2022年10月の水際対策緩和以降、訪日外国人観光客の数は急速に回復しており、ほぼコロナ前の水準に達しています。
では、日本に住む「在留外国人」も、同じようにコロナ禍の収束によって増えているのでしょうか。また、在留外国人が多く住む都道府県や自治体はどこで、どの国籍の外国人が多いのでしょうか。
本記事ではこうした疑問について、最新のデータに基づいて解説します。
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在留外国人は322万人 どこの国が多い?
出入国在留管理庁によると、2023年6月末時点での在留外国人数は322万3,858人で、2022年末に比べ14万8,645人増加したことがわかりました。
前年末に比べ4.8%の増加となりました。コロナ禍で在留外国人は一時的に減少しましたが、2022年以降は増加傾向にあり、すでにコロナ前(2019年)の時期よりも多くなっています。
※2022年以前は各年末時点でのデータ、2023年のみ最新の6月末時点でのデータを採用。
在留外国人を国籍別でみてみると、中国が78.8万人で最も多いことがわかりました。次いでベトナム(52.0万人)、韓国(41.2万人)、フィリピン(31.0万人)、ブラジル(21.1万人)となっており、近隣のアジア諸国が大きな割合を占めていることがわかります。
在留外国人が多い都道府県、1位は東京都
では、在留外国人はどの地域に多く住んでいるのでしょうか。まずは都道府県単位でみていきます。1位は東京都で62.7万人です。これは2位の愛知県の29.7万人の2倍以上にあたり、人数では東京が突出していることがわかります。3位以降は大阪府、神奈川県、埼玉県、千葉県、兵庫県と続いていきます。関東、関西地方の都府県が上位を占めていることがわかります。
割合でみると、東京都の62.7万人は全体の322.4万人の約2割を占めています。また関東地方の東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県を合わせると129.8万人で全体の約4割に、関西地方の大阪府、兵庫県、京都府を合わせると48.4万人で全体の15.0%になります。
在留外国人が多い自治体(市区町村)、1位は埼玉県川口市
次は市区町村単位で在留外国人数をみていきます。出入国在留管理庁が発表している「在留外国人総数上位100自治体」から上位50の自治体を抜粋しました。
東京以外で在留外国人が多い市区町村は?
東京都以外で1位の川口市の次に在留外国人が多いのは、7位の大阪市生野区です。生野区の在留外国人のうち67.1%が朝鮮・韓国系の外国人であり、新宿区新大久保に並ぶ大きな韓国系住民のコミュニティとなっています。
東京都以外では次に15位の愛知県豊橋市がランクインしています。製造業を中心に、外国人を雇用する企業が多くあることや、教育面などをはじめとする公的支援が充実していることなどが要因となっています。
続く千葉県船橋市は川口市と同様に、都内へのアクセスが良い割に住宅費が安いため、アジア系を中心に多くの在留外国人が集まっています。学費や生活費を稼ぎながら日本語学校に通う学生にとっては、船橋市にはアルバイト先が多くあることも好条件となっています。
東京23区で最も在留外国人が多いのは新宿区
ここまでみてきたように、東京都には突出して多くの在留外国人が住んでおり、また東京23区には特に密集していることがわかりました。ここでは東京23区内で、どの地域にどの国の外国人が多く住んでいるかをみていきます。
1位は昨年に引き続き新宿区となりました。2位も昨年と同じく江戸川区です。リトルインディアと呼ばれる西葛西を抱える江戸川区は、インド人住民の数が他の区に比べ圧倒的に多くなっています。外国人学校などの生活基盤も年々整備が進んでおり、外国人が住みやすい環境が整えられていることが要因です。
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<参照>
出入国在留管理庁:令和5年6月末現在における在留外国人数について
出入国在留管理庁:(別表)在留外国人総数上位100自治体
東京都総務局統計部:区市町村、国籍・地域別外国人人口
川口市:川口市に住む外国人のこと知ろう!
大阪市:住民基本台帳人口・外国人人口 令和5年9月末日現在 外国人住民区別国籍別人口
船橋市:国籍別人員表(令和5年)
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