DECAXとは?インバウンド対策をするうえでも押さえておきたい購買行動・5つのプロセス

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消費者が商品を購入するまでには、商品の情報を集めたり、購入するかどうかを検討したりと、いくつかのステップを踏みます。そこで、注目されているのが「DECAX」という購買行動モデルです。

インターネットやSNSの普及により、消費者の購買行動は変化しており、それに伴って購買行動モデルも進化しています。また、海外からの観光客が増えている中で、インバウンド対策として外国人の消費行動を理解することも重要になってきています。

この記事では、注目されている「DECAX」モデルの概要やメリットについて解説します。さらに、これまでに提唱されてきた他の消費行動モデルもご紹介します。

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DECAXとは?5つの購買行動プロセスを含むモデル

DECAX(デキャックス)は、「Discovery(発見)」「Engage(関係構築)」「Check(確認)」「Action(行動)」「Experience(体験・共有)」の頭文字を取ったマーケティング用語です。

購買における購買行動を5つのプロセスに区分して説明したもので、SNSが消費者の生活と密接に関係すればするほどDECAXの重要度が増していきます。

実際の店舗に行く時間が少ないなどの理由により、消費者がSNSやインターネットコンテンツを通じて購買にかかわる情報を取得する機会は増えていくと考えられるでしょう。

1. Discovery(発見)

第一に情報は、消費者に「発見」されなければなりません。インターネットやSNSの普及により、消費者は多くの情報を手軽に入手できるようになりました。消費者にとっては、あふれる情報の中から有益な情報を発見していかなければなりません。

企業は消費者に発見されるような情報を発信することが求められます。メディアの特性を把握し、目を引くような有益なコンテンツを展開する必要があります。

消費者にとってメリットがある情報や、感情的に充足させるような映像や音楽とあわせて情報を発信することは、消費者に見つけてもらうためにできる工夫の一例です。

2. Engage(関係構築)

情報を発見してもらった後は消費者との「関係構築」が必要です。

消費者は企業の情報を発見して有益だと感じたら、「いいね!」を押したり、シェアしたり、Webサイトを訪れたり、メールマガジンを登録したりと、その関係性は徐々に濃くなっていきます。

双方向的な関係性を構築していく中で、企業は消費者の信頼を得られ、結果的に自社の商品やサービスに着目してもらえるようになります。

3. Check(確認)

消費者と企業の関係が構築されたら、商品に興味をもった消費者は本当に購入する価値があるのかどうかを「確認」します。

確認のプロセスでは、SNSや公式サイト、ニュースといったさまざまな媒体を通じて消費者が受け取る企業のメッセージが参考にされます。たとえば商品やサービスの購入への誘導を優先する姿勢が見えてしまうと、消費者のための商品と感じられず、結果として商品は購入されません。

確認の段階で、社会的責任をまっとうしていない企業であると消費者が判断する場合もあります。その場合、消費者は購入を断念するでしょう。消費者に信頼される存在であることが、DECAXのモデルで消費される商品を販売する企業にとっては有利にはたらきます。

4. Action(行動)

消費者は、確認した商品やサービスの情報が有益であると判断できたら、結果として商品やサービスを購入するという「行動」に出ます。

DECAXにおける行動には対価を支払う消費だけでなく、ダウンロード(無料)なども含まれます。

5. Experience(体験・共有)

商品やサービスが購入されたのち、消費者はそれらを実際に体験します。

体験された商品やサービスについての情報は、体験した消費者によってSNS口コミサイトに「共有」され、さらに二次的に多くの人に拡散されます。

企業が発信する情報でDECAXが循環するケースもありますが、このように消費者が発信した情報によってDECAXが循環するケースも珍しくありません。

DECAXが注目されるようになった背景

現在は多くの消費者が検索エンジンやSNSを日常的に利用しています。

消費者は多くの情報を収集できるようになった一方で、企業にとっては多くの情報の中で自社の情報を消費者に届けなければならない状況です。多くの情報の中で自社の情報を届けるために企業がしのぎを削っている状態で、各企業があらゆる工夫を凝らして消費者にアプローチしています。

そこで着目されはじめたのがコンテンツマーケティングです。コンテンツマーケティングの拡大に伴い、それに対応する購買行動モデルであるDECAXが提唱されました。

DECAXのメリット3つ

DECAXは、コンテンツマーケティング時代におけるSNS活用を視野に入れた購買行動モデルを指します。ここではDECAXのメリットや特徴について解説します。

1. 消費者による商品体験の口コミが増える

消費者が実際に商品やサービスを利用した感想は、リアルな体験に基づくため、他のユーザーにとって共感を呼びやすく、新しい消費者の購買意欲を引き出します。

さらに、これらの口コミは企業にとって市場調査の一環としても役立ち、今後の商品改善や新しい商品の開発に活かすことができるというメリットもあります。

2. ブランドのファンが増える

DECAXが他の購買行動モデルと異なるのは、企業と消費者の双方向の「関係構築(Engage)」が含まれている点です。

企業が発信するコンテンツを通じて、消費者は商品やサービスに興味を持ち、理解を深めていきます。そして、消費者が投稿した口コミに企業が返信するなどのやりとりを通して、両者の距離が縮まります。

