバイ〜ロンドン/スタンステッド線の運航も再開します。

さらに10月30日からは、ドバイ〜テルアビブ線を1日2便に増便します。

同社はドバイ〜テルアビブ線を6月23日に就航し、イスラエルへ初めて乗り入れています。

カタール カタール航空、ドーハ〜メルボルン線を増便、キャンベラへ延伸

カタール航空は、現在1日1便のドーハ〜ベルリン線を増便し、8月12日から週10便、9月6日から週11便となります。

さらに10月1日からは、ドーハ〜メルボルン線を1日2便に増便します。

ビクトリア州政府との戦略的合意に伴うもので、機材はボーイング777-300ER型機を使用します。

増便する便はメルボルン経由キャンベラ便で、オーストラリアの首都への接続も再開されます。

サウジアラビア サウジアラビア航空、リヤド〜チューリッヒ線を開設

サウジアラビア航空(サウディア)は8月3日、リヤド〜チューリッヒ線を開設しました。

Air Connectivityプログラムに基づき就航するもので、水・日曜の週2便で運航し、エアバスA320型機を使用します。

リヤドで開催された就航記念式典にはスイス大使などが出席し、チューリッヒでは放水で歓迎が行われ、サウジアラビア大使が出迎えました。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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