東京都は2025年1月、食の魅力発信事業の一環として、「Tokyo Artissense: A Female Chef Collaboration」と題したイベントを東京・渋谷にて開催しました。
日本の「食」はすでに世界でも高い評価を受けていますが、訪日客による食の消費の促進や、食関連の輸出につなげるため、さらなる情報発信が求められています。
今回の東京都のイベントは、世界のトップシェフやフードライターに東京の多彩な食の魅力、女性シェフの活躍を体験・体感してもらい、彼らの持つ高い発信力を生かして東京へのさらなる旅行者誘致につなげていくために実施されました。
本記事では、その様子をお届けします。

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東京都が「食の魅力」発信、イベントの様子
今回のイベントをプロデュースしたのは、日本だけでなく世界中の食を知るフーディーの第一人者、株式会社アクセス・オール・エリア 代表取締役 浜田岳文氏。
浜田氏は、「Tokyo Artissenseには、職人技の真髄を味わっていただくという思いが込められている」「多様なキャリアパスを持つ3名の女性シェフの料理を楽しんでいただきながら、それが成立するだけのバックグラウンドが、東京にはあるということを感じていただければ」と話します。

そしてイベントの主役は、東京都を拠点に活躍する3名の女性シェフ。それぞれが東京産の食材などを使用したメニューを提供しました。


フレンチレストラン「été」のオーナーシェフ 庄司夏子氏が提供したのは、「été シグネチャーウニのタルト」「ポメロフラワー」「伊勢海老のパイ包焼き」の3品。ポメロフラワーには東京湾のカツオ、パイ包焼きには東京湾の伊勢海老と多摩地域のゆずが使用されています。



続いてラーメン店「純麦」のオーナーシェフ 矢嶋純氏は、東京のしゃもや豚骨などをスープに使用したラーメンと、季節の柑橘・酒粕を使ったかき氷を提供。


最後にイノベーティブイタリアン「FARO」のシェフパティシエ 加藤峰子氏によるデザート2品。東京産のいちごを使用した「薔薇と檜とアーモンド」、「日本の里山の恵 花のタルト(“Satoyama” Flower Tart)」が振る舞われました。


海外から招待されたのは、各国のミシュラン三つ星獲得シェフやフードライター7名。提供された料理に舌鼓を打ち、その高いクオリティや料理の技術を絶賛しています。さらに、若い女性シェフが活躍し、それに焦点を当てたイベントが行われたことについて、その意義を高く評価しました。


「東京の食の魅力」テーマにしたシェフ同士の対談も
イベントの最後には、浜田氏と女性シェフ3名の対談が行われました。
東京の食の魅力について、庄司氏は「小さい規模のお店が世界的に見ても多く、自分のフィルターを通した食しか出したくない、というこだわりがあるシェフが多い。大きいお金を得たいというより、譲れないものがある、というのは日本ならでは」と話します。
加藤氏も「下町にある高級すし店じゃない立ち食い寿司などでは、60年前の江戸前と同じ仕事がされていたり、面白い商店街がたくさんある。いろいろ冒険してみてほしい」と述べています。
訪日客に対しては「バックグラウンドに寄り添う」ことを大事に
海外から来るインバウンド客に対しては、庄司氏は「お客様に嫌な思いをせず楽しく過ごしてもらえるか。お客様のバックグラウンド、たとえば食べられないものなどに対して、寄り添うことを大事にしている」、矢嶋氏は「最近は海外のお客様もとても多いんですが、たとえば動物系が全くダメといった要望にも間に合えば合わせたり、そういうことをしっかりとやって、どんな人にも喜んでほしい」と語りました。

一方で、食の魅力を海外に発信するにあたっての課題として、浜田氏からは「いいお店でも発信が下手だから、海外に届いてない。そういう隠れた名店みたいなところがどんどん発信できるといい」といった指摘もありました。
そうした日本の素晴らしい職人の技術を残していくためには、国内外へ魅力を発信し、お店やシェフの活動が継続できるようにしていくことがやはり重要です。
今回の東京都のイベントは、まさにそうした技術を発信するとともに、「東京における若き女性シェフの活躍」という新たなコンセプトでまとめられた、意義深いものとなりました。
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