こうした関係が築かれることで、製品やブランド、さらには企業全体への信頼が高まり、最終的には購買につながるでしょう。

一度ブランドのファンになった消費者は、継続的に新商品を購入し、購入した商品をSNSでシェアするようになります。これにより、企業は消費者による自然なPR効果を得て、さらにブランディングを強化できるのです。

3. 広告コストが抑えられる

発生した口コミが新たなユーザーに発見されることで、DECAXは次々と連鎖的に広がっていきます。

通常、多くの消費者にコンテンツを届けるためには膨大な広告費がかかります。しかし、DECAXでは消費者自身が情報を拡散するため、広告費を抑えることが可能です。広告予算が限られている個人店や開業したての飲食店などでも導入しやすいフレームワークといえます。

DECAXとほかの購買行動モデルの違い

DECAXが注目されるようになる前にも、消費者の購買行動に合わせてあらゆる購買行動モデルが提唱されてきました。中にはDECAXの基礎になっているものもあります。

ここでは「AIDMA」「AISAS」「AISCEAS」の3つの購買行動モデルについて紹介します。

AIDMA:マスメディアが軸、基本的な購買行動モデル

AIDMA(アイドマ)は、「Attention(注意)」「Interest(関心)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の頭文字を取った、購買行動モデルの中でも基本とされているモデルです。ただ、1920年代から提唱されていたモデルということもあり、古い購買モデルだという意見もあります。

AIDMAでは消費者の購買行動を5つのステップに分類しています。この5つのステップは消費者が商品について知る「認知段階」、商品を欲しいと感じる「感情段階」、実際に購入する「行動段階」の3つにわけられます。

実際、ECサイトを日常的に使う人も多い今、AIDMAが区分する段階はどれも、インターネット上で起こることは珍しくありません。

AISAS:インターネットサービスが影響する購買行動モデル

インターネットにより新たにAISAS(アイサス)という購買モデルが2004年から提唱されるようになりました。

「Attention(注意)」「Interest(関心)」「Search(検索」「Action(行動)」「Share(共有)」の頭文字をとった言葉です。

AISASでは、インターネット普及以前にはなかった「検索」と「共有」という2つの要素が登場しています

AISCEAS:口コミなどでの比較検討

AISASにさらに口コミなどの比較検討の要素が盛り込まれた購買行動モデルAISCEAS(アイシーズ)です。

インターネットが普及してSNS口コミサイトが多くの人に利用されるようになったことで、事前に口コミを確認することが当たり前になり、新しくAISCEASというモデルが提唱されるようになりました。

AISASを細分化したものであり、AISASの「Search(検索)」と「Action(行動)」の間に「Comparison(比較)」「Examination(検討)」が含まれます

DECAXを前提としたマーケティングのポイント

たとえば、ある飲料の販売戦略を考えます。商品である飲料は、最初に消費者に商品を見つけてもらわなければなりません(Discovery:発見)。

店頭に置いてある商品を見つけて手に取ってもらうケースも考えられますが、ここでは販売場所以外でどのように認知を獲得するかを考えます。

SNSでは、季節の行事に合わせた消費の提案をしたり、商品開発や販売の裏側といった特別な情報で関心を高めてもらうことをねらったり、その飲料をアレンジしたおいしい飲み方のコンテンツを発信したりというやり方が考えられます。

消費者は情報を発見し、肯定的にとらえたSNSコンテンツに関しては「いいね!」を押したりシェアをしたりリアクションをとります(Engage:関係構築)。

この「Engage(関係構築)」の過程を加速させるような内容をいかに生み出せるかが、DECAXのモデルを機能させるためにはひとつのポイントとなります。家族や友人に教えたいと感じられるコンテンツを公開できれば、情報は消費者によって拡散してもらえます。

関係構築の次は、商品の購入についての「確認」段階です。購入するべき商品だと確認できたら商品を購入します(Check:確認)。

消費者は商品購入後、人に伝えたい、もしくは自分の発信を見てほしいという思いから、SNS口コミサイトに感想を投稿します(Experience:体験・共有)。

消費者の口コミがコンテンツのひとつになることはもちろんですが、企業でも有益なコンテンツを展開することで、購買行動の循環が強化されることも期待できます。

また商品の種類によっては、商品の存在を発見してもらうきっかけとして、SEOに取り組み検索エンジンで上位に表示されるようにすることも、消費者が購買に至るまでの有効な手段となります。

顧客体験の重要性を示す購買行動モデルDECAX

インターネットやSNSが普及する中で消費者の購買行動モデルにも変化が生じています。従来はAIDMAやAISAS、AISCEASなどの購買モデルが時代の流れとともに提唱されてきました。

DECAXがこれまでの購買行動モデルと大きく異なるのは、「どのようにして発見してもらうか(発見)」「双方向の働きかけの効果(関係)」「企業や商品に対する評価づけ(確認)」に着目している点です。

最新の消費者の生活様式に即した購買行動モデルは、自社の商品や売れている商品がどのような消費者の心理や行動により購買されているのか、あるいはされていないのかを理解する手助けになるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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