紅葉は日本人だけでなく、外国人にとっても人気の観光コンテンツです。日本の伝統や文化に触れる機会も豊富であることから、多くの旅行代理店でインバウンド客向けの紅葉ツアーが開催されています。
外国人観光客に焦点をあわせたツアーでは、一体どのようなイベントが企画されているのでしょうか。本記事では、紅葉が海外からも人気を集める理由と、インバウンド向けのおすすめ紅葉ツアーを解説します。
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1. インバウンド客に紅葉が人気な理由
毎年、秋になると多くの日本人が心待ちにする紅葉。日本人だけでなく、紅葉を楽しみに訪日するインバウンド客もたくさんいます。紅葉がインバウンド客に人気の理由として、「色彩が豊かな点」と「周囲の景色との組み合わせがよい点」があげられます。
日本の紅葉の色彩が豊かな秘密は、落葉広葉樹の種類にあるといわれていて、13種しかないヨーロッパやカナダに対し、日本には26種もの落葉広葉樹があります。赤や黄にくわえ、緑などさまざまな色を一度に楽しめるのは、他の国にはなかなかない日本の紅葉の大きな特徴でしょう。
独特の風情があることも、紅葉がインバウンド客から人気を得ている理由のひとつです。日本では神社仏閣や庭園といった景勝地が紅葉の名所になっているケースが多く見られます。趣のある景観と紅葉の相性がよく、インバウンド客から高く評価されています。
2. インバウンド向け紅葉ツアー
インバウンド向けに企画されている紅葉ツアー事例を5つ紹介します。どのようなイベントが外国人観光客の心をつかむのか、ぜひチェックしてみてください。
2-1. 紅葉と夜景をダブルで楽しめる「六甲山の秋満喫ツアー」
兵庫県神戸市にある六甲山を舞台に実施される1泊2日の紅葉ツアー。秋の自然と六甲山の魅力である美しい夜景を満喫してもらうために、紅葉ガイドと夜景鑑賞ハイキングを実施したそうです。
ツアーでは日中に紅葉のある神戸市内の植物園を散策し、夕方以降は六甲山へ移動してナイトハイクやガイド付きの夜景鑑賞を楽しむ構成になっていました。プログラムのひとつである坐禅瞑想体験は「他にはない日本文化を体験できた」と外国人観光客から高い評価を得たそうです。
一方で、「通訳ではなく、英語によるダイレクトな説明があればなおよかった」との意見もありました。
参照:外国人旅行者向け ニューツーリズム推進に向けたポイントの解説(観光庁資料)
2-2. ヘリコプターで楽しむ「富裕層向け紅葉ツアー」
こちらは2023年に開催されたもの。日光の紅葉をヘリコプターから楽しむ2泊3日の富裕層向けツアーです。東京へリポートを出発したら紅葉の名所である中禅寺湖やいろは坂などの紅葉を上空から鑑賞します。およそ50分のフライトを終えたらホテル専用のへリポートに着陸し、その後は専用車でホテルまで送迎します。
高級ホテルに宿泊し、地元の高級食材を使った夕食を味わうなど、観光名所ならではの体験が可能です。ツアー料金は2泊3日で1人400万円と、かなり高額に設定されていました。
参照:SKY TREK 日光のスイート 「ザ・リッツ・カールトン日光」 ヘリコプターの旅
2-3. 秋には紅葉も!「隠れた日本の魅力に出会うミステリーツアー」
こちらも2023年のツアーです。インバウンド旅行を専門に扱うJTBグローバルマーケティング&トラベルが開催するミステリーツアー。事前に行き先を伏せた状態で季節の旬のスポットへ案内するため、インバウンド客は「行き先を想像する高揚感」と「日本の新たな魅力との出会い」を味わえます。
海外では知名度の低いスポットを案内することで、オーバーツーリズムの解消と新たなインバウンド流入の創出が期待できます。インバウンド客・地域住民の両方にメリットが期待できる理想的なツアーだったといえるでしょう。
参照:訪日外国人観光客向けパッケージ旅行「サンライズツアー」 60周年記念特別ツアーを10月17日(火)より順次発売開始
2-4. トロッコ列車で思い出作り「秋の嵯峨野トロッコ列車嵐山半日ツアー」
トロッコ列車に乗って紅葉を楽しむツアーです。京都の代表的な紅葉スポット・保津峡を嵯峨野トロッコ列車に乗って鑑賞できるうえに、英語でのガイドが用意されています。
選んだプランによっては、船から紅葉で彩られた渓谷を眺める保津川下りや、定番スポットである嵐山の散策も可能です。ただ紅葉を楽しむだけでなく、「乗り物に乗りながら」といった付加価値が追加される点がインバウンド客にとって大きな魅力といえるでしょう。
ツアー自体は半日で終了するため、京都の紅葉名所を手軽に楽しみたい観光客にもよろこばれそうです。
参照:Sagano Romantic Train For Autumn in Arashiyama Half Day Tour
2-5. 1日で京都の紅葉スポットを6か所巡るツアー
京都の紅葉スポットを1日で6か所も観光できるツアーです。英語のガイド付きで蹴上インクラインや南禅寺などの6つの紅葉の名所を巡ります。ツアーの最後を世界遺産の大御寺で締めくくるなど、こだわりを感じさせるルートが用意されています。
それぞれの寺院で紅葉との美しい組み合わせを楽しめるため、日本の建築物や歴史に興味があるインバウンドの集客も期待できます。ランチには和食が用意されているなど、日本の秋を心ゆくまで満喫できるでしょう。
参考:Hidden Kyotogenic For Autumn with Subway 1 Day Pass Tour
3. まとめ
日本の紅葉は色彩が豊かなうえにロケーションが美しいことから、海外からも高い人気を誇っています。多くの旅行代理店や自治体では、インバウンド需要の増加を目指した紅葉ツアーを企画しています。
どのプログラムでも、インバウンド客に対して日本の紅葉の価値をあげられるようなプランを展開しています。ただし、近年ではオーバーツーリズムが問題となっています。地域住民が海外からの観光客も快く受け入れられるよう、独自ルートの開発などで解消を目指す取り組みが必要になりそうです。
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