2022年10月に日本政府の水際対策が緩和されてから、インバウンド需要は急速な回復を見せています。
1月17日に日本政府観光局(JNTO)が発表した訪日外客統計(2023年12月および年間推計値)によると、2023年の訪日外客数は2,500 万人を突破。2019年比では78.6%にとどまるものの、 2023年12月の訪日外客数は273万4,000人と2019 年同月比で108.2%となりました。
同日に観光庁が公表した訪日外国人消費動向調査では、2023年の訪日外国人旅行消費額は5.3兆円と過去最高となったことがわかりました。
新型コロナウイルス感染症拡大前の水準まで急速に回復するインバウンド需要ですが、タイ市場は現在どのような状況なのでしょうか。本記事では、タイ市場のインバウンド動向について、最新データを交えて解説します。
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
2023年の訪日タイ人数は99万5,500人。2019年比75.5%も、2022年比で4倍以上
日本政府観光局(JNTO)が発表した訪日外客統計(2023年12月および年間推計値)によると、2023年の訪日タイ人数は99万5,500人で、2019年比で約76%でした。
訪日タイ人数を月別に見ても、いずれの月も2019年同月よりも若干低い水準となり、新型コロナウイルス感染症拡大前の水準まではまだ回復していない様子です。
直近10年を比較すると、2023年の訪日タイ人数は2017年と同様の水準でした。2022年との比較では4倍以上に増えているなど、タイ市場でも訪日需要が急速な回復傾向にあることは明確です。
コロナ禍以前の水準まで回復しなかった理由としては、消費者購買力の低下や航空券代金の高騰などの影響が考えられます。
一方で、バンコク〜福岡間やバンコク〜新千歳間など、日本への直行便数は前年同月に比べて回復傾向にあり、それに伴ってタイ市場の盛り上がりも期待されます。
2023年の訪日タイ人消費額は1,902億円。一人あたりの旅行支出は2019年比145.3%
観光庁より発表された訪日外国人消費動向調査によると、2023年の訪日タイ人の消費額は1,902億円でした。年末休暇やスノーシーズンによる訪日需要の高まりなどの影響のあった10〜12月の消費額は682億円で、2019年同時期比125%の結果となりました。
過去10年との比較では、2023年の訪日タイ人の消費額は最高額を記録。コロナ禍前にピークとなった2019年の1,732億円から10%ほど伸びています。
訪日タイ人の一人あたりの旅行支出もコロナ禍前と比較して急激に伸びています。2023年は19万1,026円と、訪日外国人一人あたりの旅行支出の平均21万2,193円よりも低い水準ですが、2019年比では145.3%となっています。訪日外国人全体の平均は2019年比で133.8%であることをふまえると、タイ人の一人あたりの旅行支出は相場以上に高まったと言えるでしょう。
費目別での訪日タイ人消費額は、買物代が551億円、宿泊費が576億円、飲食費が446億円、交通費が260億円、娯楽等サービス費が69億円でした。2019年は買物代が最も多くの割合を占めていたのに対し、2023年は宿泊費に最も多くの予算を割いています。
これらの変化の要因として、円安バーツ高が緩やかに進むものの、宿泊費や交通費など日本滞在中にかかる費用が高騰したことにより、旅ナカの購買力が低下したと考えられそうです。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
<参照>
JNTO:訪日外客数(2023年12月および年間推計値)
観光庁:訪日外国人消費動向調査
中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!