IATAは5月9日、手荷物追跡に関する規則の導入状況について、調査結果を発表しました。
155の航空会社と94の空港を対象とした調査で、航空会社の44%が導入済みであり、さらに41%が導入を進めていることが分かりました。
関連記事:世界の航空需要 アジア市場を中心に拡大、夏まで盛り上がりが続く予想
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
IATA、手荷物追跡に関する規則の導入状況を調査
IATA決議753号(IATA Resolution 753)とは、出発前の手荷物の預け入れや航空機への搭載、乗り継ぎ、目的地到着などの各ポイントにおける荷物の追跡を義務付けた規則です。
2018年6月に採択されたもので、IATAでは2024年、航空会社による手荷物追跡の実施状況に関するデータを収集し、加盟航空会社が実施計画作成・実行することを支援するキャンペーンを進めています。
5月9日には、IATA決議753号の導入状況の調査結果について発表しました。
航空会社の44%が導入済み、41%は準備中
調査は航空会社155社と94空港を対象として行われ、航空会社の44%がIATA決議753号を導入済みであることが分かりました。
地域別の導入率は、中国と北アジア地域が88%、米大陸が60%、欧州およびアジア太平洋地域は40%、アフリカが27%となっており、地域差が生じています。
さらに41%の航空会社が、導入を進めている準備中の段階となっています。
国際航空通信共同体(SITA)によると、2022年の世界の手荷物誤送率は乗客1,000人あたり7.6件で、その大半は48時間に返却されているといいます。
IATAの地上業務ディレクターのモニカ・メイストリコバ氏は、追跡機能について「手荷物の誤った取り扱いを減らし、誤送された手荷物を迅速に所有者に戻すことに役立つ」と話しており、今後業界でさらなる改善が進むといいます。
空港の75%が対応可能、メガ空港で高いRFID採用率も
また調査対象の空港のうち、75%がIATA決議753号に準拠した手荷物管理機能を備えていることが分かりました。
空港での準備状況は規模によって異なっており、メガ空港(4,000万人以上)の75%、主要空港(2,500~4,000万)の85%、大規模空港(1,500万~2,500万)の82%、中規模空港(500~1,500万)の61%が対応可能となっています。
主要な追跡技術である光学式バーコードスキャンは、調査対象の空港の過半数(73%)で導入されており、より効率的なRFIDを使用した追跡を実施しているのは27%でした。
RFIDは特にメガ空港での採用率が高く、54%の空港で実施されています。
*RFID…電波の送受信によって非接触でICタグのデータを読み書きする自動認識技術
IATA、手荷物の誤送を減らすための革新を主導
IATA決議753号では、航空会社はインターラインパートナー*やその代理店と手荷物追跡メッセージを交換することが義務付けられています。
しかし現在の手荷物メッセージングの基盤は高価なため、決議753号の実施に悪影響を及ぼし、メッセージ品質の問題によって手荷物の誤送が増加する可能性が指摘されているといいます。
そこでIATAは、これまでのシステムからXML標準に基づく最新の手荷物メッセージングへの移行を主導しているといいます。この最新の手荷物メッセージのテストは2024年に開始される予定です。
IATAのメイストリコバ氏は、最新の手荷物メッセージの導入によって「手荷物の誤送を減らすだけでなく、手荷物管理システムの継続的な革新の準備にもなる」と述べています。
*インターライン…複数の航空会社にまたがる運送のこと
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
<参照>
IATA:Industry Makes Progress to Reduce Baggage Mishanをdling, New Survey Reveals
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!