5月の訪日外客数は190万人 桜シーズン後の閑散期も回復基調続く

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日本政府観光局は6月21日、2023年5月の訪日外客数推計値を発表しました。

5月の訪日外客数は、3月~4月の桜シーズン後の閑散期にあたるものの、回復率では前月を上回り、2019年同月比68.5%の189万8,900人となりました。

国・地域別では韓国が51万人と最多で全体の約3分の1を占めており、日韓間の直行便数が回復していることなどから、全体の訪日外客数を押し上げています。

本記事では、5月の訪日外客数について各市場のデータと動向をふまえて解説します。

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5月の訪日外客数は190万人

桜シーズン後の閑散期となった5月の訪日外客数は1,89万8,900人で、前月の194万9,100人から減少しました。ただし、コロナ前の2019年同月比では68.5%と、先月の66.6%を上回っています。

▲5月の訪日外客数は190万人 コロナ前比68.5%と回復基調続く:JNTO 訪日外客統計より訪日ラボ作成

東アジア地域で韓国を中心に訪日外客数が増加したことや、東南アジア・欧米豪地域では、シンガポールや米国など複数市場で2019年同月比を超える回復を記録したことが、押し上げ要因となっています。

また国際定期便については、コロナ前の約6割まで運航便数が回復しています。

なお2023年5月の公表から、北欧地域(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド)の推計値の公表が開始されています。

以下、5月のエリア別データを解説します。

5月データ:東アジア

5月の東アジアの訪日客は、韓国が51万5,700人、中国が13万4,400人、台湾が30万3,300人、香港が15万4,400人でした。

韓国は旅行のオフシーズンを迎えたものの、日本側の水際規制緩和のほか日本各地への地方路線復便の回復等もあり、コロナ前の2019年同月比で85.5%まで回復しています。

中国では、中国文化旅游部より日本行きの海外旅行商品の販売禁止措置が継続されていますが、日中双方の水際規制緩和の影響等もあり、コロナ前の2019年同月比で17.8%となっています。

台湾では、台湾における渡航警戒レベルで、渡航の是非検討等に日本が含まれていますが、日台双方の水際緩和の影響等もあり、 コロナ前の2019年同月比で71.1%まで回復しています。

香港は、日本と香港双方の水際規制緩和や仏誕節の影響等もあり、コロナ前の2019年同月比で81.7%まで回復しています。

5月データ:東南アジア

5月の東南アジア各国の訪日客は、タイが80,700人、シンガポールが49,700人、マレーシアが34,000人、インドネシアが31,100人、フィリピンが49,900人、ベトナムが45,800人、インドが18,000人でした。

いずれの国も、日本への直行便数は前年同月と比較して回復傾向にあります。

タイは日本の水際規制緩和の影響等があり、コロナ前の2019年同月比で74.8%まで回復しています。

シンガポールやマレーシアでは、日本の水際規制緩和に加えてスクールホリデーの影響等もあり、コロナ前の2019年同月比でシンガポールは132.0%、マレーシアは79.8%まで回復しています。

ベトナムはコロナ前の2019年同月比で114.8%となっていますが、同国は2019年以前も留学や技能実習等を含むその他客が多い市場であった点は注意が必要です。

なおインドネシア、フィリピンでは、日本からの入国においてワクチン接種証明書の提出が求められています。またインドでは日本からの入国において、2月13日から到着時にランダムPCR検査が行われています。

5月データ:豪州・北米

5月の豪州・北米からの訪日客は、オーストラリアが40,800人、アメリカが18万3,400人、カナダが42,300人、メキシコが8,500人でした。

いずれの国でも、日本への直行便数は前年同月と比較して回復傾向にあります。

日本の水際規制緩和等の影響もあり、2019年同月比では、オーストラリアが88.3%、アメリカが116.8%、カナダが119.7%、メキシコが155.1%まで回復しています。

5月データ:欧州

5月の欧州各国からの訪日客数は、イギリスが27,700人、フランスが26,800人、ドイツが23,100人、イタリアが11,800人、スペインが8,600人、ロシアが3,000人となりました。

イギリス、フランス、ドイツでは、日本への直行便数は前年同月と比較して回復傾向にあります。

日本側の水際規制緩和の影響等もあり、2019年同月比では、イギリスが87.5%、フランスが86.8%、ドイツが107.2%、イタリアは94.7%、スペインは86.3%まで回復しています。

イタリアでは、ローマ~羽田間の2022年11月の新規就航により、コロナ禍以降運休が続いていた日本への直行便が再開されています。

スペイン、ロシアでは依然として日本への直行便は運休が続いており、ロシアではウクライナ侵攻に伴う各国からの制裁等による影響が続いています。

なお北欧地域からの訪日客数は8,600人で、2023年3月のヘルシンキ~関西間の復便等もあり、日本への直行便は前年同月に比べ回復傾向にあります。

5月データ:中東

5月の中東地域の訪日客は、8,700人となりました。

日本の水際規制緩和に加えて、一部の中東地域の国で新たな査証申請・手続きが緩和されたことや、5月はラマダン明けにあたることなどから、2019年同月比153.2%とコロナ前の水準を大幅に上回っています。

またドバイ~羽田間の増便などもあって、日本への直行便数も前年同月に比べて回復傾向にあります。


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<参照>

日本政府観光局(JNTO) :訪日外客数(2023年5月推計値)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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