SMOTとは?消費者がリピートを決断する瞬間・マーケティング施策へ応用するポイントも解説

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SMOT(Second Moment of Truth/エスモット)は、顧客が商品やサービス体験した後の感情や評価に焦点を当てたマーケティングの考え方です。

この評価は顧客の満足度やリピート行動に影響を与えるだけでなく、口コミSNSを通じて他の潜在顧客にも広がり、次の購買行動を促します。

インバウンド需要が増える中で、SMOTの視点を活用して観光客の満足度を高めることで、口コミ効果が期待でき、観光地の魅力を多くの人に広めることができるでしょう。

この記事では、SMOTの基本的な意味や重要性、さらにSMOTを活用したマーケティング施策について解説します。また、顧客行動の理解に役立つZMOT(情報収集段階)やFMOT(初体験の瞬間)との関係も整理します。

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SMOTとは

SMOTは「Second Moment of Truth(読み方:「エスモット」)」の頭文字を取った言葉で、消費者が商品を使用してリピートを決める瞬間に関するメンタルモデルです。

リピーター獲得に向けた施策を行ううえでポイントとなる重要な瞬間を表します。

SMOTの意味

SMOTとはP&G社のCEOだったアラン・ラフリー氏が提唱したメンタルモデルで、消費者が購買行動を決める瞬間に関する理論のひとつです。

SMOTは、商品の購入者が実際に製品を利用し、その体験を通して商品を評価してリピートを決める瞬間を意味します。

消費者を満足させる商品であることが重要なポイントとなり、その満足感が高ければ再び同製品や同メーカーの製品を利用することにつながります。

ブランドや製品に対して高い信頼感をもつ優良顧客をリピーターとして獲得するためには、SMOTで得られる経験価値を高め、消費者を満足させることに注力することが大切です。

リピーター、ファンを増やせる重要なタイミング

より多くの利用者を自社ブランドのファンとして定着させるためには、SMOTの瞬間を大切にして効果的な施策を行うことが必要になります。

SMOTの瞬間に顧客に好印象を与えたうえで、次回購入時の選択肢を提示することはリピーターやファンを増やす上で重要なポイントです。

一度自社製品を利用した顧客を逃さないようにするためには、同一の製品を再び購入させるための働きかけだけでなく、同一メーカーの他の商品にも目を向けさせる工夫をすることが大切です。

他の商品のパンフレットや試供品、クーポンを同封するといったアプローチを行うことで別の製品にも興味、関心をもたせ、次回購入する際の選択肢として強く印象に残すことが期待できます。

SMOTだけでない、消費者心理をとらえた用語

SMOTとは商品の購入者が実施に使用する瞬間を意味するものでした。

続いては、SMOTとは異なる消費行動における意思決定の瞬間を表す言葉として用いられるZMOTとFMOTについて紹介します。

ZMOT

ZMOTは「Zero Moment of Truth(読み方:ズィーモット)」の頭文字を取った言葉で、顧客が実店舗を訪れる前にインターネット上の情報をもとに購入したい商品を決める瞬間のことを意味します。

こちらはGoogleが提唱しているマーケティング理論で、後述するFMOTよりも早い段階において、既に消費者が製品やブランドに対するイメージを確立しているとする考え方です。

SMOTやFMOTが提唱された2000年代前半とは異なり、現在はインターネットのさらなる普及やSNSの浸透により顧客との密接かつリアルタイムな情報のやり取りができる時代に突入しています。

また、企業の発信する情報だけでなく、ユーザー間での情報共有も意思決定における大きなウエイトを占めるようになっています。

魅力的な売り場をつくることも大切ですが、ZMOTで選ばれる製品やブランドになるためには、自社サイト、SNSなどさまざまな媒体が顧客目線でどのように評価されているかを調査、検討することが大切です。

FMOT

FMOTとは「First Moment of Truth(読み方:エフモット)」の略称で、顧客が実店舗やECサイト上など、商品を実際に購入する場で製品を初めて目にする瞬間を意味します。

P&G社では、テレビCMや広告などの大規模な宣伝よりも、店頭の売り場展開を重視した施策の方がより大きな効果を発揮することを発見し、FMOTの重要性を提唱しました。

