ロケーションテクノロジーの専門企業トムトムが、世界の交通状況の調査結果をまとめた年次レポート「トムトム・トラフィック・インデックス」を発表しました。
2023年に世界で最も交通渋滞が激しい都市は英国ロンドンで、日本の調査対象都市では札幌が最上位の14番目にランクインしているほか、名古屋が25番目、東京が27番目に位置しています。
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2023年の世界の交通渋滞動向を調査
トムトムが調査を実施した「トムトム・トラフィック・インデックス」は、6億台以上のカーナビゲーションシステムとスマートフォンから収集される交通データに基づき分析されています。調査結果を見ていきましょう。
最も渋滞が激しい都市はロンドン
調査によると、2023年は世界の387都市のうち228都市で平均速度が低下するなど、世界中のあらゆる都市で渋滞が発生していることが明らかになりました。
とくに英国ロンドンの渋滞が激しく、10kmの走行に37分20秒かかることが分かっているほか、2番目にアイルランドのダブリン(29分30秒)、3番目にはカナダのトロント(29分00秒)が続いています。
日本国内では札幌の渋滞が最も激しく、10kmの移動に26分30秒を要すことが明らかになっています。
渋滞による経済的影響
調査では、351都市のうち60%以上の都市で2021年から2023年のあいだに燃料費の平均コストが15%以上増加したことが示されています。
ガソリン価格がとくに高い香港では、ガソリン車で走行する場合、交通渋滞により年間187ドルのコストが余分に生じているほか、フランスのパリではおよそ300ドル、英国ロンドンでも235ドルも余分にコストが生じていることが明らかになりました。
日本国内においては、東京で100ドル、大阪で90ドルのコストが渋滞によって余分に生じています。
渋滞による環境への影響
燃料消費量の増加により、自動車1台あたりの平均CO2排出量にも影響を与えています。
東京では、毎日ラッシュアワーに片道10kmをガソリン車で走行する場合、年間978kgものCO2を排出していることが明らかになりました。週に1日、自転車や公共交通機関を使用するなど、ガソリン車以外の移動手段に置き換えるだけで年間196kgのCO2排出量を削減できる計算です。
交通渋滞解消への取り組み
交通渋滞を解消するためには、ビッグデータとロケーションインテリジェンスの活用が鍵となります。トムトム・トラフィック・インデックスは、都市計画担当者や政策立案者にとって有益な情報を提供し、渋滞を緩和するための施策の策定に役立ちます。
また、マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によると、リアルタイムの交通データを利用することで都市の移動時間を15~20%短縮できることが分かっています。
データを活用した交通管理は、都市の未来を計画し、持続する交通問題への対処において重要な役割を果たします。持続可能な都市計画のなかで、大気汚染対策として低排出ゾーン(LEZ)の設定や、公共交通機関の利用促進、自転車や徒歩による移動の推奨など、多角的なアプローチが求められています。
これらの取り組みは、交通渋滞を緩和し、都市部の生活品質を向上させることに貢献するだけでなく、気候変動対策においても重要な意味を持つということです。
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<参照>
TomTom NVプレスリリース:トムトム、2023年の世界の交通状況をまとめたトムトム・トラフィック・インデックス最新版を発表
マッキンゼー・アンド・カンパニー:Smart cities: Digital solutions for a more livable future
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