Accessible Japanと株式会社JTB総合研究所が、共同調査「海外在住障害者の日本アクセシブル・ツーリズム認識調査」の結果を発表しました。
海外在住障害者の多くが、日本の寺や庭などに車いすで行きにくいと感じているなど、さまざまな課題が浮き彫りとなっています。
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Accessible JapanとJTB総研、「海外在住障害者の日本アクセシブル・ツーリズム認識調査」調査結果発表
Accessible Japanと株式会社JTB総合研究所は11月19日、共同調査「海外在住障害者の日本アクセシブル・ツーリズム認識調査」の結果を発表しました。
調査は、障害のある方のインバウンド旅行をサポートするAccessible Japanに登録している障害のある外国人とその家族が対象で、35か国・地域から合計221人の回答がありました。
また、Accessible Japanは英語サイトのため、回答者の7割が英語圏でした。
日本のバリアフリー「進んでいない」 寺や庭など車いすで行けず
回答者の障害の種類や状態は、手動式車いす利用者が43.0%、電動車いす利用者が42.1%とほぼ同程度となりました。
日本では手動車いすが主流である一方、海外では電動車いすの利用も一般的となっています。電動車いすは充電が必要で、かつ日本と海外では電圧が異なることから、バッテリーの充電が可能な環境の整備が求められます。
日本のアクセシブルに関するイメージは、「日本の寺や庭など、車いすで行けないところが多い(67.0%)」や「ホテル・レストラン・店など部屋や建物が狭い(55.2%)」など、移動のしやすさに関する懸念が上位を占めました。
訪日経験別にみると、訪日経験者の回答で割合が高いのは「ホテル・レストラン・店など部屋や建物が狭い(63.5%)」や「日本はアクセシブル・ツーリズムが進んでいない(48.6%)」などで、イメージ以上に実際の評価が低く、早急な改善が必要なポイントとなっています。
日本の法規制の不十分さが浮き彫りに
アクセシブル・ツーリズムが進んでいると感じた国や場所についての質問には、40名以上が「アメリカ」と回答しました。
理由としては、1990年に制定された適用範囲の広い障害による差別を禁止する公民権法「ADA法」を挙げる意見が多く見られました。
ほかに回答が多かったイギリスやスペイン、北欧なども、日本よりアクセシブルに関する法的拘束力が強い国々です。
「日本」との回答もあったものの、「東京」という都市名での回答が多く、特定の大都市でアクセシブルな環境整備が進むいっぽう、国全体で法規制が十分でない現状が浮き彫りとなりました。
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<参照>
株式会社JTB総合研究所:Accessible Japan・株式会社JTB総合研究所 共同調査 「海外在住障害者の日本アクセシブル・ツーリズム認識調査」
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