売り場をひと目見た顧客に好印象をもたらし、購入につなげるためには、売り場で自社製品が目立つための工夫をする必要があります。

店内の目立つ箇所に商品を陳列したり、店舗利用者の目線の高さにあわせて陳列するなど売り場展開の工夫ができます。また、目立つパッケージデザインへ変更するほか、他社と異なる機能を追求するなど製品自体の差別化も効果が期待できます。

しかし、現在ではZMOTの影響が消費者の意思決定に大きな影響を与えるようになったため、実店舗での施策が十分な効果を発揮しない可能性もあります。購入頻度が高く、消費者が事前に情報収集をあまり行わない傾向にある製品群であれば、店頭での施策効果が期待できます。

SMOTを意識したマーケティング施策

SMOTを意識した施策では、製品を利用する瞬間に好印象を持った顧客に対して次の消費行動を促すための工夫を盛り込むことが大切です。

1. 商品やサービス購入後のアフターサービス

リピーター獲得のためには、SMOTで好印象を与えることはもちろん、好印象を持ったユーザーによる再購入と周囲への拡散効果をうまく活用することが大切です。

SMOTで好印象を与えるためには、わかりやすいマニュアルを同梱したり、製品の最大の特徴が最初に感じられるような手順を案内することが効果的です。文字だけでなく絵や図、動画やアプリを活用するなど、最適な方法で案内することが大切です。

また、ユーザー登録をすることで、メルマガ配信や延長保証を受けることができるサービスを提供することで、自社ブランドにふれる機会を増やすとともに安心感を与えることができます。

さらに、SMOTで好印象をもった利用者にSNSへの写真やレビュー投稿を促すキャンペーンを実施することで、その投稿が別の顧客の目に入ることによりZMOTの観点からも新規顧客獲得への効果が期待できます。

2. クーポン券やカタログの配布による宣伝

新規顧客をリピーターとして定着させるためには、再購入時の価格を下げることや、自社の販売する別の商品への関心を高める工夫などが効果的です。

次回利用可能なクーポンやカタログ、試供品などを購入時に手渡すことで、自社ブランドに触れる機会を増やし、自社の幅広い製品を利用する優良顧客を育て上げることが期待できます。

SMOTの重要なポイント

SMOTにおいて重要なポイントは、「顧客体験の質を高める」「フィードバックを活用する」「SNS口コミの拡散を促進する」の3つです。

それぞれのポイントについて詳しく説明します。

1. 顧客体験の質を向上させる

商品やサービスを利用する際の体験が顧客の期待を上回るものであることが重要です。

高品質な商品やサービスを提供するのはもちろん、丁寧で迅速なカスタマーサービスや、感動を与える特別な体験を演出することも大切です。

2. フィードバックの収集と活用

商品やサービスを改善するためには、顧客体験後の評価や意見を収集する必要があります。たとえば、アンケートやメールを通じて体験後にフィードバックを収集する方法もあります。

また、Googleマップやレビューサイトでの口コミをモニタリングし、ポジティブな意見を活用することができるでしょう。

ネガティブなフィードバックには迅速に対応し、顧客満足度を高めるための改善策を講じることも大切です。

3. SNSや口コミでの共有を促進

口コミは勝手に広まるものではありません。そのため、顧客が体験した満足度をSNSや口コミで広める仕組みを作ることが重要です。たとえば、以下のような施策が考えられます。
  • フォトジェニックなスポットや特別感のあるサービスを提供し、SNS投稿を促す
  • ハッシュタグキャンペーンや投稿特典を活用して顧客の投稿意欲を高める
  • 優れた体験が他の潜在顧客の購買行動に影響を与えるよう、公式アカウントで投稿をリポスト

これらを徹底することで、顧客の満足度を向上させ、他の潜在顧客への良い影響を広げ、ブランドやサービスの長期的な成長につなげることができます。

SMOTを意識したマーケティングで、リピーターの獲得を

SMOTやFMOT、ZMOTは一連の消費者の購買行動における意思決定のさまざまな瞬間を取り上げた言葉です。なかでもSMOTは消費者が同じ製品を再び購入するかどうかに大きな影響を与える要因として、リピーター獲得に向けた取り組みで重要視されています。

SMOTで消費者が感じる満足度向上を目指すだけでなく、購入者本人による再購入や周囲の人々への拡散を促す施策を実施することが大切です。

さまざまな手法を駆使し、SMOT、ZMOT、FMOTの好循環を形成することで既存顧客の定着と新規顧客開拓への効果が期待できます。

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【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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